満月と新月 | ナノ
満月と新月



これからの2人



ユーリは、ジュディスに言われた方向へと歩いていく。


木々が開けると、岩肌がむき出しの湖が見えてきた。
鼻歌が聞こえてくる。

ぱしゃり、と水音が響く。


「覗きだなんて、恥ずかしい趣味ねん」


ベティがこちらに顔だけを向けて言った。



彼女は泳いでいたようで、服を着ていない。
明るい金髪が月明かりに照らされ、透き通るように輝いている。
艶かしい体は、闇夜で、一層色香を放つ。


「冗談、風邪引くぞ」


ユーリは肩を竦めた。
彼女は何も言わず、笑った。



「お前、あの魔物の事、何か知ってんだろ?エステルの力のことも…」

「知ってると言えばそうだけど、知らないといっても間違いじゃないわねん」

「なんだよそれ」

「エステルに話さないのに、ユーリに話すことでもないじゃん」

ベティは水からあがると、ユーリに背を向けて体を拭いた。

「そりゃそうかもな……じゃ、質問かえるわ、お前の力はなんなんだ?」

ユーリは頭を掻いた。

「魔導器を使わない事がそんな不思議かしらぁ?」

ベティはおかしそうに笑った。



「…ベティの事がもっと知りたいってのじゃダメか?」



ユーリは後ろからぎゅっと彼女を抱きしめた。
彼女の体は少し冷えている。
ベティは何も言わずにユーリから離れ、服を着始めた。


「やっぱ、教えてくんないわけ?」


ユーリは眉を寄せる。
「何かって聞かれると、説明のしようがないねぇ」
ベティはユーリを見ない。


「魔導器がなくても、魔術も治癒術も使える。エアルにも少し干渉ができる、ただそれだけ」


ベティは星空を仰いだ。
「エアルに…?エステルの力と似たようなもんって言ってたけど…」
ユーリはベティを見つめる。
ふいに、彼女の横顔が曇った気がした。


「似てるようで、違う…背負った運命が…ね」


ベティはユーリを見る。



「また、ゆっくり話すわねん、エステルも居る時にぃ」

ベティはいつものように笑ったよう見えたが、夜の闇に隠された表情は僅かに陰っている。




ユーリは胸の内に湧き上がる気持ちが、なんなのかわからないまま、ベティを抱き寄せた。



「俺じゃダメなのか?」


消え入りそうなユーリの声には余裕がない。

「ユーリはもっと、クールなのかと思ったけどぉ」

「お前はすぐに、茶化すな…」

「性格なのよん」



「そうじゃねえだろ?そんなじゃなかったんだろ?違うか?」


ユーリはベティの肩を掴み、引き離してじっと見つめる。

ベティは何も言わずに、困ったように見つめ返してくる。



ユーリはそっと彼女の頬に手を当て、引き寄せると唇を重ねた。

そのまま腰を引き寄せ、舌を割入れる。
彼女は一瞬離れようとしたが、すぐに応えるように舌を絡ませてきた。
歯列をなぞり、舌に吸い付く。
繋がったまま角度を変えて、貪るように激しくなっていく。



「ん…んっ」


ベティもユーリの背中に腕を回してきたので、ユーリは抱きしめる力を強くした。


背中からベティの上着の中に片手を入れ、ブラを外す。

そのまま胸をこねるように触る。

首筋を舐め、上着を捲り、胸を舐め回す。


「っ…あっ…」


ベティは応えるように、ユーリの帯を解いた。

執拗に彼女の乳首を弄ぶたびに、体はビクビクとしなる。


「ふぁっ…はぁっ…」


ベティの瞳は熱っぽい。

ユーリは彼女の下着の横ひもを解き、股に手を這わせる。

「ひゃぁっ…!」

「お前、すげー濡れてる…」

ユーリはベティを抱えるように片手で抱きしめ、左手の中指を彼女の中へと滑り込ませる。

「あぁっ…んぁっ」

ぐちゃぐちゃとかき回すように、動かせば、ベティは色っぽくユーリを見つめてくる。


「んな顔で、煽んなっつの…」


ユーリの瞳も、情事の時特有に色香を含んでいる。

さらにもう一本指を滑り込ませる。

「やぁあっ…!」

ベティはユーリに縋るようにしがみついた。

「ああっ!」

ある一点をこすった時、大きく彼女の体がしなる。

「ここがいいの?」

ユーリはさらに激しくそこをこする。

「だめっユーリっ…」

「何がダメなんだよ…して欲しいクセに」

「あぁっ…あっ…あっ!いいっ…」

ベティの中からべちゃべちゃと水が滴ってくる。



「潮吹いちまったな…」

ユーリは手についたそれを、いやらしくペロリと舐めた。

ベティが力なく崩れたのを、抱きかかえて支える。


そのままユーリはベティに近くの岩に手をつかせ、後ろを向かせると、欲で硬くなった自身を彼女のソコにぐっと押し付ける。


「んあぁぁっ!」


奥までするりと入ると、ベティの足から力が抜けたので、彼女の腰を持って支えた。

ユーリはゆっくりと腰を動かす。


「あっ…んんっ…ゆ、りぃ…きもちっ…」


「俺もっ…すげーいい…」


ユーリはベティの体に沿うように上から抱きしめ、胸を弄り、ぐりぐりと、クリトリスを触りながら、激しく腰を振る。


「…んゃぁっ!イクっ…!」

ベティの中が一瞬広がり、ぎゅーっとユーリのモノを締め付ける。


「あぁぁぁぁぁっ!」


彼女はずるりと崩れ落ちた。


ユーリは岩を背に座り、ベティをかかえて、自分に跨らせると、彼女の腰を持ち、一気に自身を中へと押し込んだ。

「ふぁっ!」

ベティは生理的な涙を流し、気持ち良さそうに眉を寄せる。

彼女はユーリの首に手を回すと、腰を振り始める。



「くっ…はぁっ…ベティ…お前ほんとイイ…」


「ユーリのもっ…きもち…い…っ」


ベティの中からはびちゃびちゃと、また水が溢れる。

「お前…また潮吹いたろ…エロっ…」

ユーリはベティの腰を掴み、激しく自身を打ち付ける。

「んぁっ…!…ぁ…あぁっ…!」

「あぁ…も…イク…」

ユーリはベティの中に、欲を放った。

彼女がビクビクと締め付けてくるのが、余計に気持ちがいい。


ベティがぱたりと、ユーリの胸に倒れこんできたので、優しく抱きしめ、頭を撫でた。

「お前、カロルのギルド入れよ…」

ユーリはベティの匂いを胸いっぱいに吸い込む。

「えぇ…なんで…?」

彼女はユーリの胸に顔を押し付ける。

「俺がお前と居たいから」

「あは、それまじで勝手じゃん。動機が不純」
「いーんだよ不純でも、掟を守れば。どーせジュディスの理由も怪しいしな」
「わかってんだぁ。でも、彼女が竜使いだっていつまで隠せるかなぁ?」
「そのうちちゃんと話すさ」

ユーリはため息混じりに言った。

「はちゃめちゃなギルドねん。私が入ったらますますおかしなギルドだわん」


「別にかまわねえさ」


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