誰が見てもわかるほど勃起した股間を、パーカーで隠しながら男はプールサイドへと上がる。
未だ肌を震わせている姫子を見下ろして、楽しげに――笑った。


* * * * *


「ここ、即ハメの穴場何だぜ」


急かすように連れてこられたのは、プールの敷地内にある一角だった。
賑やかなプールサイドから離れ、ビーチベッドやパラソルの群れを抜けると、南国特有の大きな葉が茂る観葉植物が並んでいる場所がある。
景観をよくするための言わばセットだ。
こんなところにわざわざ足を運ぶ人はいないだろう。
…“普通”ならば。

(ナイトプールでの“お持ち帰り”って、ホテルの部屋だけじゃないんだ…)

よく見ると大きな鉢の中や石床には、使用済みのコンドームやスキンの箱が捨てられている。
乾いているものもあれば、まだ新しいものもあり、その生々しさがひどく姫子の情欲を揺さぶった。


「誰が来ても直ぐヤレるように、こういうのとか持ち寄って置いとくんだよ」

「ホテルの人って気付かないの?」

「暗黙の了解ってやつ。どんな目的にしろ人が集まれば金も集まる、ラブホとして部屋をとって貰えれば金になる」


雰囲気に飲まれて野外セックスに耽る男女は多いらしい。
そんな節操のない者たちによって、好き勝手ヤりたい放題になっている。
落ちているスキンの箱はサイズがバラバラで、薄さだとか、味付きだとか、確かに多種多様だった。
ディルドが捨てられているのにはぎょっとしたが、男は手慣れた様子で姫子を物陰へと引き寄せる。

戸惑う姫子を大柄な体で囲い込み、男は手早く“準備”を進めた。
落ちていた箱から未使用のスキンを拾い、水着をずり下ろしてペニスを取り出した。
ローションまみれの中身を指に摘まみ、勃起したペニスに被せていく。
あっと言う間にセックスの準備が整ってしまった。

(本当にここで…?)

野外でなんて初めてだ。
しかも少し離れた場所には大勢の人がいる。
躊躇う姫子の手を岩肌につかせ、ビキニをずらし、割れ目に亀頭をあてがった。


「っあ…待って…」

「うん? なに、姫子ちゃん。聞こえないなぁ〜」

「待って…待ってったら…、――あ…っ! あ…あ…、…っん…」


ぬかるみを掻き分けて先端が潜り込んでいく。
内壁が押し広げられていく。
ぞわぞわと肌があわ立つ焦れったい疼きに、姫子の思考は直ぐにあやふやになっていった。
震える姫子の腰を掴むと、男はそのまま勢いよく挿入してしまった。

―――ズチュゥ…ッ!!


「っあぁ…っ!」


たまらず上がってしまった声に姫子は慌てて片手で口を覆った。
頭のてっぺんまで走り抜けていった電流のような痺れ。
様々な衝撃に震えている姫子などお構いなしに、男はズンッ、ズンッ、と固いペニスで突いてくる。

(ああ…ああ…っ、すごい…こんなところで私…セックスしてる……)

こんなの変になっちゃうに決まってる。
姫子の膣はトロトロに濡れて、男の肉塊に絡みついていった。


「はぁっ、はぁぁ、姫子ちゃんのマンコ気持ち良すぎてヤバい…腰とまんねぇ…っ」

「んっ、んっ、ぁ…はぁ…、私も、良いよぉ… おちんちん固くておっきくて……これ、好き…っ またイっちゃう…っ」


遊び慣れた“男”の腰遣いだ。
女をダメにするセックスだった。


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