PROLOGUE
おれ、口下手なんですよ。いえ、話す勇気が無いわけではないんです。お恥ずかしい話、単純に頭の出来が良くないんだと思います。物語のヒーローみたいに、痺れるほど恰好いい台詞をおれも言ってみたいんですけどね。少しだけ長く生きてきましたし、これからも永く生きていこうと思っていますがおれにはきっと無縁……あれ、話が逸れてしまいました?
すみません、けれど聞いてみてわかったでしょう? 論ぜよなんて言われても、キヒヒ、おれには到底無理ですよ。
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Malus.00
諍いを無くす第一歩は自分自身を知ること
Malus.01
01
論うカナリアの歌は美しいか
02 な
ぜという名の泥濘に
03 聖書
よりも重いのがニンゲンでしょう
04 どうか
、アンタレスの炎を消さないで
05 花乞うは
幸う世界につき
06 リトルノを
福音と呼べるか
07 プラトニック
に飾るには老いすぎて
Malus.03
08 アッチェレラン
ドに熟れたフル・ギル
09 ノリ・メ・タンゲ
レ
10 アポロ的アポトーシ
ス
11 スプリットエンドでア
コードを囁く
12 蝋繋ぎの翼で笑うレディ
ーバグ
13 エレウシスの密儀のアベン
ドコード
14 子守唄に黙示録の読み聞かせ
はいかが
15 哀した天災が飼い殺した幸福に
必定はなし
16 相した天才が解殺した降服と厳塞
要徼と
Malus.04
17 愛した天際が邂逅弄した洪福だろう
か
Malus.05
あとがき
EPILOGUE
おれたちの世界はすっかり滅んだはずですが、どうしてか星々だけがあの世界のままなのです。本当は小さな星座としてずうっと眠っていたかったのに、おれだけがこの新世界に落ちるだなんて。ああ嫌だ、剥製のように天に飾られているかつての親愛たちを見ることの心苦しさと云ったら!
けれどこんな地上を愛せる神々はいないでしょうから、今はおれだけでよかったのかもしれないとも思うのです。
星々が地に降るいつかのために、嘆く必要の無い世におれが変えていかなくては。