先輩との遠距離恋愛は上手くいってる

お互い忙しい日々を送ってるけど連絡は何かしら取ってるし、会える機会が出来たら会うし

私が行く事の方が殆どだから先輩は申し訳なさそうにするけど全然苦じゃないし、寮生活の私の所に来たところで泊まる所もないし…
ホテルとか…行かなきゃダメでしょ
それはそれでいいけど何だか勿体ないし、先輩と会っても私は休みでも先輩は自転車がある事が多いし

そんな時は私は先輩の家で家事をしながらのんびり帰りを待ったりして、勝手に1人で奥様みたい…!
なんてニヤニヤしながら過ごしているのも楽しくて

帰ってきた先輩の胸に一目散に飛び込めば、先輩はヤレヤレみたいな顔をしながらも絶対に受け止めてくれるから

幸せだなぁと思い出すと同時に、会いたいなぁ…ってまた寂しくなる

そんな風に願ってたら思いがけずの休みが出来て、速攻で先輩に連絡して約束を取り付けた


靖友先輩に貰った体操服が私のパジャマ

何となくこれを着てるだけで幸せな気持ちになる
何となく先輩にギュッてして貰った時を思い出すから

もうすぐ会える、会えると思うと何だか落ち着かなくて、いそいそと用意をしていたら部屋に友達のきーちゃんが遊びに来た

「アオちゃん、もしかして邪魔だった?」
「全然!邪魔じゃないよ、嬉しい」
「お泊まり?」
「うん、明後日からなんだけどね」
「実家…じゃなくて荒北先輩の所?」

ズバリ聞かれて心臓が高鳴る
荒北先輩って名前を聞くだけでこんな風になるなんて私は本当に重症だと思う


「うん、そう」
「そっか〜仲良いよね、荒北先輩の体操服着ちゃってさ」
「へへ、うん、仲は良いかも…楽しみで落ち着かなくて…」
「いいなぁー!ねぇ、荒北先輩って2人の時はどんな感じなの!?」

女の子同士の話となると、結局恋バナになっちゃう
恥ずかしいけれど、聞いて欲しい事もあるから私はポツポツと話す

「なんかさ、エッチの時とか激しそうだよね」
「えっ!激し…くない!凄く優しいよ、本当に」
「え、意外!?優しい荒北先輩想像つかない!怒ってるか睨んでるイメージだもん」
「確かにそうかもしれないね。別に2人の時もニコニコしてる訳じゃないし」
「やっぱりそうなんだー!でも優しいのか…」

きーちゃんはなんだか納得しているようないないような態度で

でも靖友先輩本当に優しいんだよ

「そういや、どんな感じのエッチするの?」
「はぁ!?どんなって何!」
「だってさ、興味あるじゃん…ね、教えて」
「やだよ…そんなの」
「私はね〜彼と」

何故友達のエッチ事情聞かなきゃいけないの…
なんて思いつつも、ちょっとやっぱり気になるから思わず真剣に聞いてしまった

そしたら意外にもあんな事こんな事してて、私達とは違った…

「ていうか、私、何もしてない…」
「え?何も?」
「うん。靖友先輩何もしなくていいっていうの」
「ただの受け身ってことー?」
「うん…」
「へぇ〜色々させたいタイプに見えたけど」
「そうでもないんだよ、本当に優しい」
「優しいけど…アオちゃんも何かしなきゃ飽きられるかもよ!?」

衝撃を受けた…飽きられる、飽きられる…

「だってさ、先輩大学生でしょ?遠距離でしょ?ねぇ…やっぱりただのマグロじゃね…」
「マグロって言ったー!だって何もさせてくれないんだもん」
「そこを何とかしなきゃ!凄いテクの女に押し倒されて横取りされたら嫌でしょ!?」
「嫌だ!!」
「じゃあ、今度は頑張ってみなよ?」
「うん…頑張る…」
「じゃあお勉強しよ!?」
「お勉強??」


きーちゃんはおもむろにスマホを取り出して…
見せられたのは、あんな事こんな事してる大人の動画でした…
最初はキャーキャー言ってたけれど、最後は2人でガン見してて心の中で苦笑い

だって、興味ある年頃だから仕方ない

ていうか、先輩にこんな事したら喜んでくれるのかな!?
気持ちよくなってくれるのかな!?

