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「オレ、ライディングデュエルしたい!」

前触れもなく突然こんなことを言い出した。いわゆるスタンディングデュエルの頂点にたったのに、今度はライディングデュエルでも頂点狙うつもりですか?
見た目はなんとなく大人っぽいのに、中身はまだまだ子供。無視したらしたで報復がくる。

「……聞きますけど、アテムさんはバイクの運転出来るんですか??」
「できないけど、馬なら乗れるぜ!坂も滑り降りれるぜ☆」

……これは前途多難だ。どうするんだ、オレ……

































「…という訳なんだ。協力してくれ……」

とある喫茶店に牛尾を呼び出し、今回の事を相談した。コーヒーを啜りながら話を聞いていた牛尾はとりあえず、と話始めた。

「いきなりD・ホイールは無理だろうよ、バイク乗れないなら。あのがきんちょのどっちかとデュエルボードのライディングデュエルして、慣れてからだな」
「……やっぱりか」
「それに慣れてからD・ホイーラーのライセンス取得して、やっぱり慣れることしかないだろう」

はぁ、と重いため息をつくしかなかった。
アテムさんが素直に受け止めとくれるか心配なんだ…



「アテムさん、いきなりD・ホイールでのライディングデュエルは難しいです。だから最初はこれで慣れましょう?」

そう言って、オレはアテムさんの身体に合わせ造ったデュエルボードを見せた。それを見たアテムさんは少しムッとしてオレを見ていた。頼むからそんな顔して見ないでほしい。

「うー、なんでなんだ!?」
「ライディングデュエルはD・ホイールを操縦しながらデュエルしなきゃなんです。バランス間隔、走りながらのデュエルがある程度出来るようになるまではD・ホイールには乗せられません」

とりあえずきっぱりと今はD・ホイールでのライディングデュエルは無理と言ってはみた。正直これで諦めてほしかったんだが……

「……わかったぜ、なら3日で完璧にしてみせるぜ!!」

どうやら火を付けてしまったらしい。負けず嫌いというか、やりたいと思ったら貫き通すのがアテムさんなのだろう。
しかし、デュエルボードを使ってデュエルするのは龍可や龍亞。仕方ないと思いつつ、デュエルアカデミアに連絡をして3日間講師をすることにした。もちろんアテムさんを引き連れて。今のデュエルに若干ついて行けてないのでちょうどいいと思った自分がいたのは内緒にしておこう。



「あー!遊星!」
「龍亞」
「なんでここにいるの!?」
「3日間講師をするんだ。それで次の授業の教室を探していたんだが……」

そう、教室を探していたんだが……

「おーっ!すごいぜ!」

ガラスにべったり張り付いて模擬デュエルを見ているアテムさんがいたため動けないのだ。アテムさんは初めて来た所だから絶対迷子になる。前科もある。どうしてこう……こういう所は子供なんだろうか?

「あの人…誰?」
「まぁ…後で紹介するよ。龍亞、教室は何処だ?」
「この廊下の突き当たりだよ」
「わかった。先に行っててくれ」

それを聞いた龍亞は廊下を走って教室に向かって行った。それを見届けた後、ガラスにべったりだったアテムさんを無理矢理引っぱがし教室まで引きずって行った。

「ゆーせー!!あのデュエル見せてくれてもいいじゃないか!」
「アテムさん、次授業です」

もちろんぶーぶー文句を言っているのを無視して。


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