崖っぷちの二人2

 その後、工藤邸にて。

「……安室さんと私なら、と強調したのが気になりますね。彼が最初に言いかけた男とであれば、君はどちらを選ぶんですか?」

「え?な、なに言ってるの昴さ、」

「いえ、ただ気になっただけですよ。単なるもしも遊びですから」

「………。」

―――彼と俺なら、どちらを選ぶんだ?ボウヤ」

「ずるいよ赤井さん…声。」

「で、どちらなんだ?」

「………安室さんと赤井さんなら、赤井さんかな」

「ホー。理由を聞いても?」

「赤井さんだったら、ボクが引き上げた後、一緒に何がなんでも安室さんを助けられると思って」

「……沖矢昴の方の信頼は、安室君に負けるのか」

 なんだかんだでそれがいちばん聞きたかったらしい。安室ならともかく、赤井がこんなことをするとは思っていなかった。

「だって……ただの大学院生である沖矢昴の姿であんまり一般人離れした動きを見せたらおかしいし…安室さんだって一応普通の大学院生の沖矢さんなら助けるだろうから。」

「そうか」

「それに、あの場ではああ言っておかないと面倒なことになるかなって(安室さんが)」

「………なるほど。ボウヤも大変だな」

 その後はいつになく機嫌のいい赤井が見られたという。



 真実を知ってご機嫌な赤井さん(と何も知らずご機嫌な安室さん)



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