もたつきながら片手で男のベルトとボタンを外し、下着の中へ指を忍ばせる。
汗で湿った陰毛、勃起した皮膚の感触、掌に包んだ脈打つペニスを外気へさらした。

(…私…すごいことしてる…)

男の掌が姫子の太腿を這い、スカートの中へ潜り込み、同じように下着の中へ入ってきた。
姫子の足が誘うように左右へ開き、男の指を迎え入れる。
恥部はビショビショに濡れていて、こんなに濡れるなんて初めてだった。
指を差し入れられただけで感じる。
指の腹が優しく撫でるように擦ってくるのが堪らなくて、もどかしくて、掌に押し付けるように腰が揺れた。


「はぁ…、は、ァ、…んん…っ」


粘り気のある水音がやけに大きく聞こえて、正気に戻りかけては、興奮に飲み込まれてしまう。
姫子の両足は大きく開かれて、背もたれに体を押し付け、腰をくねらせる。
呼吸が早く、短くなる。
駄目だった。
堪えようのない淫らな刺激に、あっという間にオーガズムに達してしまう。


「……チンコしゃぶって」


感じたことのないオーガズムの余韻に浸っていた姫子の耳に、興奮した男の熱い吐息が吹き掛けられ、舌を捩じ込んで囁かれる。
…姫子はこの非日常のいやらしい空気にすっかりあてられ、男の言われるまま座席から身を起こす。
ペタリと座り込んだのは男の両足の間。
顔を寄せればムワリと匂った雄らしい臭気に、頭が痺れて、唾液が溢れてくる。

…ちゅ…、チュパ…ッ、

咥えては唇で扱きながら吸い、音をたてて愛撫を繰り返した。
陰毛や根元に舌を這わせ、裏スジを舐め上げ、カリを舌先で舐め回して亀頭に吸い付き、口内に咥える。
摩擦で唾液が白くなるまで前後に頭を振った。
まさか自分がこんな、AVみたいなフェラチオが出来る人間だったなんて。


「んぅ…、ちゅぱ、んっ、…んっ!」


口内でペニスが膨らみ、そのまま大量の精液が吐き出された。
びゅるる、びゅる、と射精されたものを飲み込んでいく。
姫子は丁寧に舌を這わせて青臭いそれをすすった。


* * * * *


気持ちが盛り上がってしまった2人は、ナイト上映のチケットを買って別のシアターに入った。
隅へ2人して隠れるように座り、暗くなるのと同時に貪るように舌を絡めてキスをする。

(もうだめ、欲しい、中に欲しい…っ)

再び下半身を晒した男の隣で、急くように下着を脱ぎ捨てる。
ガチガチに勃起したペニスがわずかな光に照らされたのを見て、たまらず姫子は男の膝に乗り上げた。
クリトリスが剛直と擦れる。
姫子が腰をくねらせて濡れそぼった恥部のぬかるみへ誘い、男は姫子の腰のくびれを掴んで導いた。

……ぬちゅ…


「…――ぁ……っ」


いやらしい下の唇が男をはむ。
張り出たエラを頬張り、吸い付き、奥へ奥へと飲み込んでいく。
硬く弾力のある肉質的な男の欲望が、ひくついて蠢く腟内を擦っていく。

(……ああ…すごい…、気持ちいい、こんなのはじめて…っ)

男の肩に手を置いて、姫子はゆっくり体を弾ませた。
今まで感じたことのない強い興奮と性感に襲われ、肉欲が求めるまま溺れる。
狭いシートの上ではピストンのような大胆な動きは出来ない。
なやましい不規則なストローク。
なのに襲ってくる快感は強烈だった。


「っは、…、ふ、……っはぁ、ァ、……んっ、んん……」


乱れた湿った呼吸。
絡まりあうスローセックス。
ふやけてしまいそうだ。

(――イク…!)

姫子は背中をしならせるように上向き、喉をそらして絶頂を迎えた。
締め付けてくる腟内を存分に味わい、男は数度、亀頭を強く子宮口に押し付けた。
姫子の腰を持ち上げてペニスを抜き、尻たぶの狭間に擦り付けて射精する。


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