運動部の声がグラウンドや体育館から聞こえてくる放課後。
授業が終わればすっかり人の出入りがなくなるのが、教材室や準備室が並ぶ北校舎3階だった。
その薄暗い廊下に姫子は居た。


「はぁ… ンッ、ん…っ」


僅かに開いた扉の隙間を見ながら、ショーツに滑り込ませた指で自身の下肢を弄る。
声を押し殺しながら姫子は指を動かした。
夢中になって覗き見る扉の向こう側では、生々しいセックスが繰り広げられている。

( …先生…せんせぇ…っ )

熱くとろけた膣に潜り込ませて掻き回す指は、ぐっちょりと愛液を纏って濡れている。
浮かぶ涙が快楽からなのか、悲しさからなのか…姫子にさえ、もう分からなかった。



* * * * * * * * * *



姫子が担任に頼まれ、教材の返却に訪れたその帰り。僅かな声を聞き止めてしまったのが全ての始まりだった。

( …? …この声… )

ぼそぼそと聞こえる声は、明らかに正常ではないトーンをしている。
それがセックスの時のものだとしばらく姫子は気付けなかった。
分かった時は驚いて冷や汗をかいたが、思春期ゆえの好奇心に勝てず、息を殺して覗いてしまった――瞬間。

頭が真っ白になった。

そこで女子生徒を相手にセックスに耽っていたのは、姫子が以前から憧れていた数学教師の吉野だったからだ。


『ん…んぁ…先生ぇ…』

『…うん? どうしたの、まだ頑張れるよね』

『や、やぁ…もう入れてくださいぃ…っ』


普段の授業と変わらない優しい声で、吉野は女生徒に話し掛ける。
けれど普通じゃない姿。
ズボンの前はくつろげられ、露わに外気へと曝された下肢を、跪く女生徒にしゃぶらせていた。

( な、に…これ… )

吉野の顔は普段と変わらないまま、優しげな表情で微笑んでいる。
対する女生徒はうっとりと潤んだ瞳で、いきり起つペニスを口に含み愛撫していた。
人当たりも良い教師の、穏やかな容貌には不釣り合いなほど、剛直したペニスはグロテスクだった。
その肉塊を女生徒は美味そうにすすり、舌を絡めて舐めしゃぶっている。

( …そんな…嘘…っ )

姫子の唇はショックで戦慄いた。
けれど目の前の異常な光景から、視線が離せない。

こんな事が露呈すれば、まず間違いなく教師生命は絶たれるのに、いっそ大胆に彼らは行為に及んでいる。
ふしだらで不潔だ。真摯で誠実だと信じていた教師の蛮行に、裏切られた思いでショックを隠しきれない。


……なのに、気付けば姫子の下肢は濡れていた。


姫子が疼く下肢に羞恥を破裂させそうな前で、行為はなお続けられた。
女生徒は机に手をつき、吉野に向かってお尻を突き出す。
細く節張った綺麗な長い指が、そのお尻をゆっくりと揉むようにスカートを捲り上げる。


『困った子だね。こんなに濡らして…お漏らしでもしたみたいじゃないか』

『あ…やぁん…っ』


女生徒のショーツは、溢れ出る愛液でシミを作っている。
そればかりか太腿へとその蜜を垂らしていた。
恥丘に張り付いて主張する狭間を、吉野は指でなぞる。
ぐしゅ、ぐしゅ、と音が聞こえてきそうなほど、ショーツは水を含んでいる。

( …っあ…触り方…やらしい… )

キュン、と姫子の子宮が甘く疼いた。


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