「わざわざ来てくれてゴメンね…」

「良いの良いの、それより、ゆっくり休んで早く治してね」


熱を出して学校を休んだ親友の見舞いに訪れていた姫子は、ベッドに眠る彼女に手を振って部屋から出た。
インフルエンザではなかったらしいが、熱が下がらないらしく辛そうなのが心配だ。

階段を降りている途中で玄関が開く音が聞こえ、家族の誰かが帰ってきた事を知った。
母親は昨日から泊まりがけの仕事でいないといっていた。
中学生の弟は部活でまだ帰宅しない。

( ――もしかして… )

階段を降りきったさき、玄関で鉢合わせた相手に思わず顔が明るくなる。
相手も姫子がいるとは思っても見なかったのか、驚いたものの直ぐに嬉しそうに笑って両手を広げた。
その腕の中に姫子は飛び込む。
まるで恋人同士のように、2人はそのまま唇を合わせた。

――親友の実父と。


「ん…っ、はぁ…おかえりなさぁい…。ふふ…こうやって会うの久しぶりだね…」

「出先から直帰だったんだが、偶然とは言え会えて嬉しいよ。…あの子のお見舞いにきてくれたのかい?」

「うん…、お母さん出張ってきいて……もしかして会えるかなって期待してた…」

「イケナイ子だ…」


唇を何度も擦り合わせ、舌先を差し出して押し当てあい、ひそひそと囁きあう。
じゃれ合うような触れ合いはまさしく恋人同士のそれで、お互いの体を意味ありげに撫でながら、唾液と舌を絡ませてキスをする。

事実、2人は肉体関係があった。

男は子どもたちと妻を裏切り、娘の親友と寝ている。
姫子は親友を裏切り、彼女の父親と何度も寝ていた。
親友や彼女の母親にたいして後ろめたい気持ちはあるが、この火遊びのような関係を姫子と男は楽しんでいた。


「…っはぁ…、久しぶりに姫子ちゃんの身体に触れたからかな……勃起しちゃった…」

「っあ…すごい…硬い…コチコチだ…」

「姫子ちゃん、ねえ、エッチしようよ…」

「え…うそ…、ここで? いま? …上にはあの子いるのに…?」


そう言いながらも、姫子は男のまさぐってくる手を拒まなかった。
押し付けてくるペニスに煽られ、下着の中がトロトロに潤っていく。
男の指がクニュクニュと湿った狭間を下着越しに擦り、姫子はたまらず興奮した熱い吐息を零した。

は…はぁ…はぁっ…

チュ、ぢゅる…ちゅぷ…

舌を絡め合って唾液を飲みあう。
お互いの性感を知り尽くしたキスをしながら性急に触れ合う。
姫子の恥部は男の指を飲み込んで濡れた膣内を広げられ、男は女の手でベルトとスラックスをくつろげられる。


「…おちんちんすごい硬いね…、…あ…っ、もうだめ…無理、ねえ、オマンコにちょうだい…これでいっぱいグチュグチュして…?」

「姫子ちゃんのエッチなオマンコ、ここで犯していいんだ…?」

「うん…うん…、オマンコ犯して…、内緒のセックス、ここでシよ…?」


小さな声で囁きあういやらしい睦言。
姫子は自分で濡れた下着を下ろすと、壁に手を突いて尻を突き出した。


−−−−−−−−−−−−−−−−−


パチュッ、パチュッ、パチュッ
ずちゅっ ずちゅっ ずちゅっ

荒い呼吸音に混ざる、押し殺した呻き声。
湿った熱い息が肌をかすめる。
静かな玄関に広がるぬかるんだ音。
耳元に囁かれる名前が絡みついてきて、この不謹慎なセックスの興奮を煽った。


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