学校生活は充実しすぎているくらい充実してる

2年生になってクラス自体がとても和気あいあいの仲良しクラスで友達に囲まれて楽しいし、部活は本当に毎日目まぐるしいけれど活気溢れていつも身が引き締まる思いで

マネージャ業も1年も経てばだいぶ慣れたと思う
色々やり方も掴んで要領も良くなった

寮生活も楽しいし、年上の彼氏もいる

こんなにも充実している私は本当に幸せなんだろうな

だけど…

ドリンクを作る時は少し気が抜けているのか、余計なことを考える事が多くて

『山田チャン、ドリンクの予備あるー?』

『おいコラアオ、おめェ!ドリンクわざと薄くしたダロ!?本当にやりやがったなこんっのバァカ!』

『アァ?ついでだついで!オレだってボトル位運ぶっつーの!さっさと洗濯してこい洗濯!ハ?重いからいい?バカにしてんのかおめーはよォ!』

怒られる事もあったけど、わざと怒らせてた気もするけれど、結局優しい先輩

靖友先輩と話した事をいつも思い出す

先輩今、なんか山奥に合宿らしくて、電波が悪すぎらしくてLINEも電話も出来てなくて
私的に暫く会えてないし、声も聞けてないしいつも以上に寂しい病に陥ってるかもしれない

忙しく動いてる時は何にも思わないのに、少しでも隙があると考えてしまうのはどうしたものか

休憩中、ちょっと靖友先輩と髪型が似てる黒田先輩を見たら「山田、おまえ失礼な事考えてないだろうな?」って言われてしまった
そして素直に思ってることを言えば「髪型ぁ!?全然違うだろ!似てねーし!」って怒られた
怒られた時も靖友先輩を思い出してそれも黒田先輩はお見通しで、ため息をつかれてしまったのは言うまでもない

そして休憩も終わり、やる事だらけの私は寂しいのも頭から抜けていた

記録付けに洗濯掃除、怪我の手あてにドリンクの補充

泉田先輩の指示の声をBGMに仕事をこなす
直接見えてなくても伝わる熱気は何だろう
外周から帰ってきたら皆クタクタになって帰ってくるんだろうな
もう少しドリンクの予備を作ろう

みんなが外周から帰ってきたら案の定クタクタで
多めに作ったドリンクも全部なくなった
山ほど出来たタオルの洗濯物を洗濯機にかけて、ボトルの洗い物の第一弾を洗いにかかる

洗い物をしながら、その後片付けをして洗濯物を干して部誌を書いて…と頭の中で段取りを整えて
それが終われば最後のボトル洗いで今日は終わり

もう部活自体は終了していて後は自主練組の人だけ
だからもう少し気が抜けてると思う
ボトルを洗っていたらまた靖友先輩を思い出したから

明日は日曜日だけど部活はオフだし夜更かしが出来るけど、先輩と電話したいなぁ
でもいつまで合宿か聞いてないし、電話して出たらラッキーだよね

声聞きたいな…

「この時間はやっぱここにいんのな。お疲れ様ァ」

不意に声をかけられて思考が停止する
靖友先輩に会いたすぎて幻聴が聞こえた?

「おい、無視カヨ」

おそるおそる振り向けば、靖友先輩が立っていて

「幻覚!?」なんて言葉を発せば先輩は呆れたような顔をした

洋南大のジャージを着てる先輩の腕に触れたらあたたかくて

幻聴でも幻覚でもない、ホンモノだ

ってわかった瞬間、私は泣いてしまったんだ

どこからともなく「アブ!?」って泉田先輩の声が聞こえたけど「行くぞ塔一郎」って言う黒田先輩の声が聞こえたから後でお詫びしなきゃと頭では思ってても止まらない涙

「泣くなバァカ。明日オフなんだってな。一緒に行くか、静岡」

そう言われたら涙は止まるどころか、余計に溢れて止まらなくなった私に先輩はため息を吐きながらも宥めているつもりなのか頭をクシャッと撫でたんだ



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合宿が終わり帰路につく
ったく、今回はやたら遠かったな…と思いつつ各自現地集合だと言われたから車で行った

途中、箱学の近くを通るから帰りは寄っていくか…と考えてた
電波が入る場所に来た時、一気に届く連絡の数々

アオのLINEの内容で今日も普通に部活がある事は知ったし明日はオフだと言うから飯でも誘うか

そんな事を思いながら箱学へ向かえば見なれた顔のヤツらがいて、卒業してからそんなにたった訳でもないのに少し懐かしい気持ちになった

「荒北さん!」駆け寄ってくる黒田や泉田
喝を入れてくれだなんだ泉田は言うが他の奴らはオレの顔を見たら大人しくなっちまった
喝を入れるとか柄じゃねーし、とりあえず練習を見る

黒田に少し走りませんか?と言われ軽く走った

その後に黒田からアオの事を聞いた
ったく…あのバカ…と呆れつつも「まぁ怒らないでやって下さいよ。部活中は至って真面目なんすから。てかあんたも山田に何日間の合宿かちゃんと言っといて下さいよ」とか何とかボヤいてたから「悪かったな 」と言えば驚くような顔をする黒田、失礼じゃナァイ!?


