信号が青になり、周りの人が一斉に動き出す。
「あたしこっちだから。」
俺と逆方向に向かおうとする燈。
思わず腕をつかんだ。
「また、遊びにきなよ。みんな歓迎するから。」
違う、言いたいのはこんなことじゃない。
「そうだね。機会があれば。」
違うんだよ。
「じゃ、またな。」
「うん、バイバイ。」
俺たちは、真逆の道を歩き始めた。
きっと、もう会わないと思う。
この思いも、ずっと俺一人で抱えていくんだ。
燈を困らせなくて良かった。
なんて、ポジティブ変換してみる。
燈、愛してる。
言葉にできず、都会の空気に飲み込まれた。
【信号待ちで】
(それぞれの道へ、進んでいく)
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