春樹は昔から、同性の男に性欲を向けられてしまう体質だった。
初めて性的に接触をされたのは、小学校に上がるか上がらないかの頃だ。
悪戯は直ぐにエスカレートしていった。
後穴を触られ、ペニスを捻り込まれて犯されたのはまだ10歳の時で、精通すらまだきていない体だった。
処女を奪ったのは当時の担任だ。
地元をうろつく変質者、痴漢、道行く大人。中学に上がれば相手は上級生も加わった。
そこに存在するだけで同性の性欲を煽り、彼らの倫理観や理性を無くさせ歪ませる。
ケダモノとなって少年に襲い掛かる。
どんな男でさえ狂わせる…――春樹はそんな子供だった。
春樹の周囲は、まさに性犯罪者の無法地帯となっていた。
そして今日も、春樹は…。
■ □ ■ □ ■ □ ■
すれ違っただけ。
たまたま目があっただけ。
それだけなのに、サラリーマンらしき背広を着た男は、春樹を寂れた公園のトイレへと連れ込んだ。
怯える少年を前に、男のスラックスの股間は見てわかるほど膨らんでいる。
「君が大人しくしていてくれたら、痛いことも酷いこともしない…。痛いのはいやだよね?」
「…い…痛いの怖いです…っ。怖いから……き…気持ちよく…して…、お願い…っ」
怯え、涙を浮かべながら、春樹は苦しみから逃れるための“台詞”を口にする。
男たちに襲われ続けてきた少年は、そうやって自ら懇願することで、過度な責め苦を避けるすべを覚えた。
濡れない体を傷付けられたくなくて、ローションやスキンを持ち歩いているせいで、ビッチと詰られたこともある。
取り出したペニスを扱く男の前で、自ら剥き出しにした尻を突き出す。
春樹は自分の指を使って必死に濡らして広げていった。
痛いのはいや。
苦しいのもいや。
気持ち良いのは……。
「…おちんちん、もう…入ると思う…。あの…ゴム…これ…」
涙をこぼしながら震えているくせに、繋がったコンドームを差し出してくるそのギャップに、男はひどく煽られた。
手早く避妊具を装着する。
春樹が尻たぶを左右に開けば、赤く熟れた粘膜がくぱりと口を開け、招くようにローションを垂らした。
春樹の腰を掴んだ男は、興奮を隠しきれない荒々しさで亀頭を押し当て…――。
「待って…っ! お願い…、や、優しくして…っ」
「うん、うん、…優しくするよ…!」
上辺だけの言葉を吐いて、男の眼が理性を無くした獣になる。
ガチガチに硬く勃起した剛直。
亀頭がねっとりと飲み込まれた瞬間、……男は思いっきり腰を突いて押し込んだ。
グヂュグヂュぬぶぶ、ぶちゅっ、
――ばちゅん!
恥ずかしい音が派手に鳴る。
懇願もむなしく乱暴に体を拓かれ、春樹は壁に擦り寄せた頭を振り乱した。
「ああぁ…ッ、ひぃ、ああー…!」
「はぁっ、はー、はーっ。…ああ…すごい…何なんだコレは…っ! ち、チンコとけそうだ…っ」
春樹の内壁は女の膣よりもずっと官能的に男を包み込んできた。
震える少年を押さえつけ、セックスを覚えたばかりの子供のように腰を振る。
頭が馬鹿になるほど気持ち良い。
こんなエッチな体をしているのだから、誘われて誑かされた自分は悪くない。
……今までの獣たちと同じように春樹のせいにして、男は快感を追っていった。
「あぁ…っ、あんっ、あ、っぁう…」
苦痛にひきつっていた声が解けていく。
ピストンに追い立てられた濡れた喘ぎ。
春樹の感じる声に気付いた男は、興奮しきった顔で更に強く打ち付けた。
声変わりをした少年のその声は時折かすれ、そしてドロリとしたたるような艶めかしいものだった。
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