「とりあえずさっさと会いに行ってやって下さいよ」って言われたから「わかってる」とだけ言ってある場所に向かう

この時間ならきっとボトル洗ってんダロ

アオの後ろ姿が見えた
懐かしく感じるのな、この光景

そして声をかけたらアオは間抜けな顔をして、幻聴だの幻覚だの訳のわからないことをぬかしやがる

そして幻覚でも幻聴でもない事に気づいたらしいアオはそのまま泣き出しちまった

本当にアオはすぐ泣く
少し連絡取れなかっただけだろーが

けどまァ…変な話、正直悪い気はしねぇっつーか…

飯誘って、食ったらそのまま寮まで送って…と考えてたのに
そうするつもりだったのに、オレの口から出た言葉は

「一緒に行くか、静岡」ってホントどうかしてる

ったく…


部活の仕事全部終わらせたアオは寮に荷物を取りに行った
オレは車で待つって言ったけど一緒に来てと言うアオに根負けして仕方なくついて行く

寮に向かう途中、アオはトレ室にいる泉田と黒田に詫びを入れに行った
そこんとこホント真面目っつーか

「良かったね、山田さん」「ホントにな。まぁ楽しんでこいよ」と言って貰えて嬉しかったと言っていた
それを聞いてって訳じゃねーケド、泉田と黒田にはジュース奢っといた


「靖友先輩の車初めてだぁ」
「あーそうかもな」
「助手席乗ってもいいんですか!?」
「ハァ?後ろに乗れとでも言うと思ってたのかよオメーは 。さっさと乗れ」
「はぁい!」

助手席に座りキョロキョロ物珍しそうに車内を見渡すアオ
別にナンもねーのに


信号待ちの時、横目でアオを見れば

「なんか、先輩、ちょっと大人みたい 」

なんてぬかしやがる
久々に見たなキラキラしたあの表情

「ハッ!アオはホントガキだな」

運転もいつもより気持ちゆっくり目に走る
そしたら「意外に安全運転なんですね!」なんて言う
ホント人の気も知らねーで呑気なヤツだ

そして痛いほど感じる視線

「アオ、見すぎィ」
「だって運転してる先輩、かっこいいんだもん」
「ハッ!意味わかんね」
「明るかったら写メ撮ってたのに、残念」
「バッカじゃねーの」
「明日も乗せてくれますか?」
「さぁね」

昼間に乗せたらゼッテー撮るだろコイツ
そんな事を思いため息をつく

「でも先輩、明日はアウトレット連れてってくれるって言ったよ!」
「そーだっけ?」
「先輩とぼけた!え、明日は電車で行くんですか?」

電車でも先輩とのデートなら嬉しいけどって言うアオ

「荷物持つのダルいだろ。フツーに車」
「やった!」
「ンでそのまま送ってやんよ。どうせ明日はオレん家寄る暇ねーし」
「そうだね、先輩の家寄ってから箱根行くと遅くなりますしね。じゃあ今晩は先輩のおうち満喫しなきゃ」
「何言ってんだよバァカ」

その後、適当な所で飯食ってアパートに行けばアオは風呂沸かしてる間、洗い物から何からしようとする

洗い物してるアオに後ろから抱きしめればアオは驚いてたケド、お構い無しにこっち向かせてキスしたらアオは嬉しそうな顔するから

あ、久々だから色々ヤバいカモ

そう思いつつ、小っ恥ずかしいからそんな風に見せずにいようと思ったのに「先輩、会うの久々だからその…あの、あのね先輩、今日新しい下着持ってきたの」なんて先手を打たれてしまい頭を抱えたくなった

その後風呂行ってそのまま寝ようと思ったケド、アオに「先輩、新しいの見て見て!凄く可愛いの!」なんて顔真っ赤にしながらTシャツを捲るアオ

それはオレを煽るのは充分で結局そのまま…


まァ朝起きた時の気怠いこの感じはコイツと居る時にしかねェ事だから悪くはないな…と思う自分にため息をついた


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