姫子は夏休みの数日間、祖父母の家へ預けられる。
小学生に上がった頃から続く習慣で、高校生になった今でもそれは変わらない。


田舎とはいえ不用心にもほどがあるが、姫子の祖父母の家は、鍵をかける事の方が稀だった。
夏場はとくにそうだ。
日本家屋の造りのせいでクーラーはあってないようなもので、専ら活躍しているのは扇風機だった。
縁側も戸口も開け放ち、山から下りてくる涼しい風を部屋に流し入れる。
セキュリティーもプライバシーもない。

(…田舎にだって犯罪者はいるのに)

――祖父母も、両親も、誰も知らない夏休みの“ひみつ”が、姫子にはあった。


* * * * *


姫子が14歳になった年の夏、深夜のことだった。
祖父母は深い眠りについていた。
そんな静かな夜に、屋内へと不法侵入し、姫子が眠る蚊帳の中へと忍び込んできた男がいた。

…耳の遠い祖父母がその夜の異変に気付いて、起きてくることはなかった。

人知れず散らされた少女の純潔。
姫子はその夜のことを誰にも言えず、泣き寝入りをしてしまっている。
悪い夢を見たのだと言い聞かせて、忘れようとして日々を過ごして一年。
怖くて嫌で仕方がないのに、夏休みには例年通りに祖父母の家へ預けられる。
怯えながらそれでも眠りについたその夜。

――“悪い夢”は再び姫子を襲った。

この年から預けられている間、毎夜、男は姫子の部屋へと忍び込んでくるようになった。
犯されて、犯されて、犯されて…。
何も知らなかった子供に“男”を振りかざして、無理矢理“女”にさせた。
…レイプされる恐怖を刻まれたのに、“男”の味を教え込まれ、“女の体”にされてしまった。

一年間の中でたった数日の出来事。
それなのに姫子に深く刻まれて、悪い夢では終わらせてくれないでいる。
高校3年生となった今年の夏も、姫子の元へ男は忍んできていた。


* * * * *


誰もが寝静まった深夜。
雨戸を開け放った縁側から、男が慣れた様子で侵入してきた。
古い家屋の床を踏む小さな音。
あとは梟や虫の鳴き声がするだけの、田舎の静かな暗闇。

ギシ…

吊された蚊帳を開けて男が足を踏み入れる。
布団の上に横たわる姫子に寄り添うように寝そべり、寝間着代わりのロングTシャツの裾から手を差し入れた。
吸いつくような柔肌に掌を押しつけ、そのまま腹を撫でながら捲り上げていく。
辿りついた柔らかい膨らみに指を沈め、指先で乳首を弄ぶ。

フー…ッ、フー…ッ

男の興奮した荒い呼吸。
つられるように姫子の吐息も早くなっていった。


「…姫子ちゃん、明日もう帰っちゃうんだっけ…」

「っ…うん…」

「そっかぁ…寂しくなるなぁ…」


捲り上げたシャツはそのまま頭を通って脱がされ、布団の端に投げ捨てられる。
姫子の乳房にしゃぶりついて舐め回しながら、男の手は下半身へと伸ばされた。
指はショーツの下へと潜り込んでいき、既に濡れてしまっている恥部へ、グッ、と分け入ってしまう。
この5日間、繰り返し嬲られた場所はとろとろで
熱い粘膜が絡み付いてくる。

(…はやく、ヤって、こんなの終わらせて…この家から出てってよ…っ)

姫子の拒絶したい心とは裏腹に、すっかりはしたない性器へと躾られた恥部は、男の指に絡み付いてしまう。
愛液で湿ったショーツを脱がされる。
両足を広げられ、男の顔がその狭間へと沈み、少女の恥部を舐め回して啜った。


[次のページ≫]

≪back

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -