09



「入って。紅茶でも入れてくるから。」
「うん。」


久しぶりに来た光兄の家は、相変わらずキレイだった。
海外で買ってきたらしい小物達が、独特な雰囲気を出している。
なんというか…うん、オシャレだ。


「さ、飲みながらでいいから、話してくれる?まず、帰りたくないって、誰と、何があったの?」
「えっと、新しい妹が出来たのは、光兄も知ってるでしょ?」
「ええ。」



ここに来ることとなった経緯を全て光兄に話した。


「…それで、俺以外の11人すべて敵な訳?」
「お姉ちゃん格好と口調。」
「アンタもさっきまで光兄だったのにまた変わってるよ。まぁそれはどうでもいいの。答えて。」
「…わーくんは違うよ。でもそう言って、雅兄に怒鳴られたって。」
「雅兄が!?それはなんとかしとかないと…。」
「大丈夫。そこだけなんとかしてきた。」
「…フフッ、さすがアタシの妹ね。」
「あとお兄ちゃんでしょ、それから棗兄はいなかったけど、つーちゃんとかから聞いてるんじゃないかなぁ…。」
「まぁそう考えた方がいいと思うわ。」
「あとは…いない。みんなあの場にいた。」

「要は?」
「あ、いなかったけど…、あのホスト嫌い。」
「あーぁ、要も可哀想に。大好きな妹がこんなに冷たいなんて。」
「私悪くないもん。」
「でも要は騙されないと思うよ。腐っても僧侶だからね。」
「要兄さん…いい人だよ、燈ちゃん。」
「…そうだね。もし隣町の僧侶くらい離れてれば嫌いと言い切りはしない。」
「…遠いね。」

「アンタ達、よくそれで会話になってるね。取り敢えず、要にはアタシが確認しておくから、何もしなくていいよ。」
「あ、」
「大丈夫。ここに来たことは内緒にするから。」
「ありがとう。」

「燈、そこのベッド使っていいよ。琉生はソファーでいい?」
「うん、いい…。」
「ありがと、お姉ちゃん。」


もうとっくに時計の針が真上を過ぎていた。


「おやすみ、お兄ちゃん。」
「おやすみ…。」


目を瞑ると、他の兄弟のことを思い出してしまう。
もし、三人兄弟くらいだったら、こんな感じだったのかな。
もっと、私の事をわかってくれたかな。
それとも、本当に血の繋がった兄弟だったら…?
考えると、中々寝付けなかった。

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