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いきなりの第3者の声に、ベラミーとなまえが揃って顔を向けた。
「しまった。今のシーンは最近買ったばかりのカメラで撮っていればドフィに見せてやれたのに」
「ヴェルゴさん、カメラなんて買ってましたっけ」
「そうだ、俺はカメラなんか買ってやしなかった」
いきなり現れた男に、ベラミーがぎくりと露骨に嫌な顔をした。子供相手に素でボケをかましているが、この男はどうにも苦手だ。なにせ、さん付けを忘れるだけで相手を容赦なく叩き伏せるような男だ。
「ヴェルゴさん、今日は珍しく甘いものを食べたんですね」
「よく分かったな。ベビー5に、取り寄せた菓子の味が気に入らないからとまるごと押し付けられた」
そう言ってサングラスの位置を直すヴェルゴの頬には、1枚のクッキーがぴったりと張り付いている。ただでさえ可笑しいのに、可愛らしいハート型なので余計にひどい。ニヤつくのを辛抱しているベラミーは、ヴェルゴがブチ切れるととんでもないことを知っているので、静かにその場を後にすることにいた。
なまえとヴェルゴが談笑している隙にヘルメットをかぶり、「じゃあ俺はこれで」と適当に言葉を残してバイクを動かす。
エンジンがかかると同時に誰かが笑ったが、ヘルメットをかぶっていることもあって聞こえなかったベラミーはさっさと行ってしまった。
「…一足遅かったですね父上。ベラミーさん、父上に会えたら喜んだでしょうに」
「フフフ、帰りの遅い息子を迎えに来た優しい父親に、お前は喜んでくれねえのかい?」
「そんなまさか」
ヴェルゴに続いて、のそりとどこからか現れた父親はなまえを軽々抱き上げて腕の中に納めた。かなり長身であるベラミーよりも大きなヴェルゴより更に大きい父親は、なまえのランドセルと同じ色の派手なコートを羽織りなおしてまた笑った。
「鰐野郎やローたちと仲が良いのは知ってたが、ベラミーともあんなに仲良かったか?可愛い子ちゃん」
「柄は悪いですが良いお兄さんですよ。いまだにぼくと父上が親子であると信じ切れていない節がありますが」
「なんだそりゃあ?フッフッフッ、それならいちゃついてる写真でも撮って送りつけてやろうか。おいヴェルゴ、お前撮れよ」
「残念だがドフィ、俺はカメラなんて持ってやしない」
「お前携帯にカメラついてるだろうが」
「その手があったか」
「迎えに来てもらっておいて何ですが、そろそろ帰りましょう。お腹が空いてしまいました」
父親に抱かれることで視線の高さが同じになったヴェルゴに手を伸ばし、頬に張り付いたままだったクッキーをひょいと取り上げて食べようとした。
しかし父親がムッと口をへの字にするので、小さな手でハート型のクッキーを半分に割って、片方を父親の口に、もう片方を自分の口に放り込む。
「ん?なんだなまえ、お前もベビー5にそのクッキーをもらっていたのか」
「さあどこから出したでしょう」
「フフフフ…フッフッフッフッフッ!!」
しあわせの家庭愛しかない。そしてやっぱり愛しかない。「………」
「どうしたベラミー?すげえ顔してんぞ」
「…ヴェルゴの野郎からメールが来た」
「あ?なんだよ仕事か?」
「……添付されてた…(なまえと父親のお風呂写真)」
「お、おう…」
あとがき
しあわせのかてい(家庭)
IFの現パロで、子鰐ちゃんが桃鳥さんの子供だったら!でした。
鰐さんの子供だと子鰐ちゃんだったから、今回のパロでは小鳥ちゃん…?
小鳥ちゃんはもちろん、ファミリー大好きなドフラぱぱさんが書きたかっただけな気もします←
ベラミーさんに送られた写メは、しっかりローさんと鰐さんのところにも送られています(笑)
ちなみにピンクのランドセルは小鳥ちゃんが自分で色を選んで、それで良いのかと聞くヴェルゴさんに「父上が喜ぶでしょう」とかさらっと言ってのける小鳥ちゃんイケメン説。
管理人:銘
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