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「何だこれは!?・・・・・おい、そこの4人!!またお前らかぁああ!!」


「よっしゃ!!成功!」


「おいお前ら逃げるぞ!!」


「『ひゃっほー!!』」


突然聞こえてきた怒声に、周りにいた生徒は驚く・・・なんてことはなく、またか・・・と呆れたような、しかし密かにそれを楽しんでいるような視線をそちらへ向けた。


その視線の先にいたのは、トラファルガー・ロー、ユースタス・キッド、モンキー・D・ルフィそして***の4人だ。まだ小学3年だというのに、この学校で知らない人はいないというぐらい有名な"悪ガキ4人組"である。


今回も、何をやらかしたかは知らないが教師に怒鳴られ、全速力で廊下を走り抜けて行く。


それを見届けた周りの生徒達は、いつものことだ、と再び自分達の作業へと戻っていくのだった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「ハァ、ハァ、逃げ切ったか?」


「みたい、だな」


「疲れたー!!」


『体育の授業よりも疲れた気がする・・・・・』


教師から逃げて校舎裏へとやってきた4人は、それぞれ安堵の息を漏らす。


しかしお互いに顔を合わせると、それはすぐに笑い声へ変わった。


「「「『ぷっ、はははははは!!』」」」


『今日も悪戯大成功!!最高だね!』


「センゴクの顔見たか!?あれは笑えるよな!」


「眉毛ピクピクさせちまって・・・いつか禿げるぜあいつ」


ローの言葉に3人は爆笑する。


このようにこの4人は、日頃から教師にちょっとした悪戯をする常習犯だった。


「なぁなぁ!!次はどうすんだ?」


『気が早いねルフィ。んー、どうしようか?』


目をキラキラさせながらこちらを見てくるルフィの言葉によって、***は次のターゲットを考える。


「ガープとかどうだ?」


「ガープ?」


『あのやたらと元気な教頭先生のこと?』


「あぁ」


『いいかも!!じゃあ、「駄目だ!!!!!!」


突然、大声で怒鳴られた***はビクッと震える。


声のした方を見てみれば、いつもの眩しすぎる笑顔はどこへいったのか、ルフィが青い顔をして慌てていた。


「どうしたんだ?ルフィ」


流石にいつもと様子が違うことに気付いたのか、ローが訝しげにルフィに尋ねる。


「殺されちまう!!」


『えぇ!?』


突然言われた言葉に、ローもキッドも目を見開いた。


「おいおい、冗談だろ・・・?」


「ほんとなんだよ!!教頭先生は、おれのじいちゃんで・・・修業だからってよくおれを夜の森に放り込んだり、風船につけて飛ばしたり、崖から落としたり・・・・・」


ルフィの言葉に、3人は一気に顔色が悪くなる。


「とにかく恐いんだ!!」


ルフィの必死な様子に、それが冗談でないことが分かり、無意識にコクコクと頷くローとキッドと***。


その日は、それで一度解散となった。しかし次の日、キッドとローはとんでもないことを言い出したのだ。


「ガープを見に行って、本当にそこまで危険か見てくる」というのだ。もちろん銘とルフィは止めたが、負けず嫌いな2人がそれぐらいで止まるはずもなく。


2人は勇敢にも、ガープの元へと向かって行った。***は自分も行こうかと言ったのだが、3人に「***は心配だからここにいろ」と強く言われてしまったため、ルフィとお留守番だ。


「あいつら・・・無事に帰ってこれるかな・・・」


『ちょ、ルフィ、恐いこと言うのやめてよ!』


その数分後、青白い顔をして帰ってきたローとキッドを見て、ガープが悪ガキ4人組の悪戯ターゲットから除外されたのは言うまでもない。


相手を選びましょう


(ガ、ガープ先生!!おはようございます!)
(ん?おぉ、***。おはよう)

(珍しいな、あの悪戯娘から挨拶してくるとは。何かしたのか、ガープ)
(何もしとらんと思うが・・・)

(ルフィー!ロー!キッド!朝からガープ先生に会っちゃったよ!!)
(何!?大丈夫だったか***!!)
(恐かったぁあ!!)


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