―――やっはり温泉に24時間入れるのは良い。

まったりと気兼ねなくくつろげるのは、温泉旅館に宿泊する際の楽しみだよな、と。
掛け流しの内湯に浸かりながら男はしみじみ思う。
旅行好きでよく方々に出掛けるが、その中で出会う人々との交流も旅の醍醐味だ。



「――へぇ、この街にはゲイ向けの風俗店なんてものがあるんだ?」

「うん。普段はお店で相手するんだけど、場合によっては出張サービスもあるよ」


男が一人占めしていた深夜の風呂に入りに来た客は、情事の跡も生々しい美青年だった。
良いもの見たなぁ、と男が思ったのに気付いたのか、気まずそうだった青年はホッとした様子で話しかける。
お互いがバイセクシャルだと分かると、二人は気兼ねない様子で、昼間は大っぴらに話せない会話を弾ませた。

どうやら青年は(名前を春樹と言うらしい)、お忍びで泊まりに来ている大物政治家の接待……つまり『体でご奉仕』のために呼ばれたらしい。
どんな大物政治家かは知らないが、アナルから掻き出される残留を見る限り、結構なお盛んなようである。

縁に腕組みして顎を乗せた態勢で、男はその卑猥な光景をまじまじと見た。


「目の前に美味しそうな穴がある」

「ばか」


クスクス笑う春樹はやはり顔立ちが良いだけに色気もあり、男のペニスは湯船の中で勃起しつつあった。
もぞもぞする男の様子に春樹は洗い場を離れ、脱衣所に戻ったかと思うと手にチューブを持って帰ってきた。そのまま男に近付くと、目の前に座って足を広げる。
持ってきたジェルのチューブをひらひらと翳した。


「口直しにお兄さんのおちんちん食べさせてよ」

「美味しいと良いんだけどなぁ…」


男はジェルを受け取り、蓋を開けて指に絡める。
濡らした指をアナルに入れ、情事の名残でまだ柔らかい内壁を探り、すぐさま見つけた前立腺を引っ掻いた。
ビクン、と春樹の細い腰が跳ねる。


「あ…っ、 うそ…お兄さん見つけるの早い…」


春樹の頬が快楽に染まるのを見て、年上の腕を見せるべく目の前のペニスを口に含んだ。


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