vol.4

ちょっとシズちゃん!そこ座って!
あ?何だよ…
いいから!話があるんだってば!
ウゼェ…喚くな。…で?何だよ。
さっきそこで麓の奥様方に「あら、平和島さんとこの奥さんじゃない。この間は結構なジャムをどうも〜。お料理上手なんやねぇ。」なんて言われたよ?どういう事?
俺の作り置きしてあるジャムを配っちゃったの?何勝手に1円にもならない事やってくれちゃってるのさ!!
(あれ売り物のサンプルなんだよ?なんて事してくれんのさ!)
あ〜いや〜だってよぉ、前に「静雄ちゃんとこの奥さんてば若いけどお料理とか大丈夫なの?今の子は口だけでちっともで…何でもレトルトとかコンビニで済ましてねぇ…うちの嫁も…」とかなんとか言われてよぉ。
いやウチのは掃除洗濯とかきっちりやるし、(たまにしかしねーけど)料理も上手いですよ。って言っちまって…。
テメェ、本当に器用だしよぉ。実際あのジャムとか美味いし。誤解されたくねぇなと思って…。
…なっ///バカじゃないのっ。俺の料理の腕なんかシズちゃんが知ってりゃ良いじゃないか。
それに料理の腕を自慢するならジャムとかじゃなくて、もっとおかず系なの持ってくべきだろ!
えっ、作ってくれんのか?
…………買い出し…手伝ってくれるんなら……。


山の入り口で繰り広げられるこの光景は(迎えに降りたところをそのまま正座させた模様)たくさんの奥様方の目にとまり、「静雄ちゃんてば奥さんの尻に敷かれてるわね〜それが安泰よね〜」と奥様方の間で広まったり、実際に臨也が作った肉じゃがを「これは全部俺が食う!」と静雄が全部食べてしまったりで臨也は赤い顔を隠すように頭を抱えるのだ。


臨也が『平和島さんとこの奥さん』と呼ばれる事が2人の中で自然になってきている件




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