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「……」

「…なんだっポー」

無言で○○○と恋人つなぎをした手を胸の高さにまで上げ、まるで***とルッチの2人に見せつけるようにしてニヤリと笑うロー。
意味が分からない○○○と***だったが、同じように無言で***の手を恋人つなぎに繋ぎ直し、その小さな手にキスまで落として見せたルッチの行動に2人揃って顔を赤くさせた。

「「……(バチバチバチ)」」

「ちょっと2人とも、なんか火花が散ってるんですけど!」

「ル、ルッチさん!?トラファルガーさん!?」

「○○○、気を楽にしていろ」

「クルッポー、***、少し時間をくれ」

「「ええ!?」」

カーンッ!!
ありもしないゴングの音が幻聴で聞こえたと、のちに○○○と***の2人は語る。

そんなことはお構いなしで、ローが○○○に腕を伸ばした。
ローが○○○を抱き寄せればルッチが***を抱き上げ、更にローが○○○に好きだと言えばルッチは***に愛していると囁き、更に更にローが首筋にキスをすればルッチは甘噛みまでして見せる始末。
その間、男2人は殺気さえ感じさせるような目で睨みあい、お互いが次はどう出るかと身構えていた。

まったく同じタイミングで舌打ちをした2人だったが、ローが○○○のボタンに、ルッチが***のネクタイに手をかけたところでついに片方が切れた。

「何がしたいんだあんたらはあああ!!!!」

「「止めるな!!(っポー!!)」」

「うっさい!って言うか***くん茹でダコ!!」

「クルッポー!!?」

「黙って大人しくしてろ○○○。こいつとは決着を…」

「お前がまず黙れトラファルガー!いきなり大人の男2人で何張り合ってんの!?」

すっぱーん!と良い音でローの顔を引っ叩いて○○○が叫んでも、ローは特に痛がる様子もなくルッチに中指を立てて威嚇を解かない。
ルッチもルッチで、真っ赤になってぷるぷると震える***を気遣わしげに撫でながらも、その場から立ち去る気は微塵も無いようだった。

「そっちの連れはなんだ?あれくらいでもうダウンしてるじゃねえか、だらしねえ…。
○○○なんてこんなに元気だぞ」

「***は純真なだけだ。そっちのやかましい女と一緒にするなっポー」

「そもそもお前とそのガキじゃあ犯罪じゃねえのか」

「クルッポー、海賊風情が言って良い言葉じゃねえだろうが」

バチバチバチ!!
さっきから勢いを増す火花に、周囲を歩く市民や観光客たちは一人残らず冷や汗をかきながら見て見ぬふりで横切って行く。
もう穴があったらローを埋めて自分も別の穴に入りたい○○○だったが、ローが○○○の手を離したことで我に帰った。
それを見たルッチも***を○○○に押し付け、会ってすぐの時のように目に獰猛な色を浮かべている。

そのまま拮抗するようにじりじりと距離を縮める2人を尻目に、○○○は***を抱えたまま息を殺して全力で逃げ出した。

「…あれ?○○○さん、お二人は…?」

「なんか意気投合しちゃったみたいで、2人で語り合ってるよ(ただしおそらく拳で)」

渇いた笑みで棒読みする○○○に、***は首を傾げながらも、それは良かったですとへにゃりと笑って返した。
結局ローとルッチの2人が、それぞれの連れが2人揃って消えていることに気付いたのは、○○○と***が5軒目のスイーツショップをはしごしている頃だったと言う。



だって二人こそが世界の中心なのだから!



「うわああこれ美味しい…!料理人の血が騒ぐ…!!」
「リンさん、こっちのタルトも美味しいですよ」
「本当?じゃこっちのムースもあげるね」
「あそこで自然と自分の分を差し出せるのが***だ。見たか」
「あ?○○○なんか天然で頬にクリーム付けてんだぞ。どうだ」
「(また***くん抱えて逃げたい…)」



あとがき
「憂鬱少女」のりお様へ捧げます!
りお様宅の連載、「脳内君汚染」のローさんとヒロインのリンちゃんとコラボさせていただいちゃいましたよ!
勝手に張り合ってうちの子自慢を開催させるローさんとルッチさんを書くつもりが、いつの間にやら方向性が若干ずれているような…?
なぜか破廉恥な方向に向かってますね。これは変態ローさんマジックと捉えても…いえいえ何でもありませんよ!

To.りお様!
改めまして3万打おめでとうございます!
祝わせてください!と申し出ておきながら、こんなにも時間がかかってしまって申し訳ないです…。orz
リンちゃんの口調がいまいち不安な部分もありますが、やたらめったに楽しかったです、このコラボ(笑)
なにやら2人が荒ぶった内容ですが、どうぞ煮るなり焼くなりお好きに扱ってやってくださいませ…!

管理人:銘


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