春樹はピンク映画館で男達に触られる、という初体験をした。

アダルトサイトでよく見る体験談とは違う。
性器を扱かれたり扱き合うのはピンク映画館ではセオリーらしいが、春樹の場合、その行為を逸脱していた。
自身のペニスをしゃぶられ、乳首舐められ、舌を絡ませ合うキスをして。
強引にフェラチオをさせられた上に咥内に精液を出され、果ては後孔も弄られたのだ。

頭真っ白になるくらい気持ち良かった。

だからこそ怖い。
男に触られてこんなに興奮するなんて、と。

暫くは思い出しては発情していたが、またあのピンク映画館に行くのも気が引けて、春樹は女を引っ掛けて発散していた。
女を抱いてイケる事に春樹はホッとした。

だが時間が立てば立つほど、あの興奮が忘れられず、逆に強く焦がれるようになって…。


とうとう春樹は、あの映画館に来てしまった。



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シアター内が暗くなって直ぐ、隣りに誰かが座ってきて緊張で肩が跳ねる。
ドキドキと心臓が酷い。
盗み見るように横目で窺えば、この前の時に一番初めに声を掛けてきた男だった。


「久し振りだね」

「…ぁ…」

「全然来ないから寂しかったよ。…怖くなっちゃった?」


耳元にいやらしい声で囁かれて、体がぶわりと熱くなる。
太腿を撫でながら男は春樹に耳を噛み、びくびくする彼の反応に吐息で笑って耳の中に舌を入れた。


「っあ…ぁ…っ」

「怖いけど、またエッチな事されたくなっちゃった? 忘れられないくらい、気持ち良かったんだ?」


マゾじゃない筈なのに、意地悪な言葉にどんどん体の芯が熱くなっていく。
もう反応し始めてた股間を触られて、駆け抜けた甘い痺れに春樹の息は乱れた。
ベルトを外されて腰を浮かすように言われ、震える腰を上げれば下着ごとズボンが膝まで脱がされる。

早くも下半身を露出する事になり、羞恥心で春樹は顔が真っ赤にして涙を滲ませた。
ペニスを扱かれ始めれば、恥ずかしさとか周りだとか気にしている暇もなくなった。


「…はぁ…ぁ……っ…」


直ぐに春樹の性器は硬く勃起した。
先走りで先端が濡れ、塗り込めるように扱かれてくちゅくちゅと音が鳴る。
耳の中を舐めていた舌が頬を辿ってきたのを、春樹は口を開いて男の舌を迎え入れた。

( うわ…なんか…洋モノのAVみてえなキスだ… )

今までやってきたディープキスが何だったんだ、と言うくらい舌の攻めぎ合いに感じる。
夢中で舌を吸い合っていれば逆隣りに別の男が座り、剥き出しになった春樹の太腿や内股を撫でてきた。


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