D
―ガラガラ
そうして入ってきたのは先程あった男だった。
あの人、担任だったのか・・・
なんだか心が跳ねているような感じがした
男は教壇の前に静かに立つと今まで騒がしかった教室も嘘のように静まり返りみんな自分の席へと戻っていき和葉も"綺麗な先生じゃん"と先生の方に向き治った
そして男はその様子を見て笑顔になり黒板に向きチョークで"神崎 帝"と丁寧な文字で書き綴り
「1年間このクラスの担当となりました、神崎帝(かんざき みかど)と申します。よろしくお願いしますね。」
といった。
神崎先生か・・・
俺は、男の名前を知れたことにすごく感嘆していたが、ほかの生徒たちはやっぱりというかなんというか神崎先生を質問攻めにしていた
質問はくだらない物が多くあまり聞く耳を持っていなかったが
「彼女はいますか?」
そんなくだらない質問でもなぜかその質問だけは俺の耳に入り真意を知りたくなった
「プライベートな質問まで入ってくるんだね。ふふ、まぁいいけど。
残念ながら彼女はいないよ」
神崎先生がクスクスと笑うように答えると皆"嘘だー"、"こんなイケメンで彼女いないわけない"なんて言葉をかけてたんだけど
彼女はいない。その言葉になぜかほっとしている自分がいた
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