「ちょお景ちゃん、無視せんで?」

「…」

今、愛しの恋人景ちゃんこと跡部景吾君はこの通り、

ご機嫌斜めである。

きっかけは喧嘩。
凄くしょうもない事で。

(景ちゃん、やっぱツンデレやな、かわええわ)

(あーん?俺様がツンデレだと!?オタリもいい加減にしろ馬鹿!)
みたいな。

オタリは無いやろ。
ほんま酷いわ。

「はあ…」

「あれ?おしたりー何ため息ついてんだC〜?」

「ん?ジローか?」






「うっわ〜、あとべかわE〜」

「あほ、取ったら承知せえへんで!」

軽く小突き、ジローは痛いC〜と笑った。

「やっぱり、謝ったらEと思うよ〜」

「あほ…謝っても駄目やったからため息ついてんやろ」

そっかー、とジローは考え込むような仕草をした。

「じゃあー、おしたりお得意の快感でオトす作戦はどうだC〜」

うわ、腹黒発言。

「あーほ!そないことして許してくれるわけ無いやろ!」

「え〜、泣くまでヤれば…」

「ジロー…お前…」

こいつ、これだからいつも寝てんのか。
夜寝てへんから。

「ま、色仕掛けは効くんじゃない?じゃ〜、もっかい寝よ」

色仕掛け…しゃあない。

やってみるか。





「景ちゃん!」

「…」

やっぱり無視か。
じゃあ、景ちゃん?こっちにも考えが有るんやで。
いくで…?景ちゃん、いや、景吾!


はむっ


「ひゃああっ!?」


耳を攻めてみよう。
本気でヤっちゃったら…な?ここ学校やし。

「ゆ、…し!?何しやがんだ!離せ馬鹿!」

「離さへん!」

耳たぶを舐めてみた。

「ん…、あぁ…ッや…め…ろおっ!」

左頬に痺れ。殴られた。
やめろって、顔真っ赤やで、声、エッチしてるときの声やで。絶対感じてるやろ。
やっぱりこれはツンか!?ツンデレのツンなのか!?


「う…んッ…ぁあ…」



耳でこんな感じてるなんて、どんだけ可愛いんやこの子。それとも俺のテクがぐほおッ!?また殴られた!?ちょ、流石に痛いわほんま。


「侑士の…ッ変態…」


あらあら、半泣き。

「俺様にこんな事して…ッただで済むと思ってんのか馬鹿!!」

やっぱりツンデレやん、語尾に馬鹿付く時点でツンデレやろ。


「侑士の…ばっばかたり…っむぅ…ふあっ」

ちゅーすればイケるやろ。

「ん…っふ…はあ、は、ぁ…っゆぅ…侑士い…」

「仲直り、しよや?」


「ぅ…しょ、しょうが…ねえ…な!俺様は優しいからな!!」


あー、かわええわ。
やっぱり、ツンデレやよな?
このお姫様は。




メランコリーと角砂糖
(君は甘い、角砂糖)
(甘味は直ぐに溶けてしまうけど)

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