与えられる快楽の羞恥に泣きながら、「やめて」「お願い」「許して」と春樹は泣いてすがった。
その度に宥めるような柔らかなキスで唇を塞がれ、快楽で埋め尽くされてしまう。
抉じ開けられていく。
体が拓いていく。
頭の中までトロトロにされて、何も考えられなくなって、梶原の存在を生々しく植え付けられる。
(おかしくなる…、このままじゃ、どんどん、おかしくなってく…)
寝ても、覚めても、夢の中も。
梶原の湿った吐息が、甘く囁いてくる低い声が、指が、肌の熱が、春樹から離れない。
ギ…、ギ…ッ、ギ…ッ、
カーテンの開けられた広い窓からは、明るい日差しが部屋の中を照らしている。
今は何時だろう、まだ昼間だ。
何曜日だろう、きっと平日だと思う。
こんな淫らなことをしていい時間じゃないのに、春樹と梶原は、裸になってベッドの中にいる。
覆い被さる男が腰を打ち付ける度に、ベッドが揺れて軋んだ。
「っん、っん…、あ…っ…あ…、っあ…、や…ッ、あ、あ、っ……〜〜…っ」
「…ああ…良いよ…、気持ちいい…。春樹…いいこだね…」
男の熱っぽい呼吸を聞いて、春樹の体は勝手にビクビクと震えてしまう。
怖い。こんな反応する自分が怖くて、気持ち良くなってしまうのが怖い。
それなのに、直腸はいやらしく蠢いてペニスに絡み付き、頭はふわふわと多幸感に染まっていく。
春樹は怯えて男の腕に縋りつき、泣きながら首を振った。
「あっ、あ…ッ、や、やぁ…っ、や、ッんン…、、…っ…あ…っ…」
「…上手だよ、春樹…。…上手に締め付けてくる……」
「んッ…! っ、ひ…、あー……」
色っぽい艶やかな声で満足げに囁かれて、春樹は思わず後孔を締め付けた。
甘い声色が侵食してくる。
頭の中に、肌に、体の奥に。
(そんな声で名前なんて呼ばないで…)
梶原に染められていくのが分かる。
肌に染み付くように男の存在が刻まれていくのを、春樹は抗うこともできずに飲み込まれていった。
「ん…、春樹…ここ、良いのか…? 擦ると締め付けてくる…」
「っあ……! や、いや…っ、、…んぅ、ん、…ンッ…!」
「悪い子だ。声を我慢したらダメだと教えたろう?」
震える身体へ覆い被さり、春樹の耳朶を舌で湿らせ、くつくつと笑いながら叱りつける。
そっと唇を指でなぞり、そのまま口の中へ差し入れられた。
歯なんて立てられない。
指先で濡れた舌をくすぐられる。
「春樹の可愛い声を聞かせてくれ…」
とろとろの蜜がしたたるその声に、春樹の背筋を小さな電流が駆け抜けていった。
甘い静電気に肌が痺れる。
感じ入るように収縮した直腸に、梶原はゆっくりと奥深くまでペニスを押し込んだ。
堪えていた筈の喉が開き、恥ずかしすぎる自分の淫らな声が出ていく。
「――あ…っ…、あっ、あっ、…ひ…ッ…、そこ、そこだめ…っ」
「は…、ああ…中で気持ち良くなれるようになったのが怖い?」
「だ、め、…っ、あ…あん…っ、あっ、あ、あ、…ッあ……!」
グリグリと掻き回され、春樹は背中を浮かせて喉を反らした。
強張るように身をよじっても、腰を掴まれて引き戻され、深々と密着する。
涙と一緒に生々しい声が高く上がった。
「っあー……、あ、あ、…っだめ、だめ…っ…きちゃう…っ…」
「このまま中だけでイケそうだな…、ほら、ここ…気持ちいいね…」
「や、あっ、…こわい…っ、それ、やだ、やだ、…ッ、あ、…」
両手でほっそりとした腰を跡が残らないように掴み、腰を優しく打ち付ける。
的確にスウィートスポットに刺激を与えられ、たまらなくなって、春樹は両手を伸ばした。
応えるように覆い被さってくれる梶原の首にすがりつく。
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