ド
「どうも、こんばんは」
「……ドーモ」
パチ、と軽快な音でスイッチを切り替えて自室の蛍光灯を
点ける。
南側の壁一面が巨大な窓となったこの部屋も、そこにしっかりとシャッターが下りていては真夜中のように闇が深い。しかし
一度電気を
点けてしまえば部屋は人工光に照らされて、普段ならば黒い家具が無いこの部屋はそこですっかりと黒色が消えてしまうのに、今日ばかりは違った。比較的大きな黒が、闇からもぎ取られてしまったように部屋に立ちすくんでいる。
「せっかくお客様がいらしていたのに、おれってば不在にしているなんて! 申し訳ありません」
しかし許していただきたい、不在は不可抗力だったのです。
いつか
何かあるとは思っていたけれど、おれを直接襲ってくるのではなくまさか#コンパスから一時退場させてくるだなんて!
冷蔵庫を開け、「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」で数あるペットボトルの中から選ばれしミネラルウォーターを取り出し、直接口を付けてゆっくりと水分を体に流し込む。
ふう、泣いたせいで疲れてしまいました。
「お茶でもお出しできたらよかったんですが……すみません、つまらない冷蔵庫だったでしょう、水以外何一つ無くって」
きっとあなたはおれがいない間に冷蔵庫の中はチェックしているでしょう?
彼は口を開くことなく、おれの行動を見守っている。「あっ! お菓子ならあるやも」壁一面にびっちりと埋め込まれた戸棚を端から順に開けていく。
「ええっと……」
「……そこにビスケットの缶」
「ああ、本当だ。ありがとうございます」
指された所を開けたら、たしかにビスケットの缶が入っていた。期限を見て、大丈夫であることを確認する。「出さなくていい」残念、断られてしまった。場所を教えてくれただけらしい。
「……この何も無ぇ部屋でわかんなくなんのかよ」
彼は呆れように溜め息をついた。太かったり細かったり、長かったり短かったり、ブロックパズルのように金庫含むさまざまな形の戸棚が壁に埋め込まれている以外は壁掛け時計と長ソファーと冷蔵庫があるだけの部屋は、なるほどたしかに何も無いと言われても仕方がないかもしれませんね。時計を置いているだけで満点のつもりでしたが。
以前招かれたほかのヒーローたちの部屋は、マルコスさんを筆頭に好きなもので
溢れている所が多かったように思う。
ルチアーノさんはベッドと机、それと二、三の棚と写真立て、というおれに負けず劣らずの殺風景な部屋でしたけど。
そういえばおれの部屋に入ったのは今までVoidollしかいませんでしたね。
「自分で食べるつもりはなかったので。コクリコさんとテスラさんにあげようと思ったんです。勉強のお供に、と。そうだ、最近コクリコさんは引き算ができるようになったんですよ」
みんなでコクリコさんに代わる代わる教えている光景はとても微笑ましかったですねえ。「霊々先生は何を教えるんだい?」なんてまといさんに訊かれたけれど、何も教えられることを持っていないおれは丁重に辞退させていただいた。
「本当に召し上がりませんか? これ以外のオモテナシはできませんよ」
「この状況で、か?」
「お客様がいらしている、それ以外に何があります?」
「施錠していた留守の部屋に入り込んだ奴が、電気も
点けねぇまま漁ってたんだぜ?」
彼の赤い目が細まる。銃を出したけれど、彼の甘さからかその銃口はおれへと向かない。
「暗くても支障は無かったようで何よりです。夜目が利くんですねえ、羨ましいです。でも明るいほうが見やすいでしょう? 続けて構いませんよ」
「おいおい、テメーが察してないワケがねぇよなぁ。何だ? 慈悲でもくれてやろうってか?」
「テメーが、なんておれを買い被りすぎではありせんか」
上下の歯を擦り合わせてキヒヒと笑う。ジェンガを初手で崩してしまうような不器用に、慈悲だなんて器用なことは行えないですって。
「泥棒だっつって慌てないあたりが俺に何も盗む気がねぇ、ほかに目的があるのを知ってるってことだ。フツーは盗みを疑うだろーが」
「すっごーい! きみは頭の切れるフレンズなんだね!」
「撃たれたいか?」
「ヒッ! も、申し訳ありませんでした」
けれど、ほけほけと笑ったり、びくびくと体を縮こまらせていることしかできない者に彼は一体何を見ているのでしょうね。
彼の目に、おれが
浄玻璃鏡*1を持つ
閻魔*2様にでも見えているのだとしたら、それは大変な誤解です。
先日なんてメグメグさんが床に溢したままにしていた水で滑って後頭部を打ったような間抜けだというのに! 「ハビーはお面で顔が見えないから怒ってるのかわかんなーい。メグメグのことキライ〜?」「になりませんよ〜。ワイフィってば、大胆に溢しておいて放置だなんてかぁーっくいー! ワイルドだぜぇ」「えへへ、さっすがハビー! メグメグをわかってるーう!」なんてやりとりをした覚えがあります。
「あなたが必死に考えて考えて考え抜いて、決心の末に行ったことをおれが勝手に察してしまっていいんですか? ねえ――サーティーンさん?」
そんな傲慢、おれはあまり気乗りしませんよ。
彼に背を向け、結局ビスケットをしまう。ニンゲンの手では届かない高さまである戸棚のどれにも鍵は掛かっていない。どうせほとんどすべてが空だ。
しばらく待てど彼からの返答はない。仕方なしにもう一度おれが口を開いた。
「そんなふうだから出来損ないだと言われるのでしょう。……ああ、現在は言われていませんかね?」
それとも彼が出来損ないと言われていたのはおれの勘違いでしょうか。「クソみてーな性格してっな」しかし銃口がおれへ向いたところを見るに、間違ってはいないのでしょうねえ。図星ですか。
んま、話を進めるためとはいえ残酷なところを突いたおれが悪いですね。実際のところ、意味もなく人を出来損ないなんて言うはずがありません。おれが誰かを故意に不幸にするだなんて、ええ? 何かの冗談でしょう?
