01
あー暇。
なにか面白いことでもないかしら。
…そうね。
朝日奈家に行きましょ。
『To要
今から行くわ。
From燈』
朝日奈家のマンションへ行くには、一分もかからない。
「ねぇ、暇なんだけど。」
「いつも突然くるねぇ。誰もいなかったらどうするの。」
ちっとも困った顔を見せない要とご対面。
「今日もりーちゃんは仕事?」
「そうよ。」
りーちゃんってのは、私の妹の凛。
「こっちは誰かいないの?」
「あぁ…、雅兄なら部屋にいるかも。つばちゃんとあーちゃんはもうすぐ帰ってくるよ。学生組は全員まだ学校。」
「一番上だけか…。あと暇の要。」
「俺いつでも暇なわけじゃないんだけど?」
「いつでもいるくせに、よく言うわね。」
「たまたまだって。仕事もあるんだから。」
「ホストだっけ?」
「いや違うから。燈こそキャバ嬢でもやれば?」
「いい店知らない?この前の店はイマイチだったの。」
「もう働いてたの…。」
私接待は得意なの。
やらない訳がないでしょう?
「たっだいまー!」
「ただいま。」
ドアが開いたかと思うと2人が入ってくる。
「つばちゃんもあーちゃんも、おかえり。」
「あらツインズじゃない。」
この家の、全く似てない双子。
五番目が髪染めるまではかなり似てたのに。
「あ!燈姉、来てたんだ!」
「えぇ。何か面白いことない?」
「面白いことかー、んー、」
まぁそんな急に出ないわよね。
こうやって話してるだけでもいいかなって思ったんだけど。
「燈、面白いこと教えてあげようか?」
ドアの方を見ると、光が立っていた。
もちろん、女装のまま。
「ひーちゃん、おかえり。」
「どこで道を間違えたのかしら…。」
「仕事上、だからな?好きでやってるわけじゃねぇよ。」
「その格好でその言葉遣いはやめてほしいわ。」
「はいはい。ついでにアンタたちにも教えてあげるわ。」
「僕達にも、関係あるの?」
「大アリよ。今晩あたり、雅兄か京兄がみんなに言うと思うわ。」
「で、なんなのよ?」
「母さんが、再婚しまーす!」
「「「「は/え?」」」」
「…どういう事?」
「そのまんまよ。母さんが再婚するの。」
「それマジ?」
「ええ。あと、向こうの連れ子さんで、妹さんが来るらしいよ。」
「妹?!」
一気にテンション上がったわね、五番目。
凛にもちょっかい出しときながら…!
言っとくけどアタシ、シスコンじゃないわよ。
「高校生って聞いたから、祈織とか侑介あたりかな。」
「あら、アンタ達より一回り位下じゃない。」
「燈もね。」
「私には関係ないわ。兄弟じゃないもの。」
「ここまで来といてよく言えるね。」
「でも興味はあるわ。」
「はい、報告終わり!俺着替えて来るな。」
情報だけを置いて去る光。
「光兄ってホントどこで情報手に入れてんのかなー?」
「確かに凄い事知ってるよね。」
「光兄なら情報屋とかやっててもおかしくないよね。」
アタシもそう思うわ。
▼