初対面の人とだなんて…そう思っても、姫子は逃げ出そうとはしない。
考えがそこまで及ばないほど、状況に困惑している。
車内の一人用のベッドの上で並んで座り、セックスアピールを受けている。
背中から腰まで指が這い降り、くびれを撫でられた。

(…このままだと、流されて…エッチ…しちゃうんじゃ…)

俯いて震える姫子の髪をすくように耳へかけ、耳朶を弄くられる。


「こんなに可愛いのに……でもよかった、なら、浮気にならないね」

「っ! あ…あの、わたし…そんなつもりじゃ……っ」


立ち上がりかけた姫子へと体を寄せ、男は顔を覗き込んできた。
欲を宿した熱っぽい目に、体が硬直してしまう。
すかさず間を詰められ、姫子の唇は男によって塞がれた。


「っん……、ん、……ん…」


肩を抱かれて唇を触れあわせ、舌が差し入れられて唾液が混ざる。
気付けば仰向くように首を反らしていた。
膝を、内腿を撫でられ、Tシャツの裾から潜り込んできた指が下着を押し上げてくる。
素肌に触れる大きな掌、指の圧力。
姫子はこの期に及んでも躊躇い、けれど抵抗もしなかった。

(こんなのダメなの…知らない人となんて……、でも…)

……気持ちいい…。

ふわふわとした頭でされるがまま男の手に遊ばれ、姫子はベッドへ横たわっていた。
キスに溺れた息を整えている間に、両足からズボンとショーツを引き抜かれてしまう。
開かれた狭間に顔を埋められた。


「…っあ…! 、、…あ…あん…、そんな…だめ…」


困惑と快感とが混ざりあった声は男に受け止められることはなく、愛液があふれでてくる。
節のある長い指が膣内を動き回り、愛液が白く粘るほど攻め立てられた。
皺のよった布団にシミが出来る。
男はベッド下の収納庫を開けると、そこからローションとコンドームの箱を取り出した。

このキャンピングカーは、一人でキャンプする目的と、女を連れ込んで遊ぶ目的があって手にしたものだ。
年若い姫子が現れた時から、男は逃がすつもりはなかった。


「姫子ちゃん、どうかな、…気持ちいい…?」

「ん…あ……だめ…、こんなの…ダメなのに…」

「大人の男と女が二人揃えば、初対面でもセックスするなんて良くある事だよ。誰でもしている大人の遊びさ…」


ワンナイト、セックスフレンド、援交やパ活。
恋愛感情のない体の関係を持つだなんて、噂でしか聞いたことがない。
都会では罷り通った行為なのだろうか。


「遊び方を教えてあげるよ……。二人でもっと気持ち良くなろうね」


男はズボンの前を緩めて、すっかり硬く育った男性器を取り出した。
性感に揺蕩っていた姫子はビクリと震えた。
経験したことのないサイズの上、知らない形と色をしていて怯んでしまう。
勃起した男根にスキンを被せ、姫子の両足を広げて抱え持った。


「っあ……、ま…まって……」

「大丈夫…怖くないよ…。濡れてるからちゃんと入るからね…」


ローションと指でたっぷりと濡らした恥部に、男は亀頭を押しあてた。
ぬるりと擦れ合う。
卑猥な音を立てて亀頭が潜り込む。
ひく…っと震える姫子の太腿から細い腰を掴み直し、男は体重をかけてのし掛かった。
――腰が突き出される。


「っ、あ…、ああ…ッ!」


硬い肉塊が襞を拡げ、掻き分ける。
濡らされた膣内を進んでいき、子宮を潰すように押し上げ、根元までぎっちりと埋め込んでしまった。
全身に静電気が巡るような官能的な刺激に、姫子は仰け反って唇を震わせる。


「…あー……ヤバイ…とろとろなのに、めちゃくちゃ締まる…」

「ああ…ん…ぁ…っあ…」

「姫子ちゃんの中、熱くて、狭くて、気持ちいいよ…」


姫子の腰のくびれを両手で掴み、男はじっくりと腰を揺すった。
亀頭の仮首まで引き抜き、陰毛が触れる根元まで捻り込む。
男慣れしていない膣をピストンで執拗に嬲り、ペニスの形に拡げて馴染ませるのがたまらない。


[≪ 前のページ次のページ ≫]

≪back

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -