旅行好きの姫子は、ある温泉宿の離れに泊まっていた。
この旅館は家族やカップル向けにいくつか離れがあるが、この一棟だけは女性限定で他より安くなっている。
雑誌には載らないこの限定プランを、偶然にも知ることが出来たのはラッキーだった。

――姫子はそう思いながら眠りに就いたのだが…。



深夜。

離れの周囲にあった照明が灯りを失った。
風が不気味に木々を撫でていく。
本館からは目視できない暗闇に、姫子が眠る離れは包まれた。

…ズル…ッ

部屋の襖が、壁が、畳が、ドロリと溶けるようにその姿を変えていった。
赤とも朱色ともつかぬ肉色の壁になる。
まるで生きた肉の箱の中に、何かの体内にいるようだ。
その中心に、浴衣姿の姫子は横たわって深く眠っていた。

ズル…ッ
ズルズル…

肉の壁から生えるのは蛇のような長い胴体を持つモノ達だ。
胴には大小の突起物がいくつも浮き出ている。
ブクリブクリと肉の壁から頭を出し、触手はその数を増やし続ける。

やがて触手達は姫子の体に絡み付き始めた。
腕を這い、足を這い。
己の体を柔肌に巻き付かせて群がり、緩やかに姫子の自由を奪っていった。


「ん…ぅ……はぁ…」


浴衣の裾を肌蹴ながら絡みつくヌルリとした体に、意識のないまま姫子は性感を刺激されていった。
はぁ…はぁ…と寝息が熱い吐息へと変わっていく。

ふくよかな乳房が露わにされ、その上にも触手は身を進める。
触手の頭がパックリと四辺に開く。
ブツブツとした真っ赤な内側が、ヨダレのように粘液を垂らして乳首に吸い付いた。

――ヂュッ、
チュル… チュバッ


「んぁ… あっ…あ…っ」


与えられる快感にぶるりと震える。
姫子は頬をいっそう桃色に火照らせた。
眉を悩ましく寄せて首を振り、こぼす息は熱くとろけていく。

秘部は早くも卑猥な蜜を滲ませていた。
匂いに誘われた触手が姫子のショーツを剥ぎ取った。


「あぁ…あっ… はぁ…、ぁ あっ」


ニュル ズ…ッ
ズリュ、ズリュ、

濡れた恥丘の狭間を触手が這う。
お尻の穴にも愛液を広げるように前へ後ろへと動き、幾つもの突起にクリトリスを擦られて、姫子はたまらず仰け反った。


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