んなこと言われても


▼アフロ



今日うちのクラスに転校生が来る。ちょっとどきどき。
全寮制の男子校だから転入生とドッキュンみたいなときめき展開はないけど、何となくどきどき。
周りも何となくそわそわ。いいね青春だね。

「カッコイイ人だったらいいなー」
「お前浮気かよー毎日ヤってんのにまだ満足出来ないってかー?」

よくない青春だね。



「お前ら席つけー」

見た感じホストっぽい人が入ってきた。こんなんが教師とか、理事長や教育委員的なあれは何も言わないんだろうか。
生徒に悪影響がみたいな。

「きゃー先生抱いてー」

まぁもう手遅れか。

「お前この間してやっただろうが」

あっもう手遅れだ。

「それより転校生を紹介する。宮沢ー入れー」

おぉついにこの時が。
オレを含めみんなが期待を胸にドアに注目。
そこに現れたアフロヘアー。
なのかな?なんか髪が増殖し過ぎて顔が半分隠れてるという奇抜なヘアースタイル。

「宮沢良樹!良樹って呼んでくれよな!みんな仲良くしようぜ!」

オレを含めみんながアフロに注目。
目が見えないから自然アフロに注目。
みんなアフロに気を取られすぎて何の反応も返せない。
むしろ反応したくない。
だって何か関わりたくない。

そんなシンとした空気を感じ取ったらしい転入生は、最初の勢いはどこへやら、段々と縮こまって仕舞いに「あの、すみません…」と呟いた。
アフロでよく見えないけど顔が赤くなってるっぽいし、何か空気は読めるらしい。

じゃあなぜ最初の段階で読んでくれなかったのか。
なんで自己紹介でそんなテンション上げちゃったのか。
そもそもなぜアフロなのか。

とりあえずあまり関わりたくない感じかな。
と思ってジッと見てたら「加山、お前席隣だから面倒見てやれよ」というホスト教師のお言葉が。マジか。

何かどきどき。


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