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よく晴れたある日。トラファルガー・ロー率いるハートの海賊団の潜水艦は、"水の都"ウォーターセブンへと停泊していた。

そしてその船のクルー達はといえば、陸地へ上がる者や船番をしている者。それぞれ自分の好きなことをして水の都を楽しんでいた。

もちろんハートの海賊団の一員である○○○もその一人・・・なのだが。

彼女は現在進行形で逃走中だった。・・・・・・・・自分の船の船長から。


「おい○○○。何で逃げんだ」
『じゃあ聞くが何であんたは追ってくる!』
「○○○と島を回りたいからだ」
『私はあんたと島を回りたくないから逃げてんだよ!!』


叫びながら全速力で走る女に、それをニヤニヤしながら追いかける男。しかも男の方は2億の賞金首だ。

端から見れば犯罪の匂いがプンプンする光景だろう。しかし男女はそんなことも気にせず、ただただいつ終わるか分からない鬼ごっこを続けていた。


『あー!もう無理!』


いい加減うんざりしてきたリンが叫びながら角を曲がった、その時。


ドンッ


『ッ!』
「わっ!」


前をよく見ていなかったせいか、○○○は前から歩いてきた少年に勢いよくぶつかってしまった。

うわぁ・・・悪いことしたな・・・

内心で自分の注意不足を反省しながら、○○○は自分にぶつかったせいで尻餅をついてしまっている少年へと手を伸ばした。


『ごめん、大丈夫?』
「あ、はい!大丈夫です!」


そう言って○○○の手を掴みながらへにゃりと笑う少年。

・・・何だこの子、めちゃくちゃ可愛い!!

少年のあまりの可愛さに思考が持っていかれそうになった、その時。


「どこだ、○○○!」
『うわ来た!』

角の向こうから、ローが近付いてきている。それに気づいた○○○は素早く少年を起こして、少年の頭を撫でながら言った。


『ほんとにごめんね。何かお詫びがしたいんだけど、今はちょっと無理みたいだ』
「そんな、ぼくは大丈夫です!・・・追われているんですか・・・・?」
『んー?まぁ、追われてる?のかな?(自分の船長なんだけどね・・・)』
「むむ・・・!!それは大変です!どうぞこちらへ!」
『え!?』


少年は○○○の手を掴み、近くにあった細い道へ滑り込む。
しばらくそのままの状態でいれば、ローの足音はだんだん遠くなっていき、最後には聞こえなくなった。


『ふぅ、』


ローから逃れられた安心感に、思わず溜息を吐く。そして同じように安心したような顔をしている少年に向かってニコリと微笑んだ。


『助けてくれてありがとう。貸し2つだね』
「いえいえ!お姉さんが無事でよかったです!」
『お姉さんじゃなくて○○○でいいよ。君の名前は?』
「リンさんですね。ぼくは***といいます!」
『***君か。ねぇ***君。やっぱり私、君にお礼がしたいな』


そう言って、○○○は***をひょいと抱き上げた。


「ひゃあああ!」
『あ、ごめん怖かった?』
「い、いえ、いきなりだったので・・・」
『ごめんごめん。ねぇ、***君の家ってキッチンあるよね?』
「え、はい、ありますけど・・・」


というかお店なのですが・・・。
そんなことを思いながら、先程から予測不可能な行動を起こす○○○を見る***。


『キッチン、借りれたりする?』
「キッチンをですか?」
『うん、私こう見えても料理人なんだ。お礼として***君にお菓子でも作ってあげたいんだけど・・・』


○○○がそう言えば、キラキラと目を輝かせる***。それが可愛くて、○○○は思わず空いている手で***の髪をくしゃくしゃと掻き回した。


「あ、でもブルーノさんが使ってるかもしれません・・・」
『ブルーノさん?よく分からないけどその人に許可を取ればいいんだな』


そう言うと、○○○は***を抱えて***の家"ブルーノの酒場"へと歩きだした。


君は私の救世主


(ふあぁ・・・!!このケーキとってもおいしいです!!)
(そう言ってもらえると嬉しいよ)

((なぜだ・・・なぜ***があんな女と一緒にいる!?あの女は誰だ!?))

((○○○・・・・おれというものがありながらあんな餓鬼とイチャイチャしやがって・・・何だあの餓鬼は!))

((うわー・・・何か後ろと横からものすごい殺気を感じるんだけど))
(?○○○さん、どうかしましたか?)
(何でもないよ。あ、***君、ほっぺにクリームついてる)
ペロ
(へ!?////)
(はい、取れた)
(な、何でわざわざ口で取ったんですか!?///)
(***君が可愛かったから)
(えええええ!)

ガタガタガタ!
((あの(餓鬼/女)絶対殺す!!!))

((ハッ、私に殺気なんか向けるからだ。ああ、***君可愛い!そしてトラファルガーはさっさとくたばれ))


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