DC×OP(ネタ)

ベック夢の主人公がトリップ。シャンクスと赤井の中の人の声が一緒。
主人公は原作知識うっすらあり…かな。
微妙に文章体ですが推敲の時間がなさそうなのでとりあえずここに投下。
※クロスオーバーなので閲覧注意。
長すぎるので追記と分けます。名前は○○。

















「…ヘビースモーカーで狙撃の名人で、体術にも長けていて、常に冷静沈着な切れ者…か」
「それって赤井さんのこと?」
「んーゃ、私の……上司のこと。…しばらく会ってないけどね」
 でも確かにいろいろ被ってはいるなぁ、と彼を見る度に思う。…声はまるっきりシャンクスと同じだが。
「その人、赤井さんみたいな人なんだね」
「そうね、赤井さんを見ているとその人のことを思いだすのは確かね。…でも、苦労性ってとこだけは似てないかなあ。そこがいちばんセクシーなところでもあるんだけど」
 髪が真っ白になっちゃうくらい、ね。そう思ってくすりと笑った○○の後ろに、不意に声がかかった。
「ホー。是非会ってみたいものだな。その、君の上司とやらに」
 後ろから現れた赤井に、コナンは気付いていなかったのでびくりとしたが、○○は気付いていたので、事もなげに笑って首を傾げてみせた。コナンはその余裕さに少し違和感を抱く。…一般人にしては、気配を読むのに長け過ぎている。
「気配消して近づくとこも似てるかなあ。あと、やたらといい声なところも」
「長所ばかりよくすらすら挙がるものだな。俺まで褒められている気分になる」
「気配消して、は別に褒めてませんけど。それに私に気付かれてたら意味ないでしょう」
 見聞色の覇気を使っただけなのだが。この世界に覇気はないと知っている#名前#は曖昧に誤魔化したが、コナンの中では違和感は大きくなった。赤井が気配を消していることに気付いたうえで気配を察知したということだ。赤井の方も興味を持ったらしく、にやりと口角が上がったが、今この場で深く追求する気はないらしい。
「彼のもとに戻る気がないのなら、俺の部下になってみるか?」
「なっ」
 赤井の楽し気な言葉に、コナンは思わず声をもらした。赤井は現職のFBIだ。○○は相変わらず感情を読ませない笑みを浮かべていた。
「――――そうですね、」
 場違いなほど穏やかな声で、○○は口を開いた。…なぜか漂う緊張感は、一体どこから発せられているのだろう?
「まず現実的な問題を上げるなら、私はアメリカ国籍どころか身分証明をひとつも持っていないので、そもそも渡航できません。それに、私はとある人と今現在の立場に人生を捧げているのでそのつもりは欠片もありません。…………そもそも、戻る気がないんじゃなくて戻れないんですよ、自分の意思じゃ」
「どういう意味だ?へまでもやらかして追い出されたのか?」
 空気は張りつめる一方なのに、赤井が再びそんなことを問う。正直コナンはこの場から逃げ出してしまいたかった。○○の笑顔の裏に何かが見え隠れしているのが、赤井には分からないのだろうか。頼む、この話題を止めてくれ。
「事情はご想像にお任せしますけど」
 和やかながらも冷たく吐き捨てるような○○の言葉に、赤井はようやく思い至ったような顔をした。いや、そのすっとぼけたような態度すらも計算かもしれない。
「もしかして、怒っているのか?」
「何のことでしょう?」
「すまなかったな。…早く戻れることを祈っているよ」
「はは、それはどうも」





