添い寝リフレ


「どこまで出来る?」

 街頭で呼び込みをしていたら、もっさりした兄ちゃんに声をかけられた。

「あっ、えっとー」

 手元のチラシを確認して読み上げる。

「添い寝の他にもー、ハグ十秒とか、膝枕とか、コスプレなんかが二千円で出来て、ラップ越しのキスとか口でアーンとかが三千円で出来るみたいです」
「それだけ?」
「えっ」

 明らかにご不満そうである。いやラップ越しのキスとか結構アレだろ。何が不満か。そもそもいたいけな女子と添い寝出来るだけでも十分だろ何が不満か。いやオレは女装した男子だからバレたら不満しかなかろうが。再度チラシに目を落とす。むむ、他にもメニューは沢山あれど何を言えば満足してくれるのやら。

「あっ、お散歩コースも五千円であります!」

 これでどうだ!

「で?」

 ダメだったー!

「あー……他にも何かいっぱいあるので、良かったら見てみて下さーい」

 面倒になってチラシをもっさり兄ちゃんに手渡した。一応受け取ってくれたけどそのまま去って行った。ちくしょー初めて声かけられたのに不発であったか……。
 そもそもなぜオレが女装で呼び込みなんぞしているのか。話せば長くなるので端的に言うと、世の中には女装専用のサロンというものがあると知り、話のネタに行ってみたら意外と女に見えなくもない出来になり、そのまま街中を探索してたら「添い寝リフレ」という馴染みのない文言が見え、思わずそのバイト募集のチラシを熟読してたらもの凄く怪しいオッサンに鉢合わせ、「バイト希望? きょう欠員多くて困ってたから試しに働いてみる?」と声をかけられたのだ。いやオレ男なんで、と普通に断ろうとし「やろうと思えば一日でもけっこう稼げるよ」快諾した。まぁ添い寝するだけならバレないだろ。という訳でそのままアルバイトをする事になったのだ。この物語はフィクションです。
 しかし今日は肌寒いな……。スカートはペラペラだしハイソックスはストッキングみたいな素材だし早く室内入りたい……。そんな事を考えて足を擦り合わせた時だった。

「何が出来るの?」

 イケメンに声をかけられた。はい無理こんなイケメン釣れる訳ねぇ。てか何で声かけてきた? もの珍しさか?

「添い寝とか簡単なマッサージをするお店ですけど」
「それは知ってる」

 知ってるんか。オレは今日初めて知ったぜこの世界。

「えっと基本が三十分で五千円で、一時間だと八千円になります。後はオプションで色々」
「うん。何が出来るの?」

 ええ食い付かれた何でだ。こんだけイケメンならこんな店来なくても女の子とイチャイチャし放題だろ。むしろ女の方から寄って来るだろ。女の子と触れあう為に金払う男とか鼻で笑うレベルだろ。いやオレは払ってないけど。オレは払ってませんけど。くっそ二千円で女の子とハグ出来ますとか言いづらいわ!

「えぇと……色々……?」
「色々って?」

 負け組男子が鼻で笑われるのを回避しようと言葉を濁して目を反らしたらイケメンが腰をかがめてガッツリ目を合わせてきた。

「近っ! えっ?! あ、えー……それはその……な、中で聞いてくださぁい」

 やたらイケてる顔面が目の前に来て思わず素で叫んでしまった。慌てて声を作ってぶりっ子っぽくお店へ促す。こうすれば金を払うのが嫌で帰るだろうし、もし本当に来店したら他の女の子に説明をしてもらえばいい。オレが世の残念男子の代表として鼻で笑われる必要はないはずだ。いやオレは払ってないけどな! 払った事ないけどな!

「分かったじゃあ中で聞くね」
「えっ」

 この店の子の写真見たけどマリナちゃん可愛いんだよなぁあの子になら数千円払ってでも……なんて考えていたら、まさかのまさか本当にイケメンが来店した。しかもオレの手首をつかんでさっさと受付を済ませていく。

「ご指名の子はいますか?」
「この子で」
「えっ?!」

 しかもオレが指名された。



「うわぁ……」

 イケメンと入ったプレイルームは、なんというかピンクだった。ベッドからカーテンからとにかくピンク。あ、抱き枕は白だ。と思ったけど違った薄ピンクだった。そして狭い。ベッドで部屋の九割が埋まっている。このベッドどうやって入れたん?