「なら、お前曰く、俺が考え抜いてきたことを訊くぜ?」
「改まって言われると緊張しますねえ」
大袈裟にぶるぶると震える仕草をしながら彼のすぐ横を通り抜けて長ソファーに座り、出方を待つ。
テーブルは無いというのに、彼は大きなテーブルがあるような距離でおれと距離を保ちつつ、正面に立った。戦闘になった場合を考慮しているのかもしれない。もしもの場合を考えるのは
おれも同じですけれど。
スプリンターがキル勝負をする上で一番苦手なのはガンナーだ。近寄る前に死んでしまうケースは非常に多い。とはいえ近接戦が苦手なガンナーに一番接近しやすいのがスプリンターであるからして、ガンナーを相手にするのはスプリンターと決まっている。
観客にゴリカとまことしやかに囁かれているリリカさんなど、おれにとっては悪夢と書いてナイトメアと読むような存在でしかありません。
グレートウォールで高台にリリカさんが立ってみなさい、階段に辿り着くことすら命懸け。こら、一撃で死ぬおれのことをワンパンマンとか言うのはやめなさい。
『ゴリカ☆インストール 〜悪いが終いだ〜』ともなれば耐久倍率ダブル0.40の奴が二撃も
保つ可能性はゼロに等しく、一瞬で『霊々☆アンインストール 〜出直してきます〜』となる。
苦い思い出ばかりを掘り返してしまったけれど、死んだニンゲンたちの間でよく話題になっている走馬灯というものがおれにも体験ができるならこんな感じなのでしょうか。
しみじみしているおれをよそにサーティーンさんは銃を構え直し、普段の彼からは聞くことのできない真剣な声色をその屈強な喉から出した。
「――どうしてアイツらは死なない?」
いきなり核心を突いてきましたねえ。
ぼんやりと銃口を眺める。この問いの答えにくさはグスタフさんのステータス並み! ウーーン、困りましたねえ。
「いや、言い方が悪いかァ? どうしてここでは何度も生き返る?」
「…………」
「おーいおいおい、今度はお前がだんまりか? そもそもの話、著名なところで言うとジャンヌ・ダルクにニコラ・テスラだ。誰もが、アイツらがとっくに死んでいる人間だと知っている。それなのにどうしてここで生きている? そして、どうして何度も死んでは生き返る?」
答えにくい。非常に答えにくい。一体どうしたものでしょうか。
死神さんも大変だなあ、とか余計なことも考えつつ悩んだ末に出てきたのは「なぜそれをおれに訊くんです? おれは皆さんと同じ、ただのヒーローですよ」という質問返しだった。
「とぼける気か? 一般的な“死”というものが無いのは俺とお前、そしてあの高慢ちきなカタコトマシーンだけだ。目的が
人間を観察だぁ? なら幽霊々は一体何だ? Voidollが管理人なのはわかるぜ。そうなるべくして作られたんだろ。だが明らかに人間じゃねえ奴は、人間の戦闘摂理を解析するっつーここの目的から外れるだろーが。ここにいる意味がねーんだ」
「解析対象のニンゲンというのは、この世界をゲーム化したアプリケーションをインストールなさった方ことらしいですよ。ですから、おれたちはオリジナルとして観客を湧かせれば良いのです。……んま一応はおれたちも解析対象ではあるみたいですが。そうだとしても、サーティーンさんも人間ではないじゃないですか。けれどヒーローとして存在していますよ」
「俺は
入ってきた側だ」
「アッハハハハハハ! …………マア、そう、です、ねえぇ?」
自分から言うとは傑作です!
