04



信号が青になり、周りの人が一斉に動き出す。


「あたしこっちだから。」


俺と逆方向に向かおうとする燈。
思わず腕をつかんだ。


「また、遊びにきなよ。みんな歓迎するから。」


違う、言いたいのはこんなことじゃない。


「そうだね。機会があれば。」


違うんだよ。


「じゃ、またな。」
「うん、バイバイ。」


俺たちは、真逆の道を歩き始めた。
きっと、もう会わないと思う。
この思いも、ずっと俺一人で抱えていくんだ。
燈を困らせなくて良かった。
なんて、ポジティブ変換してみる。

燈、愛してる。


言葉にできず、都会の空気に飲み込まれた。


【信号待ちで】
(それぞれの道へ、進んでいく)


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