「それで?」
「え、ぅわっ」

 腰を抱かれて二人でボスンとベッドへ座る。何か近い……腰引き寄せるのやめて欲しい……いやこれから添い寝するんだけども。

「みくちゃんは何を色々出来るのかな」
「あ……あー……」

 そいやオプションの話してたんだった。結局オレが全ての残念男子を代表して笑われるのか……。いやしかしこのイケメンはすでにオレの添い寝に金を払っている! なら鼻で笑われることはないはずだ! という訳でヘッドボードにあったメニューを取って説明をする。

「んーと、まずハグ十秒と膝枕とコスプレが二千円で出来てー」
「それはメニュー見れば分かるやつでしょ」

 言いながらイケメンがメニューをひったくった。いやお前が聞いてきたんだろ。

「そうじゃなくて、みくちゃんが出来る裏オプションを……あ、でもこれはいいな」

 裏オプションという謎ワードを出したイケメンだが、それよりもメニューに気になるものがあったらしい。

「これしよ」

 イケメンが指したオプションは「口でアーン」だった。お値段は三千円。口でアーンはその名の通り、スタッフが咥えたものを口移しの如くお客様にアーンするという、女の子にやられたらそりゃもう堪らないオプションだ。女の子にやられたらな。やるのオレだけどな。

「えーと、はい。じゃあやります……」

 イケメンに三千円を手渡され、しぶしぶながら食べ物を探すと、ヘッドボードにそれ用と思われるチョコがあった。フィルムでひねり包装された、よく見るひと口チョコだ。

「いきまーひゅ」

 チョコを歯で挟んで手を挙げて宣言する。

「はひ、あーん」

 言いながら顔をイケメンに近づけた。まぁもしかしたら唇がちょっと触れる位の事故は起こるかもしれんがオレも男だ。そんな些末なことは気にしない。例えファーストキスだろうが気にしない。例えだからな。ファーストキスだとは言ってないからな!
 イケメンもそのお綺麗な顔を近づけ、口をあけてチョコを舌で迎えに来る。いやそれオレの唇に舌が当たりません? なんか舌って唇より嫌なんですけど! と止める間もなくさらに悲惨な事態が起きた。イケメンがチョコを取るどころが逆に押し込んでしまい、オレの口の中に入ったそれを取ろうとそのまま舌で追いかけてきたのだ。
 所謂、ディープキッス。

「んっ、ンンっンッン……ッ」

 熱い舌に口内をまさぐられ、チョコだけではない得体の知れない甘さに脳がしびれて、ぐちゅぐちゅと音を立てた唾液が口から溢れて垂れていく。気づけばオレはベッドに押し倒されていて、角度を変えては侵入してくる滑った舌にどろどろのチョコを纏ったそれを絡めとられて根元からジュルジュル啜られて。チョコが全てなくなる頃には、オレはもう息も絶え絶えになっていた。

「いまの、は……アーンじゃ、な……」

 ちゅぽ、と音をさせて唇を離したイケメンは、口の周りをだ液にまみれた薄い茶色で汚していた。

「チョコがみくちゃんの口に入っちゃったから、取り出そうと思って」

 イケメンが見せつけるように口周りを舌で拭って「甘いね」と言う。そこでヒクリと反応した。何がって、ナニが。いや正確にはたぶんベロチューの時に反応していて、それに今やっと気がついたのだ。
 まずい。これは非常にまずい。だってお前、女にないモンおっ勃ててたら男ってバレるだろうが!

