姫子は上流家庭に生まれた一人娘で、蝶よ花よと愛され大事にされてきた。
日本に留まらず世界中を飛び回る忙しい両親の代わりに、身の回りの世話は侍女や老執事が行っている。

姫子の身支度の手伝いや、掃除を主として彼女に仕える年嵩の侍女。
家主の不在をサポートするよう勤め、また、姫子の教育係でもある老執事。
15歳の姫子にとって、幼い頃からずっと一緒にいる2人は、祖母や祖父のような存在だった。
随分と懐いており、慕っていた。
それが周りからみた姫子の取り巻く環境であり、装われた暮らしだった。

――少女は恋をしている。
祖父のように年の離れた老執事に、胸が張り裂けそうなほどの恋を捧げていた。

――老執事は狂おしい愛を抱いていた。
孫ほど年の離れた主人の一人娘を、肉欲を抱き、狂おしいほど愛している。

惹かれ合う想いを止めることも、捨てることも出来なかった。
幼さゆえに慕情を耐えきれなかった姫子と、老いらくの愛を流してしまえなかった執事の男。
紆余曲折を経て2人は、一生涯の秘密を分け合う事を選んだ。
墓の下に持って行く過ちを。


* * * * * * *


「そうだわ! ねえ宗一郎、先日、あなたお父様の元へ行ったでしょう? その時のお話が聞きたいの。この後のティータイムにつきあってちょうだい」

「ふふ、旦那様と同じことをおっしゃられて…ええ、勿論です。用意をして参りますのでお部屋でお待ちください」


甘やかされた少しわがままなお嬢様と、彼女が生まれたときから見守ってきた老執事の、穏やかで微笑ましくさえあるごく自然な会話。
まるで孫と祖父のような親しげな様子は、この屋敷では見慣れたものだった。
誰も不信を抱かない。
同じく姫子に長く務める侍女も、それが“逢瀬”の前振りだとは気付いていない。

ワゴンを押してきた老執事は姫子の自室をノックする。
促されて挨拶とともに入室し、部屋の扉が閉められ…音もなく静かに鍵が回された。


「…宗一郎…、早く…」

「ええ…すぐに…」


密やかな声で囁き合う。
2人の秘密の逢瀬は、人の目が多いこの屋敷では場所も時間も限られていた。
愛し合うための前戯はない。
それを寂しいと思うことはないし、悲しいとも思わない。
そんな事を思うよりも、彼の熱を感じられる時間の方が、姫子にとってずっと大事だからだ。

(…宗一郎…、好き、好きよ…)

たっぷりと生地を使ったスカートを自ら捲りあげ、下着を下ろし、テーブルに手をついて尻を突き出す。
その白く滑らかな尻の狭間、後孔に埋め込まれた黒い異物。
老執事がそのアナルプラグの突起を引き抜けば、中に仕込んだローションが溶けて落ちてくる。


「っあ…、宗一郎…お願い…キて…」


愛しい女が自分を求めている。
老執事は年甲斐もなく腫れ上がったペニスを取り出し、胸元に忍ばせていたスキンを装着した。
姫子と肉体関係を持つようになるまで、数十年、使用する機会のなかったものだ。
尻たぶを左右に割り開いて後孔をさらせば、柔らかく収縮する粘膜がねっとりと糸をひいた。

つぷ…グチュ… ぬちゅぬちゅ…


「んん……ふぅ…ッ、はぁ…ーっ」

(あぁ…入ってきてる…宗一郎と奥まで繋がってる…)


ぴったりと肌が触れ合ったその瞬間、2人の胸を襲うのは強い多幸感だった。
涙が込み上げてくるような幸せ。

いずれ姫子には、親の決めた婚約者があてがわれるだろう。
来年には高等部へと上がるから、きっと、もう直ぐだ。
ここ近年は両親が戻ってきたとき、社交界へ連れられる事が多くなった。
由緒ある家柄の者が婿として長谷川家に入り、姫子との間に後継となる子供を作るだろう。


「ああ…お嬢さま…」

「っん…ぅ、…あ…あぁ…」


はしたなく濡れそぼっている恥部は手付かずの無垢のまま、処女の姫子は後孔で男の味を知ってしまった。
愛する男とのセックスの喜び。


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