拾ったよの続きです。


「大変っス!!」

「あ?」

「どうしたんですか?」

「ワン太がいなくなってるんスよ!!」

「部室にいないのか?」

「確かいつも椅子の上で待ってるよねー?」

「部室にもどこにもいないんス!」

「体育館中全て探したのか?」

「全部探したっスよもちろん!もしかして誰かに連れて行かれちゃったんスか!?」

「いや、それはねーだろ」

「どこか散歩に行ってしまったのかもしれませんよ」

「もしそうだとしても道路に出ちゃって轢かれたりでもしたら…!!わああワン太が危ないっスー!!」

「考えすぎでしょー」

「五月蝿いのだよ黄瀬。叫ぶな」

「心配しなくてもその内帰ってくるんじゃないか?」

「てかそんなのどーでもいいからさっさと部活始めようぜ」

「黄瀬君すっかりワン太の親ポジションですね」

「青峰っち酷いっス!ワン太が危ない目に合ってたらどうするんスか!」

「知るかよそんなもん。それにあの犬俺に全然懐かねーじゃねぇかよ。この前噛まれたし。可愛くねー」

「それは青峰っちがいつもイジメるからっしょ!」

「もう練習を始めるのだよ。時間になったぞ」

「あぁ。そうだな」

「そんな…!みんなワン太が心配じゃないんスか!?」

「そんな心配することもないだろう」

「その内ひょっこり帰ってくるってー」

「部活終わっても帰って来なかったら探しに行きましょう」

「……………らな」

「ん?」

「なんだって?」

「それでもしワン太が危ない目に合ってたらアンタらの所為だからな」

「…は?」

「なんでそんな平然としてられんだよ。いくら皆でも、意味分かんねースわ。頭湧いてんじゃねぇの?」

「…黄瀬ちん?」

「き、黄瀬君…?」

「もうアンタらには頼んねースから。俺一人で探して来る」

「おい涼太、これから練習を始め…」

「…離せよ。俺今からワン太探して来んだよ」

「………」

「………」

「………」

「………」

「………」

「皆は精々部活に勤しんでたらどうっスか?じゃあね」

「………」

「………」

「………」

「………」

「………」

「…え、え?あれ誰?ホントに僕の可愛い涼太?」

「…まるで別人だったのだよ」

「…顔めっちゃ怖かったんだけどー」

「思いっくそ蔑んだ目で見てたよな…」

「ワンコな黄瀬君が少しもいませんでした…人一人簡単に殺せそうな雰囲気でした…」

「この僕がまさか涼太に怯まされるなんて…すっごいショックなんだけど…」

「あの赤司をビクつかせるなんて…あいつやべえ。マジで」

「げきオコスティックファイナリアリティぷんぷんドリームでしたね…」

「………」

「………」

「………」

「………」

「…どうするのー?」

「…追いかけて、謝ってから一緒に探すか?」

「…あれは謝んねーとやべーよな」

「…探しに行きましょう」

「…だな」

「さっきの黄瀬ちんホントに怖かったもんねー…」

「…急いで追いかけよう」

「…あぁ」

「…そうですね」

「…分かったのだよ」

「…うん」

「ねぇねぇ皆!」

「ビクッ」

「ビクッ」

「ビクッ」

「ビクッ」

「ビクッ」

「ワン太いたっス!ほら!」

「ワンワン!」

「…あ、あぁ、そうか」

「ど、どこにいたんだよ?」

「体育館の裏で寝てたんス!本当に安心したっスー!」

「み、見つかって良かったです」

「…何事もなくて良かったのだよ」

「…だねー」

「もう勝手に部室から出ちゃダメっスよ?ワン太」

「ワン!」

「(…涼太もう怒ってないのか?)」

「(…いつも通りだよな)」

「(…見たところ、もう戻ってますね)」

「(なんなのだよ)」

「(聞いてみるー?)」

「…黄瀬君、先ほどはすみませんでした。あの、まだ怒ってますか…?」

「えっ?なんで黒子っち謝るんスか!?怒るってなんのこと!?」

「…は?」

「…え?」

「さっき涼太思いきり怒っていたじゃないか」

「口調とか全然違かったしよ」

「あぁ!あれ全然怒ってないっスよ!そりゃあちょっとはムカッときたけど、そこまでじゃないっス!ワン太もすぐ見つかったことだし、気にしないでほしいっス!」

「………」

「………」

「………」

「………」

「………」

「はー、すっごい安心したっスー。俺もうワン太なしじゃ生きていけないっスー」

「(黄瀬君だけは本気で怒らせてはいけないです)」

「(同感なのだよ)」

「(あれでちょっとしか怒ってないとか、本気が想像つかないよねー…)」

「(涼太が本気で怒ったら地球なんか簡単に破滅出来るかもしれないな…)」

「(…冗談にならねーって)」



─END─

マジギレ黄瀬君が書きたかった\(^o^)/

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