「でも結局アーン出来なかったね。もう一回する?」
「……しない」

 これ以上したらガチで勃つ。という死活問題からの拒否だったが、イケメンは別の理由と思ったようだ。まぁ女の子がベロチューでチンコ勃ちそうになってるとか思う訳ないわな。

「ごめんごめん。みくちゃんが気持ちよさそうだったからつい調子乗っちゃった。ちゃんと裏オプのお金取っていいから」

 いや実際気持ちは良かったですがね。しかしウラオプとは何だ。さっき言ってた裏オプションの事かな? という事は裏オプションとはつまり……店に表立って出せない、もしくはスタッフが個人的にやっているオプションという事か。何それ闇が深そう。
 あ、もしかしてあれか。最初に声かけてきたもっさい兄ちゃんもこのイケメンも、裏オプションは何が出来るのかと聞いていたのか。いや添い寝ビジネス自体が初めましてだったオレにそんなもん分かるかい!

「みくちゃんのディープキスはいくら? なんなら一回の料金じゃなくて回数無制限でお願いしたいんだけど」

 ちょっと考え事してたらイケメンに顎クイされてた。

「……だめ、しない」

 オレはイケメンにそっぽを向いた。横向きになって身体ごと。そうする事で未だ治まらないオッキしたあそこも隠せるので丁度いい。あ、でもこれ目の前が壁だ。ドア側にイケメンがいるとか何か逃げ場がない感あるな。と一瞬ざわっとしたものの、イケメンは背中を向けたオレのカツラをただサラサラと撫でるだけ。無理やりとかなさそうだし平気っぽい。まぁいざとなれば殴って逃げられるしな。色々バレてオッサンに絞められそうだけど。

「じゃあハグは?」
「ハグ?」
「オレからのハグも十秒二千円で出来るよね」

 確かにハグは通常のオプションだ。どちらがハグするという決まりもなかったから、イケメンがオレをハグするのも問題ないだろう。

「いいよ」
「よかった。じゃあさ、五千円払うから、時間無制限にしてくれない?」
「ん?」

 またややこしい事を言い出したな。

「オレこのままみくちゃんハグして寝たいんだけど。だめ?」

 言って後ろからオレの腹に手を回してくる。なるほどこの体勢で添い寝したいという事か。

「んんー……」

 まぁぶっちゃけハグくらいどうって事ないしな。十秒で二千円も相当ぼったくってると思うし。そもそもオレが男な時点でこのイケメン詐欺の被害者だし。

「いいよ」
「ほんとう? じゃあこれ五千円」
「ん」

 後ろからひらりと振られた五千円を受け取ってシャツの胸ポケットに入れる。その後は手持ち無沙汰になったので、腹に回されたイケメンの手を子守のようにポンポン優しく叩いてみた。たんとお眠り。
 しかしイケメンは寝る気なぞ無いようで普通に話しかけてきた。

「みくちゃんはどうしてこの仕事してるの?」
「んー? 何かたまたま」
「たまたまでこの仕事する?」

 後ろでふふ、と笑った気配がした。気持ちは分かるが本当にたまたまだ。

「なんか今日お休みの人が多いらしくって臨時でアルバイトしないかって声かけられて」
「……えっ、そんな事ある?」
「あったんだこれが。オレぇあーたしもビックリしたんだけどー」

 また素でオレとか言いかけたので慌てて軌道修正した。無理やり感満載だったけど特に突っ込まれなかった。このイケメン鈍いな。

「じゃあ普段はこの店いないの?」
「うん今日だけかなー」

 さすがに何日もやってたら男だってバレるだろうし。裏オプションあるとか思ったより店自体がヤバそうだし。いやヤバそうだとは最初から思ってたんだけども。

「一日でも結構稼げるって聞いたからちょっとやってみようかなって」

 と、ここまで言ってアッてなった。客の目の前でなんて事ぶっちゃけてんだオレは。

「な、なーんて……」
「みくちゃんお金欲しいの?」
「えっ? あーうーん……」

 イケメンが言い淀むオレの手を取ってにぎにぎしてきた。

「まぁ、じゃなきゃこんな所で働かないよね」
「ですよねー」
「なのに裏オプションはやらないんだ?」
「え?」

 握っていない方の手が腹からさわさわと下に滑っていく。待てイケメン何をしている。それ以上いくとあれだぞ、オレがオレたる所以のあそこにタッチしてしまうぞ。それは、それだけは断固阻止しなければ!

