「お ま え は バ カ か !」 ゲシッ 昨日夜に名前来たんだろ?どうだった?発展したか? という三郎の問いに俺は、『相談して終わった』と返答したら三郎に足蹴された。 何すんだよお前、普通に痛いし。 なんでかよくわかんねぇが、俺は三郎の怒りをかったらしい。 しかも隣に居た雷蔵までも俺を呆れた目で見ていた。 さっきから何なんだよ二人とも! 「ハチお前……好きな相手に恋愛相談するとか、ないわー…ないです」 『は?どういうことだよ』 「つまり三郎が言いたいのは、好きな相手に恋愛相談なんてしたら、相手は「自分は対象外なんだ」って思っちゃう、ってこと」 え。 ってことは昨日名前に恋愛相談したのはまずかったってことか? 恐る恐る三郎と雷蔵の顔を伺うとニヤニヤ顔と苦笑した顔があった。 うわあ…俺やっちまった! 「恋愛相談した後、名前どんな感じだったんだよ?」 『そういえば「私にできることがあったら言ってね!」とは言ってたけど…』 「言ってた、けど?」 何だかいつもの俺の好きな笑顔じゃなかった。 俺は夜着で髪を降ろしてる名前に照れちゃって、あんまり顔を見れなかったけど。 どことなく、声に元気はなくて。 『おい、名前?』 「え、なっ何…?」 『俺ばっかり相談してごめんな?お前も何かあったら俺に言えよ』 「うっ、うん!…ハチ頑張ってね!応援してるから」 『おう!じゃぁおやすみ』 「う、ん、おやすみ…」 「おい、それ…」 「ハチいいかい?今日中に自分の気持ち名前ちゃんに伝えるんだ」 『………は?!///』 いきなり何言ってんだよ雷蔵! 二人して真剣な顔をしたと思ったら雷蔵が俺の肩に手を置いて言ってきた。 ちょっと待て待て! 見込みがないのに告白してこいって言うのか雷蔵! 三郎ならともかく、お前俺に玉砕して来いって言ってんの? 『雷蔵なのに、何も迷わずに言うなんて……珍しいな。そんなに俺にフラれてほしいのか?』 「な!違うからね!違う違う!誤解させたままだと良くないし…。僕は見込みあると思うよ!」 『え!///』 「というわけだ。私たちが名前にハチが夜部屋に行くって伝えといてやるよ」 「ちゃんと自分の気持ち整理しときなね、ハチ」 『ちょっと待て!お前らあああ!』 うわあ、結局何も考えずに夜が来てしまった。 しかも今名前の部屋の天井にいる。 下に降りたらもう考える余裕はない 確かに、雷蔵の言う通りなんだ。 名前に誤解を招いてるようなら、俺はそれを解かなくてはいけない。 だって俺が好きなのは名前だし。 でもダメだ。 俺は恋愛に疎い。 お前に恋をしていたって最近気付いて、どう接していいかわかんなくなっちまった。 どう告白するのが、どう気持ちを伝えるのが……どれが正解なのかさっぱりわかんねえよ。 シュタッ 「! ハチ」 『よ、よう。昨日ぶりだな』 もう考えんのはやめた。 お前の顔見たらいろんな言葉で気持ちを飾るのは…なんか俺には性に合わない気がしてさ。 俺の本当の気持ち、聞いてほしいんだ。 「ハチ、ごめんね。私昨日ハチのこと応援するって言ったのに相手の名前聞いてなかったよ」 『…っ』 「ねえ、その子の名前教えて?」 『俺が昨日話してた好きな子って、お前なんだ』 「え…」 『俺名前のことが好きだ。どうすればいいかわかんないぐらい好きだ。 頭ん中、お前ばっかなんだけど (彼女の頬に雫がほろりと伝った) 110105 …………………… やっぱハチは鈍感さんですよね ← → |