「ネタバレすると、馨ちゃんの親衛隊の上はほとんど風紀だから、制裁とかそういうのやられることはたぶんないよ」


そして一通り自己紹介?が終わったところで阿久津先輩が再び口を開いた。


「風紀?」
「そー。まあ、最初はさ、僕が諏訪の同室の子かわいいなーって思ってて、諏訪に馨ちゃんのこととか聞いて親衛隊つくってあげよーかなーってなって。でも風紀委員長が個人の親衛隊の隊長って体裁悪いでしょ。だから、なら風紀全体巻き込んじゃえば文句出ないかなって」
「……」


チェシャ猫みたいな笑い方をした阿久津先輩は「実際面倒ないしねえ」とうんうん頷く沖先輩に肩をすくめた。……突っ込みどころがありすぎてどこから突っ込めばいいのかわからない。


「えーと」
「うん?」
「……その、風紀委員長が親衛隊つくるのって、」
「ああアリ」
「……でも、その阿久津先輩にも親衛隊?とかってあるんじゃないですか」
「え? 僕? ないよそんなもん」
「えっ」


この人そんなもん呼ばわりしてる。思わず絶句して阿久津先輩を見ていればまた笑われてしまった。

「ほんとにかわいいねぇ」
「ね?僕の言ったとおりでしょ?」
「ねー。あっちゃんが親衛隊つくるとか言うからどんな子かと思ったらねぇーこんなに可愛いなんて聞いてないよー!」

後ろで沖先輩がなにやら悶えているが無視。千鶴と洋介先輩は呆れたように二人を見ていた。




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