「ちょぉぉいそれ以上はダメだと思うな!」

 と握られていない手でおいたするイケメンの手を引き留める。

「それ以上って?」
「えっ?! いやだからー……お触り?」
「ハグしてたら触っちゃうのは当然だよね?」

 ん? 確かにそうだな? なんて一瞬納得しそうになったけど内腿に手を這わせてきたもんだからそれ所ではなくなった。おいもうセクハラだろそれ! という抗議の声を上げようとしたけどイケメンの発言で更にそれ所ではなくなった。

「大丈夫。みくちゃんのちんちんには触らないようにするから。」
「……えっ」

 それはつまり?

「え……あの、わたし女だよね……?」
「いや男でしょどう考えても」

 思わず出した意味不明な問いに明確な答えが返ってきた。

「えっと、いつから分かってたんでしょうか……」
「外で話したとき素が出てたでしょ?」
「ああ……」

 序盤も序盤じゃねーか。

「大丈夫。オレ男もイケる口だから。みくちゃんなら大歓迎」
「…………え」
「なんて言うか、身体つきが好みだったんだよねー」

 そうかこのイケメン、オレを男と分かった上でベロちゅーしてハグしていま現在セクハラを働いているという事か……! というか上手いな! セクハラ上手いな! オレのナニに触れないように内腿をさわさわするその技量なんなのもどかしくてオッキしそうなんですが!

「ねぇ、もう一回アーンしない?」

 内腿さわさわしながら耳元で囁くの止めなさいマジで勃つだろこの野郎……! と叫びたいのを寸でで堪えて蚊の鳴くような声で「いやむり……むり……」と精一杯の主張をしたのに「んー? なんでかなぁ?」とそらっとぼけて内腿どころか握っていた手の指の股までさわさわしてきたもんだから何かもうキレた。

「今それしたらさっきのベロちゅー思い出して完璧に勃つわ言わせんな!」

 キレて叫んだら後ろでめっちゃ吹き出しやがった。

「ふふふ、みくちゃんかわいー。別に勃っちゃってもいいんだよ?」
「いや勃ったら色々抑えきれなくなるじゃん男なら分かるだろオレが変な気を起したらどうしてくれる!」
「それは願ったり叶ったりなんだけど」
「え? あ、そうかお兄さん男もイケるんですもんね……」

 さりげなく恋人繋ぎをして来たからさりげなく解いておいた。

「逆にみくちゃんは男イケないのになんでここで働こうと思ったの」

 恋人繋ぎを諦めたらしいイケメンは上体を起こしてオレを覗き込んできた。内腿の手はそのままだった。なんかそっちはもう馴染んで違和感なくなってきた。慣れって怖い。

「いやだって添い寝するだけだし……お金稼げるっていうし……」
「うんそうだったね。ここでみくちゃんに残念なお知らせです」

 言いながら内腿に這わせていた手をギシリとベッドにつくイケメン。馴染んでいた温もりが消えてそこがちょっと寂しくなった。慣れって怖い。いやそれよりも。オレいま両脇に手をつかれて上から覗き込まれて、ともすると閉じ込められてるような構図なんですがどういう事だ。いやオレは相変わらず横向きで壁とご対面してるからイケメンと対峙している訳ではないけどなんか怖いぞどういう事だ。

「裏オプしないと稼げないよ」
「えっ」

 思わずイケメンを振り仰ぐ。おっと思った以上に顔が近いぞどういう事だ。

「普通にしてたらオーナーに殆ど持っていかれるからね。もちろん優良店もあるけど、この店は裏オプありきって聞いた事あるし」
「ええ……」

 という事はあのオッサンの「一日で稼げる」は裏オプションすれば稼げるって事だったのか。だから添い寝ビジネスと初めましてなオレにそんな事が分かる訳ないだろうとあれほど……!

「だから、ね?」
「え、あっ、待っ……」

 言うが早いかイケメンの顔が下りてきてベロチューが再来…するかと思ったのに寸止めされた。唇に触れるか触れないかの所で寸止めされた。

「……回数無限。いくらにする?」

 そんで唇に息がかかる距離で催促された。

「……に、二千円で……どうでしょう……」

 抗えなかった。いやだってほら……お、お金が欲しいだけなんだからね……!

