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――…ピピピピッ
あと少しでイきそう…というタイミングで、プレイ時間終了のアラームが鳴った。
射精した余韻に腰を揺すっていた客が、ずろり、とペニスを引き抜く。
姫子は溜め息を飲んだ。
タイルの上に口も縛らず捨てられた、粘液まみれの使用済みコンドーム。
２つの穴から垂れるローション。
男と女の混じったいやらしい匂い。
着たままの「婦人警官服」は、かけられた精液の汚れでシミを作っている。
衣服の下で汗がじっとりと肌を覆う。
「もう終わりなんて残念ですね…。シャワーを浴びにいきましょう？ お手伝いしますよ」
イメージ・プレイを楽しんだ客は、備え付けのシャワールームで体を洗って服を着替える事になっている。
汚れた衣装のままキャストもそれを手伝い、戯れとしてサービスでお掃除フェラをする時もあった。
お店に内緒で「お小遣い」をくれるお客さまもいるので、姫子もサービスで色々とする事が多い。
今日のアナルプレイは久し振りだったせいもあり、快感を上手く拾えなかった。
そうそうバレるような演技はしない。
繋がった回数こそ多いが、不完全燃焼のままだ。
次のお客さまに期待しよう。
姫子はサービスはせずに、男の体を洗って終えることにした。
「今日はありがとうございました。すっごく気持ちよくて楽しかったです！ 次も指名してくれると嬉しいな。 ふふ、また来てくださいね」
満足げな顔をして帰る客を見送り、姫子は無事に一仕事終えたと、ほっと息をつく。
イメージプレイは興がノってくると、そのシチュエーションに感情移入して、役割(女)の心境に陥る。
その時の緊張感がたまらない。
セックス好きの体は興奮して、濡れて、喜んでしまうから、うっかりするとプレイ中にシナリオを変えることもある。
姫子は気持ちいいことに弱いので、わりと素で雌堕ちになりやすい。
お客さまに怒られたことはないので、よっぽど細かく設定を伝えられた時以外は、神経質にならないでありのままでいる。
体が興奮の余韻で火照っている。
セックスに心が満たされる。
（リスクはあるけど、これだからこの仕事ってやめられないんだよね）
性癖なんて人それぞれだ。
今度はどんなプレイが出来るだろう？
姫子はシャワーを浴びるため、上機嫌でバックルームへと戻っていった。
end
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第５話「婦人警官服」
（2022/8/18）
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