とぼけてさえいれば、どんなに黒に近くともおれは知らぬふりをするというのに。んま、黒が確定したとしても罰しはしないのでしょうけどね。どうしようもなく必要に迫られれば別として。
他人の幸福を侵すなど、憂鬱です。立場によって幸福が変わるのが一番難しいところではありますが……。
「ええ、あなたがやってきたのは随分と突然でした。実のところVoidollは
侵入者をどのように処理すべきか悩んでいたのですが……アプリのほうであなたが実装されているということは
游がせることにしたみたいですね。今この状況を伝えれば『ツレマシタネ』と喜ぶことでしょう」
「霊々クン、俺の質問に答えてくれるよな?」
「年上をクン付けとは、某男性アイドル事務所のようでとても良いですねえ。キヒ、気持ちがアガります」
「へェ? 年上なのか」
「推測ですけど。というか知っていたでしょう? なんだか最近カードの発動がわずかに遅い気がしていたのですが、盗聴システムを組み込まれているとは思いませんでした。おれがジャンヌさんとした年齢の会話も聞こえていたのではありませんか?」
いつだったかVoidollに調べてもらって気づいたそれは、隠したいことなど無いのだから取らなくてもよいと判断していた。「ならあのサンシャイン霊々とやらは、部屋を漁っている俺へ聞かせるためってことか。6825、金庫もちゃんと調べさせてもらったぜ?」薄く笑顔を浮かべるに留める。
「――さてと、質問の回答に移ります。まず初めに言っておきますが、キルされたらナタデココ状になる理由は知りませんよ。運営さんによる演出だとでも思っておいてください。この電脳空間において所詮おれたちの肉体はデータですし、何でもできてしまうのでしょう。おれはノータッチです」
両手を挙げて降参のポーズを取る。背もたれに寄り掛からずに、節足を体の後ろで折り畳んだ。続けてくれ、とでも言うように彼はおれを顎で促す。
「ですがいくら肉体がデータとはいえ、サーティーンさんの仰る通り、この世界でキルされると現実でも死んでしまいます。……非常に悲しいことです。皆さんにはこんなこと明かせませんけどね」
サーティーンさんが現実で死んでしまうことに気づいていたのは、やはり死神だからでしょうね。魂の帳簿でもあるのか、それとも感覚なのかは知りませんが、侵入者が死神という時点でそれらがバレているということは容易に推測できていました。
だから銃なり鎌なりで脅迫して聞き出そうとしてきたり、あるいはほかのヒーローの前で何か事を起こすかと思っていたのに、彼が結局起こしたのはおれをこの世界から一時排除して調査を進めるという堅実な方法だった。彼は思いの
外、慎重派らしい。
彼の立場からすればそれは限りなく正しい判断ではあるけれど、おれたちの立場からすれば行動に移すのが下手という捉え方になるんですよ。おれたちがやられて困るのは彼にとってのハイリスクな行動のほうでしたから。
もし成果が出なくとも、痕跡さえ残さなければ今回のことはバグだと処理されて、自分が調査していることも知られずに済む――そういう算段だったのでしょうね。彼も彼で#コンパスへの割り込みが調査目的だということをおれとVoidollにバレていることを知っていたはずだから、証拠さえ残らなければどれだけ黒寄りでも構わないはずですし。
「夢の中で殺されそうになると、ほとんどが殺される寸前で飛び起きるでしょう? なぜだか知っていますか。たかが夢とは言え、されど夢。脳の働きです。死んだと脳が本気で思ってしまえば動物って死んでしまうんですよ。そう、そうです、そうなんですよ、たかが夢で!」
「…………」
「催眠状態にした人物に『額にアイロンを当てる』と言って目隠しをして、実際にはただの鉛筆の先端を当てたという実験があるのですが、被験者の額には本当に火傷ができてしまったそうです。もっと有名な実験を挙げますと、健康な死刑囚に人間の全血液量が体重の十パーセントが定説となっていることを伝えて目隠しをし、血液が滴る音を聞かせ続けたそうです。もちろんそれは嘘で実際にはただの水なのですが、実験開始から五時間後、総出血量が体重の十パーセントを越えたと医師が嘘を伝えた時、死刑囚は死亡していたらしいです」
思い込みとは恐ろしいものですね。同時に、そんな実験を思いつく者も恐ろしい。
もしVoidollに「ステータスノ ジョウホウシュウセイヲ オコナイマシタ。アナタノ タイリョクハ 1.50デス」なんて言われたら、それが偽りでもゴリカ☆インストールに三撃くらい耐えられてしまうのかもしれない。いいですねえ、それ。