「ねえ、○○さんって、海に出ている人なの?」
「どうして?」
「…日焼けしてるし、手のひらも女の人にしてはすごく固いし…ロープの扱いに慣れているみたいだったから。気象にも詳しいみたいだしね。これって全部、船乗りに当てはまる条件だよね?」
「山に登る人もそうじゃないかなあ。ロープは山でも必需品だし、山の上の紫外線ってすごいから。気象も同じく、詳しくなきゃいけないしね」
「……そうだね」
 はぐらかされた。結局海に出ている人なのか、山に登る人なのか、それすらも教えてもらえていない。コナンはもう一息、とばかりに質問を続けた。
「ねえ、教えてよ。何をしている人なの?」
「さあね。あててごらん」
「それって、あてたら正解ってちゃんと教えてくれるってこと?じゃあ、海に出ている人ってわけじゃないんだね」
「探偵なら自分で正解を導き出してごらんよ」
 …手ごわい。


***


「○○!撃て!」
 ――――切羽詰まった声。○○は、ほとんど反射的に、傍に置かれていた長銃を手に取り、スコープを覗き込んだ。犯人の手に握られた拳銃がコナンに向けられていることを確認し、その手に照準を向け、ためらうことなく引き金を引いた。

「…何であの男の命令だと従うんです」
 安室が不満げな様子を隠しもせずに責めて来たのに、○○はうっと言葉に詰まった。それは自分でも思っていたからだ。仲間以外の他人に命じられて銃を撃つなどありえないと思っていたのだが。
「いや、状況が悪いっていうか………私のボスと同じ声なんですもん。条件反射ですよ」
 シャンクスがあの調子で#名前#に命令したら、○○は恐らく考えるより先に従ってしまう。シャンクスが本気で言う言葉に、間違いはないと信じているからだ。…あるいは、間違っていたとしてもそれでいいと思っているから。忠誠というほど美しいものではない。○○は、――恐らく他のクルーもだが、とうに魂を彼に捧げている。相手が悪魔なのか英雄なのかは知ったことではない。
それに、あの場で撃たなければ、コナンがどうなっていたか。
「本当に、あなた一体何者なんです?黒の組織の一員…」
「じゃ、ないですよ」
「それにしてはこちらの事情に精通しすぎている」
「あの小学一年生ほどじゃないですけど」
「ああ…彼は、本当に…」


 赤井と。
「ちょっとやめてください、その声で命令されると脊髄反射で従いそうになるんで」
「ホー、それはいいことを聞いたな」

 コナンと。
「………○○さん、銃撃てたんだ」
「あー……うーん。コナンくんは怪我しなかった?」
 ごまかすように笑いがながら、○○はコナンの体を探った。あちこちにかすり傷があるが、大きな傷や出血はとりあえず見当たらない。
「○○さんってほんとに一体何者なの…」
「あのねえ、それはこっちの台詞だよ…君は……これ、銃創だよね」
「え?…あ!そっ、それは…!」
 左腕の袖を少しまくり上げられて示されたそれに、コナンは慌てた。しかしその言葉を聞きつけて赤井までもがそばに寄ってきて、その傷を確認する。
「ボウヤ?」
「いや、その、えっと、」
 何と言い逃れしようか、わたわたするコナンに、大人二人はそろって溜め息をついた。
「…いや、赤井さん、私はあなたにも溜め息つきたいですよ。何でコナン君があんな無茶するのを止めるどころか助長しているんですか」
「……今回は他に方法がなくてな。腕の銃創には心当たりがあるが…」
「へーえ…他にはどんな無茶をしたんでしょうね。…傍にいる大人がこんなんじゃ真似するのもしょうがないのかな…?」
 ばちばちと視線をぶつけあう大人二人に、コナンはことさら子供らしい無邪気な声をあげた。
「○○さん、赤井さん…あの、今日は助けてくれて本当にありがとう!」
 すると、二人は見合わせて肩をすくめ、ふぅと息を吐く。子どもの前では諍い合う夫婦ですらも喧嘩を止めるものだ。大人が子供の前で諍いをする姿など、見せないにこしたことはない。
「…こちらこそ」
「ああ、いちばんの功労者はボウヤだがな」
追記
(2016/09/24 11:50)
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