「ふっ、やっす。じゃあこれね」

 どこからか取り出した二千円札を胸ポケットにねじ込まれた。え、二千円札?! ヤバくね?! レアじゃね?! なんて衝撃を覆すほどの衝撃がやってまいりましたイケメンのベロチューはんぱない。
 上顎を撫でられて舌をくすぐられて奥に引っ込めようとしたら窘めるように絡めとられて引きずり出されて甘噛みされて啜られて痙攣した。
 待って、キスで、痙攣って。ビクンと四肢を縮こまらせたオレに気をよくしたのか、イケメンが更に舌を奥へ潜らせてオレの口内を圧迫する。二人分の唾液が両端から盛大に溢れてカツラとシーツを汚していく。ああ……このカツラ借り物なのにな……いやカツラじゃなくてウィッグだっけ。なんて朦朧とした頭をそんな事に使っている場合ではなく。ちょっとマジでおかしくなりそうなので最後の力を振り絞ってイケメンの口を引きはがした。

「っは、ひ、も……おわり……っ」

 そして近くにあった抱き枕を抱えて再びイケメンに背を向ける。

「はぁ……ふふ、照れてる? みくちゃんかわい」
「ぁひ、は、ぃい……ッ」

 言い返したい気持ちはあれど抱き枕で押さえつけて鎮めているオレのナニに不埒な手が這ってきて変な吐息が漏れるばかりであああああ。

「勃っちゃったね。ちゅー気持ちよかった?」

 ふふっと笑いながらスカートを捲り上げて、パンツの中に手を忍ばせて、そして抱き枕で押さえつけてもなお起き上がろうとするオレのナニをツツ、となぞり先端を撫でてピクピクするそれを更に両手でぐちゅぐちゅする。

「ぁ、ぁ、やめ……だめぇ……」

 逃げようにも目の前は壁で背後にはイケメンがピッタリくっついてオレはなすすべなくただ扱かれるそこを抱き枕で押さえつけて腰をカクカクするばかりであれオレなんで腰振ってるの怖い!

「あっもっほんとっだめっ出ちゃ……あっ!」

 どぷ、とパンツの中に出してしまった。どうしよう気持ちよかった……。

「ん、いっぱい出たね。気持ち悪いから脱いじゃおっか」

 そう言ってパンツをずり下ろすイケメン。何か嫌な予感がするけど頭がぜんぜん働かない。

「みくちゃんのエッチ……お尻までどろどろだね」
「はぅ……やぁ……」
「ねぇみくちゃん。オレ今みたいにみくちゃんの事いっぱい気持ちよくしてあげたいんだけど」

 オレのちんこから出たものを指に纏ってケツの割れ目をなぞるイケメン。本当に嫌な予感がするんだけど全く頭が働かない。その上イケメンがオレのケツ穴カリカリしながら耳舐めてきたもんだから「ひゃぁん」とか言いながら抱き枕にすがるしかない。

「ねぇみくちゃん、いくらにする?」



 気づけばオレは抱き枕をギュウギュウしながらイケメンに揺さぶられていた。

「あっンッぉっおっ」
「っは、みくちゃんの中きもちいーね」

 スカートは穿いたまま、パンツも太ももにずり下げられた状態で。逃げようにも相変わらず壁とイケメンに挟まれて身動きすらままならない。

「ぁっあっンッふぅ……ッ」
「みくちゃん声抑えちゃだめだよ? ほら出して。ほらほら」

 パンパンパンパンパンパンパンパンッ

「あっひッらめ、らめぇ……ッ」

 横向きに寝そべった体勢で動きづらいはずなのにリズミカルに打ち付けてくる。唾液でぐしょぐしょの抱き枕に顔を埋めてイヤイヤするけどイケメンの腰は止まらない。もう無理あたま沸騰する。

