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マルクト帝国 帝都グランコクマ。
ルークたちは3日ほど前から滞在していた。

「すみませんねぇ。陛下が仕事やってくれないものですから」
「まぁ…ピオニー陛下なら納得するかも…」

苦笑いしながらルークは答えた。

「溜め込んだ仕事にカタがつくのは、おそらく2〜3日かかります。それまで自由行動で構いませんね?」
「わかった。皆に伝えておくよ。ジェイド、大変だと思うけど頑張って?」
「なるべく早く終わらせられるように努力しますよ。それでは、行ってきます」

そう言うと、ジェイドはピオニーの元へ向かった。

「さて、皆に伝えなきゃな……」

ルークも、しばらくグランコクマに滞在することになることを仲間に伝えるため、宿屋に向かった。






















「…というわけで、しばらくグランコクマに滞在することになるみたいなんだ」
「ピオニー陛下も、もっとしっかり仕事してくれればなぁ……」
「でもでも、久しぶりの休みなんでしょ?」
「まぁ、そうなるな…」
「それでは、皆さんでお祭りに行きませんか?」
「お祭り?」
「さっき、チラシを貰ったの」

ティアはルークとガイにチラシを見せた。

「へぇ…面白そうだな」
「いいと思うよ。どうせ、宿屋に居たって何も出来ないし」
「じゃあ、明日はお祭りだね!」
「今日は早めに寝るか」

明日のお祭りの為にルークたちは早めに就寝した。

翌日、グランコクマの中心地で始まったお祭りにルークたちはいた。

「凄い賑わいだな!」
「まぁ!本当に凄い人ですわ」
「なんか、この服じゃ浮いてるかも…」
「あたしも〜!これ、ローレライ教団の軍服だし〜!」

ティアとアニスの言うとおり、ふたりはローレライ教団の制服だった。

「あー…、それだとちょっと目立つかもな」
「どうしよっか?他の洗濯しちゃったし」
「……これ、やるよ」
「ルーク?」
「貯めてたガルド。特に欲しいものもないし、ふたりで好きな服買ってこいよ」
「でも…」
「いいから、行けって。アニスなんて、行く気満々だぜ」
「はぅあ!」
「……じゃあ、ルークも来て?一緒に見てくれない?」
「ば、ばっか!オレは男だぜ!?ナタリアを連れていけばいいじゃないか!」
「ルーク、ナタリアはもう屋台見に行ったぞ?」
「早っ!」

ガイが指を指した先には、ナタリアが目を輝かせて屋台を見ている姿があった。

「ナタリア、はや〜い!」
「オレは、ナタリアについていくから。ルークはティアとアニスについていってやれよ」
「でも……っ」
「ダメ、かしら…?」
「うっ…」

さすがにここまで頼まれると、断るに断れなくなってしまった。

「…しゃーねぇな。ほら行くぞ!」
「あ、待ってよ〜」
「ルーク、待って!」

ルークとティアたちは洋服を買う為にガイと別れた。

「いらっしゃいませー」
「このふたりに似合う服を探してるんだ。お祭りに行くから動きやすいものを、頼む」
「かしこまりました」

店員はルークの頼んだものに合う洋服を探しに行った。

「ルーク…」
「お金なら気にするな。自分が好きな物買えよ」
「アニスちゃん、どうしようかな……」
「お客様、こちらなど如何でしょうか?」
「試着させてもいいですか〜?」
「はい。こちらへどうぞ」
「ほら、ティアも行ってこい」
「え、えぇ……」

ティアとアニスは試着しに、店の奥へ行った。

「……」

ルークはそんなふたりを見送り、自分も店内を見て回ることにした。

「最近、洗濯する回数多いからなぁ……」
「何かお探しですか?」
「あ、あぁ…オレも服買わないとかなって思って」
「お客様なら、こちらは如何ですか?」
「んー、もう少し動きやすそうな物はありますか?」
「それでしたら、こちらは如何でしょうか?」
「…これの白ってありますか?」
「はい、ありますよ」
「じゃあ、それを」
「少々お待ちください」

ルーク自身も気に入った洋服があったので買うことにした。

「る、ルーク…」
「どうかな?」
「……あ、に、似合ってるぜ?」
「本当に?」
「じゃあ、あたしこれにする!」
「わ、私も……」


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