信じられない。
こんなに深く奥までずっぷり入ってるのに、苦しいだけで痛みは最初の数拍だけで。気持ち悪いとかもないのだから。
熱くて、疼いて、頭が真っ白になる。
腰を持ち上げられて肉棒が出て行き、震えて悶えたら引き戻されて奥まで入れられた。
「はぁ…あっ…あっあっ、…や、あ…うそ…」
( …俺……本当に、男とセックスしてる…っ )
座席をギシギシ派手に鳴らしながら、女を突き上げるみたいに律動される。
怖いと思う暇もなく、尻の中をペニスで擦られる気持ち良さに春樹は夢中になった。
( だって、スゴイ… )
電気がびりびりするみたいに指の先まで痺れている。
辺りがザーメンの匂いで充満し、砂糖みたいな甘ったるい春樹の喘ぎ声が響く。
ここがシアターの中だと言う事も頭の中から吹っ飛んだ。
「あっあっ…あ! や、やらぁ…っ、おかし…おかしくなる…! あ…あぁんっ」
「そのままおかしくなっちゃっえば良いんだ」
「おじさん達が助けてあげるから、ね?」
男達は口々に言いながら、手を伸ばして春樹に触る。
背中を抜けるゾクゾクした痺れがそのまま頭に行き、脳を占領した快楽に指先まで感電したみたいだった。
もう何も考えられない。
「うぅ…っ、すごい締まりだ……もうイきそうだ…」
「ほら、もっと気持ち良くなりたかったら、『種付けして』ってお願いしなきゃ」
「ん、あっ、あっ、た…たねつけして…あ…あンあっ、種付けしてっ、してぇッ」
何が何だか分からないまま、春樹は男が言う通りに言葉を繰り返した。
周りから伸ばされた手でペニスを擦られて、春樹は呆気なくザーメンを飛ばした。
ズンズン突き上げてきた男は、春樹の腰を引き寄せて自分の股間に押し付けると、低く唸って直腸の奥に射精した。
濡れた生暖かいものが尻の中に溢れて、気持ち悪いのか気持ち良いのか分からない。
「あ…あぁ…ぁ…」
「どうだった、初めてのアナルセックスは?」
「まあ、こんなに乱れちゃ、聞くまでもないか」
「次はいつ来るんだね?」
呆然と脱力する春樹のドロドロの体を拭きながら、興奮冷めやらぬ様子で男達が聞いてくる。
セックスの余韻がすご過ぎて口も開けない。
次の予定なんてない。
癖になりそうなこんなやりとりは、終えた今はやっぱり怖いと思う。
ただ、もう知らなかった頃に戻れないのを、春樹は理解した。
END
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