「ビショップ!!」

名前を呼ばれビショップが振り向けば、そこには恋人の名前がいた。
笑顔で手を振る名前に手を振り返せば、彼女は嬉しそうに走りよってきた。

「どうかしたんですか?」

「え?ううん、なんでもないんだけどね…」

もじもじと身体を揺らし、両手を後ろに回している名前に何をしているのか聞けば、名前は大きく深呼吸して彼の名前を叫んだ。

「な、なんですか?」

「こっこれ……プレゼント…」

バッと前に出された袋を受けとって名前を見ると名前の顔は真っ赤になっていた。

「私に?」

「うん…あの、そろそろ寒くなってくるから…」

「そういえば、もうそんな時季でしたか…開けてみても?」

「うん」

袋を開けてみると、そこにはマフラーが1本入っていた。

「あんまり上手く出来なかったんだけど…」

「まさか…名前が編んでくれたんですか?」

「うん」

「ありがとうございます。凄く嬉しいです」

抱き締めれば、名前は小さく悲鳴を上げもぞもぞと動き見上げてきた。
そんな名前も可愛いと感じる自分はなかなか重症なんだな、とビショップは改めて感じた。

「こんなのでごめんね?」

「いいえ。名前から貰った物ならなんでも嬉しいです。それが手作りなら尚更…」

そう言って名前に口づければ、名前は先程よりも真っ赤になって俯いてしまった。

「名前?」

「………」

「照れているんですか?」

「うぅ……あ、ビショップ!!」

「?」

「いつもありがとう!!」

「!!…こちらこそ、ありがとうございます」

そう言ってビショップがもう一度口づければ、今度は名前からも返ってきた。

少しずつ寒くなってきたある日の昼下がり。




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