→俺だけ君だけの二人



ずっと気になっていた事がある。


「…………なんで、俺なんだろう」


鏡の中に映る自分。
目は一重で全然パッチリ何かしてなくて、鼻は丸いし唇は薄くて全体的に貧相。身長は低めで性格はネクラ。


それと違って下田……じゃなくて、修平は二重で切れ目で鼻はシュッと通ってて高身長だし、普段皆には気さくでいい奴で人気者。


どう見たって釣り合ってないのに。




「…………ぶっさいくだな………」


今更変わる訳じゃないけども。それにしてももうちょっとかっこいい感じになりたかったなぁ…。
修平と付き合うようになって一緒に横で歩いていると周りの目がキツくて心が挫けそうになる。

『なんであの下田くんがあんなのと………』


最近よくそう呟かれるようになった。
俺だけ言われるならまだしも…


「修平まで色々言われるとな………」


「俺がなんだって?」



気付いたら後ろから抱き締められていた。声とちょっと香る香水から修平だとわかる。………まぁ、この部屋には修平しか来ないんだけど。


「しゅ…、へい」


「…なんでそんな顔してんの。何かあった?誰かに何かされた?」


「…そんな顔ってどんな顔だよ」


「思い詰めてる顔」


「…………………」


ぎゅって修平が抱き締める力を強くしてきた。
なんでか知らんが付き合うようになってから凄い修平は俺に対して過保護になってきた。
顔色一つで俺の全部が見透かされる。


「…なんでもない。ただほんとに自分って不細工だなって思っただけ…」


「まぁ、確かにな」



ちょっ…ひど…
今のは傷つくぞ。






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