第ニ話
どのくらい眠っていたのだろうか、
全身を締め付けられるような苦しさに目を覚ました。
まただ、また目が開けられない。
闇の中に一人でいるような感覚。
少しずつ体を圧迫する力が強くなる。
何故か恐怖は感じなかった。
もうすべてを諦めてしまいたかった。
なにもかもが面倒だ。
もういい。
もういいんだ。
もう私は頑張った。
母の前でも、クラスの前でも、すべての人間の前で、自分を演じるのは疲れた。
楽に逝かせてくれれば、それ以外望まないのに。
今までに無く、体が締め付けられる。
ふっ、と目の前に光がさした。
っ……おぎゃぁっ
今聞こえたのは、
赤ん坊の声……?
―――おめでとうございます!
―――立派な男の子ですよ!!
どうやら出産時らしい
……でも、何で??
私の体が、温かなものに包まれた。
―――あぁ、私の愛しい子、やっと生まれて来てくれた。
やめろ、いやだ、キキタクナイ
―――あなたの名前は、謙也よ。
あぁ、涙が出そうだ………
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