「そんなわけで、ヒーローが何度も死ぬ原因は“思い込み”ですよ。サーティーンさんやおれが死なないのは、ニンゲンとは死が異なるからですね。テーマソングを聞く限り、あなたは天使だった頃に自殺を試みているのでは、と勝手におれは思っていますが。純粋な疑問なのですが、天使って生を放棄すると堕天して死神になるんですか?」
「……今は俺のことはいいだろーが」
「素直に答えたくないと仰ってくださればいいのに。嫌だと言われたことを繰り返して不快にさせたくはありませんから」
「……ハイハイ、ボクちゃんの負けだ、負ァけ。その質問には答えたくねえ」
「おれくん承知しました」
ハンズアップしていた両手を下ろして、サムズアップに変える。正直言うと二の腕が疲れてしまいました。サーティーンさんのような腹筋バッキバキニキの前でそれを口に出すのは恥ずかしいから秘密です。
腕がピリピリとするのを感じながら「ねえ、サーティーンさん」と話し掛ければ、彼は一瞬だけ警戒するように眉を寄せた。
「おれを何度も摘んでいたのが決して戯れなどではないこと、理解しています。あなたの癖とも言うべきふざけた立ち居振るまいは、ご自分でもいい隠れ
簑になっていると思ったでしょう。実際おれも騙されていました。ねえ、おれを何度も摘むことで検証していたんでしょう? #コンパスにおける死を」
「……どーだかな?」
「味方には死ぬことで利益をもたらし、敵としては体力管理さえできれば誰よりも倒しやすいヒーローなんて、さぞ殺しやすかったでしょう。集中的に狙っても何も怪しまれないんですから」
彼にとって、おれとの関係は施験者と被験者だったのでしょう。もしこの推測が合っていたとしたら、否、合っていなかったとしても、疑わしき者の
掌の上で摘まれることを甘受するおれは、馬鹿と言われても言い返せませんね。
「どうでしたか。生き返ることについて、何かわかりました?」
「残念ながら、まァったく」
「でしょうねぇ。おれはキルされたとしても皆さんのように死にませんから。あなたはほかの人で検証すべきでした」
したところで答えがわかるとは思えませんが。しかし少なくともおれで検証するよりは少しでもマシな結果にはなったかもしれないですね。
「あなたはおれに質問を重ねましたが、結論からして、あなたはおれのことをどういう存在だと思っているんです?」
「おーおー、激しく突いてくるじゃねーかァ」
「いやですねえっ、サーティーンさんには劣りますよう」
ハハハと両者声を上げて笑う。しかしサーティーンさんの目は油断ならないとでも言うように、細まることなくしっかりとおれを捕らえていた。
「この狂った
世界の黒幕だ」
「なんと」
サーティーンさんの目にはおれはボスに映っているらしい。これは【悲報】とでも頭につけるべき事態。てぇへんだ!
「#コンパス運営のトップがおれですか?」
「黒幕は別にトップである必要はねーだろ。操っているのがお前だって言ってんだ」
「ひょわぁ……」
「んーで、どうなんだ?」
冷たい声とともに、引き金に指が掛かる。アッアッ怖い。あと一分もすれば冷や汗で溺れてしまいそう。
うーん……仕方ありませんね。
「あの、これ……おれにも使えると思いますか?」
「あ゛!? テメ、それ俺の銃……! 返せ霊々クソ!」
背中の後ろで大人しくしていた節足を広げる。四本の脚で慎重に持って彼へと向けて構えたのは、ソファーに座る直前、彼とすれ違った際に節足で抜いた銃だ。
「二丁拳銃を武器としているのなら、常に二丁ともに意識を配っておくべきだと思います。一丁しかおれの前に出さないなんて、もう一丁は盗ってくださいとでも言っているようなものじゃないですか?」
まさか成功するとは思っていなかったですが。何事も挑戦してみるものですねえ。霊々くんはまた一つ学びました、っと。
「キヒヒ、ガンナーって憧れていたんですよ。おれ自身がガンナーにやられることが多いからでしょうか。まず、言葉の響きから格好いいですよね?」
想像していたよりもずっしりとしたそれを、手に持ちかえる。
もし本当に撃つことになったら節足では
心許ない。反動でぶっちり千切れたとか絶対に遠慮したいです。
いや、システム上そんなことにはなりませんが。でも痛いアンド痛いのは確かですし。
「きちんと答えますから、お互い撃たないように努力しましょうね?」
相手には口もとしか見えていないとわかっていても顔全体で深く笑う。
空気は割れたばかりの
硝子のように鋭利だったものの、どうせ死なない二人なのだと考えるとウサギを追っているかのような愉快さが羽のようにおれの肌をくすぐった。
脚注
[*1] 浄玻璃鏡亡者の生前の行いがすべて記録されている鏡。
閻魔が亡者を裁く際に使用する。
↑[*2] 閻魔仏教等における冥界の王。最初に亡くなった人間であり、冥府にて亡者の罪を裁いている。
↑
(P.9)