「んー、じゃあいくらで声出してくれる?」

 パンパンパンパンパンパンパンパンッ

「はっひっはっふっ」
「みくちゃんが思ってる事ぜんぶ口に出してくれるならお金取っていいよ」
「ぁっ、んっ……さんぜんえ、んン……ッ」
「ふ、それだけでいいの? じゃあはい。今からね」

 イケメンがオレの手に何かを握らせてきた。お札なんだろうけど正直もうそれどころじゃないヤバい。イケメンが金払うために更に密着してきたもんだからアレの角度が変わって突かれる度にゾクゾクする。

「ゃんぁんぁんらめそこおちんちんしちゃあぁぁァン……ッ」
「はぁ……ッ、ダメなの? なら抜いちゃうよ? いいの? ほら」

 ズロロロォ……と先端まで引き抜かれたちんこに「やだぁ」とだだっ子のように首を振りケツをキュウキュウ締め付ける。するとイケメンが「ダメなんじゃないの?」と意地悪を言いながらヌチュゥとちんこを押し込んできた。

「ぁっだっておちんちんっおちんちんしゅごいからぁ……ッぁっしょこパンパンしたらッはひっぁっぁっぁっぁ……ッ」
「は……ッここっ? ここがいいのっ?」

 パンパンパンパンゴチュゴチュゴチュゴチュ

「ふぉっ、ぁっらめ激ひっ、ぁんァンらめらめそんなんしたらおまんこになるッおまんこなっちゃうぅッ」
「ぁっは……ッオレのおちんちんでおまんこになっちゃう可愛いお尻、責任取って中出ししてあげようね……っ!」

 ドチュドチュドチュドチュグリッグリュゥゥ……ッ

「らめらめおまんこキちゃうキちゃう何かキちゃァァアン……ッ! ぁン……ッ! あン……ッ!」

 ビュクン……ッドプ……ッドプ……ッ

「はっ、お尻だけでイっちゃった? あは、いま責任取ってあげるから、ね……ッ!」

 グリュリュリュッビュルルッドプドプゥゥゥ……ッ!

 ケツだけでイッてビックンビックン痙攣してる所を押さえ付けられて中出しされた。

「ぁっ、ぁへ……っはひぃ……」

 大量中出しの後もトプ、トプ、と断続的に出されるそれに微痙攣を起こしていると、ピピピと間抜けな電子音がした。サービス終了の合図だ。良かったこれで開放される……。
 ホッとしてヘッドボードのアラームを止めようと手を伸ばしたけどその前にイケメンが止めてくれた。

「ァン……」

 イケメンが上体を起こしたせいで中が刺激されて変な声出た。

「……みくちゃん今日は何時までなの」
「え……と、八時……?」

 そういやこの後もバイトは続くのか絶望だわ。まぁケツは死んでるけど外でのビラ配りなら何とか……。

「じゃあ時間いっぱいまで延長で」
「え……? …………えッ?!」

 今なんと言ったこのイケメン。八時までってあと三時間もあるんだぞ今なんと言ったこのイケメン!

「今度はベロチューしながらパンパンしようか。どっちも無制限でお金払ったし延長時間もオッケーだよね?」

 おい待てイケメンあらぬ所をデカくするな殺す気か!

「いやむりむり絶対むりオレ死んじゃぁあアンしょこらめぇぇぇぇぇ……ッ」



「はぁ……」

 腰とケツが激しく痛む中、大学へと足を運ぶ。さすがに休みたかったけど今日は出ないとまずい講義が朝イチである。しんどい。
 結局きのうは抗議も虚しく再びのピストンでベロチューでまんぐり返しとか駅弁とか騎乗位とか終わりの方はほぼほぼ意識がなくなっていた。
 いやもう忘れよう。あれはそう、白昼夢だったのだ。べろちゅーしながら正常位で精液じゅぽじゅぽ掻き出されてビュルビュル出されて抜かずの三発で朦朧としてた時「みくちゃんの連絡先しりたい」って言われて「いくら?」って聞かれてアプリのIDはもとより本名や大学まで全部売っちゃった気がするけどそれもきっと気のせ

「あれぇ、御来屋(みくりや)くん今日は女装してないんだね」
「ギャーーーーッ!」


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