お誕生日会のお知らせ☆
(篤士視点)
「親衛隊長さんのお誕生日会やるらしいよー」
「…あ?」
生徒会室。
最近では副会長がよくケーキを買ってきては皆で食べてるんだけど、あんまり会長がみかんちゃんのケーキを気にいってるもんだから、俺は少しだけいいことを教えてあげることにした。俺優しすぎ〜。
と、いうのも。みかんちゃんに頼まれたからなんだけど。
「親衛隊長ってうちのかよ、だからどうした。行かねえぞ」
「ふーん」
「…何をニヤニヤしてやがる」
「うふふーん、副会長は行く?」
「お世話になってるし、今年は行こうかな」
「は?何、お前行くの?」
「「僕らも行くよ〜」」
「は!?」
副会長と双子のまさかの「お誕生日会出席するお!当然だお!」発言に会長たじたじである。ま、三人はあらかじめ聞いてるみたいだから当然かな〜。
「会長知らないだろうけど、今回親衛隊長さんの誕生日会、みかんちゃんのつくったケーキだらけのサプライズケーキパーティーなんだよ!」
「行く」
「ひゃー、即答」
そう。
生徒会親衛隊隊長、山路澄君のお誕生日会にはみかんちゃんと調理部のドキッ☆はじめての共同作業により作られるとんでもない量のケーキが並ぶことになっている。
勿論これはトップシークレットだよ!秘密だよ!ゆびきりげんまんだよ!
「うるせえ、つーか、その”みかん”っつーやつも、よく親衛隊の面倒な依頼受けたな」
「まあ、常連さんだしね。みかんちゃん、人見知りだけど優しいし、ケーキ作るの好きだし」
「…お前よく知ってるんだな」
そりゃあ親戚だもの。
とは言わない。女郎花であるとバレると、みかんちゃんいろいろ大変そうだし。
とりあえず笑みを深めて、「会長よりはコミュニケーション能力高いからねぇ」と皮肉っておいた。我らが会長様はコミュ障な俺様だからね☆
うるせえ!って真っ赤な顔しながら怒鳴る会長は、若干悩んでから、ケーキに再び手をつける。
「とりあえず山路のパーティーには行く」
「はいはい、何かプレゼントとか」
「俺がんなもん用意すんのかよ!?」
「…山路君喜んで倒れちゃいそうだよ…やめておいたほうがいいんじゃないかい?」
副会長の言うとおりかも。
山路君あれで純情だから…。制裁とかなんですかそりゃー、なピュア〜なケーキ大好きッ子だから…。
「じゃあキッスとか?」
「ふざけんな、俺が愛情を捧げるのは甘いもんと家族にだけだこんにゃろう」
あ、家族にはちゃんとささげてんだね。
「んふ、会長かわいー」
「死ね女郎花この野郎」
「ふふふ〜」
「ニヤニヤしてんじゃねえよ!!」
「ごめんって〜」
「ふふ」
「お前も笑うな!」
くすくす笑う副会長にまっかっかな顔で怒る会長。あーこいつ本当いじると楽しいわ。九条とはまた違うね。九条は無意識俺様だから。自分はそういう行動とってないのに周りに誤解されちゃうタイプ。結構堅物。
ちなみに会長は意識的に俺様しても周りから「やーん会長きゃーわーいーいー全く背伸びしちゃって食べちゃおうかしらん(ギラギラ)」ってされるタイプだよ。
かくいう俺も狙ってるわけですが。
(9/21)
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