まだ全然触らせてすら貰えないしあんまりちゃんと見せてくれないけど…
今度こそは私も気持ちよくなって欲しいから

先輩は

「別に充分気持ちいからァ!アオは気にすんなバァカ」

っていつもいつもいつもいつも!言うけど…
でもそれだけじゃ嫌なんだもん…


「ねぇ、何かで練習した方がいいかな!?」
「練習…?バナナとか?チュッパチャプスとか?」
「きーちゃんは何かで練習した」
「バナナとか…」
「したんだ…」
「うん…」

その日のうちにバナナを買いに走ったのは内緒

あと2日程で何とかなるの…?なんて思いながら、色々検索して恥ずかしいながらも勉強した

本当に今死んでスマホの検索履歴見られたら死ねる
あれ?死んでるけど死ねる??まぁいいや…

先輩の気も良さそうな顔が見たいな

エッチしてる時もなんか本当にかっこいいんだけど…
本当に顔見てる余裕なんかないんだけど、時々見るともうそれだけで私は…

ああ言う時のちょっと耐えるような苦しそうな表情とか、汗とか体の熱とか…全部がかっこよくて大好きで愛おしくて

なんだろう、大好き以上の言葉は愛してるなんだろうけど、恥ずかしくてまだそんな事は言えないけど、そんな気持ちでいっぱいで

早く会ってギュッてして欲しい、キスして欲しい
先輩に抱かれてる時の幸福感を思い出す度に切なくなる

私の、私しか知らない先輩

早く会いたいなぁ…



当日になって部活を終えてダッシュで駅に向かって電車に飛び乗る

着く時間を連絡したら

「迎えに行く」

だって

その文字だけで幸せな気持ちな事、先輩は知らないだろうな

駅について、改札まで走って走って

先輩に抱きつけば「ったく、おめーは…」とため息をつかれた
ごめんなさいとすぐに離れたら頭をグシャっと撫でられて、泣きそうになった

私から手を繋げば横目でちらりとコッチを見つつも先輩は何も言わない
手を繋ぐのも恥ずかしい人なのに、何も言わないでいてくれるのは先輩の優しさ

少しでも触れていたい甘えたい私の気持ちを知ってて黙ってくれてる優しい人

だから本当に大好きで、早く2人になりたくて仕方ない



先輩のアパートに着いて、そのまま飛びつきたいのを我慢して落ち着くためにとりあえず御手洗に行く

…あ、来ちゃってる、生理

危ないとは思ってたけど持ちこたえてくれるかなと思ってたけどダメだったか
せめて明日の朝まで来なかったら良かったのに…

ガッカリしつつも、今回は私が先輩を気持ちよく出来るのでは…?と思ったらちょっとドキドキしてきた


そのままなに食わぬ顔をして先輩の隣に座って
先輩の肩に頭を置けばそのまま先輩は腕を回して私の頭を撫でた

「先輩、好き…」
「ハイハイあんがとねェ」
「先輩会いたかったよ」
「ソウデスカ」

そのまま抱きついてキスをして先輩の目を見れば先輩は小さく笑ってて
先輩は私のほっぺた包むと「バァカ」って言いながらも優しくキスしてくれた

幸せだなぁと思うと同時にもっともっとキスしたい
触れたい、そんな欲求が渦巻いて

靖友先輩を見つめながら「先輩…」と呟けば、先輩は私の考えてる事なんてお見通しでそのまま何度も何度もキスの雨を落としてくれたんだ



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