深夜、一人暮らしをする姫子のもとへ、忍び込んでくる男がいる。


* * * * * * * *


姫子は一人暮らしをする女として、もちろん、防犯には気をつけていた。
鍵もチェーンもかけている。
それなのに、どう開けたのかは分からないが、その男は姫子の部屋へと入ってくるのだ。

眠る姫子の背後から布団に潜り込み、ショーツとパジャマのズボンを下げ、熱く勃った性器を太腿に挟ませて腰を振る。
幸にも挿入される事はなかったが、コンドームをつけていないため、男がイクたびに内腿をべっとりと汚された。
終われば精液を拭い、服を戻し、何事もなかったかのように帰って行く。

初めてされた時は混乱と恐怖でずっと眠ったフリをしていた。
鍵を無くしたと嘘を付き、管理人に扉の鍵を替えてもらったが、それでも男の侵入は防げなかった。
男の訪れに怯え、引っ越しや友人宅へ避難することも考えた。だが…――。
何夜も繰り返されるうちに……姫子はこの特殊な行為にハマってしまったのだ。

寝ている体でオナニーされている。それも、見知らぬ、赤の他人に。
あまりの非現実的でいやらしい背徳感に、姫子はひどく興奮した。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


そして今夜もまた、男は扉を開ける。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


遠くから鍵の開く音が聞こえ、眠っていた意識が浮上する。
靴を脱ぐ音、廊下を歩く音。扉がカチャリと開けられ…男がやってきた。

布団をめくり、ひんやりとした空気と一緒に、ギシ、とベッドに乗り上げてくる。
背後に感じる雄の気配にドキドキと胸を高鳴らせ、衣服をずらされる間も、姫子は努めて静かに呼吸を繰り返した。
お尻に擦り付けられる熱い塊。
先端は既にぬるついている。
閉じた内腿に潜り込んできた肉棒はガチガチに硬くなっていて、姫子は上がりそうな吐息を飲んで、暗闇のナカでそっと唇を舐めた。


「はぁ…はぁ…」


背後から男の興奮した呼吸が聞こえ、大きなペニスを姫子の汗ばんだ狭間でシゴく。
長くて、太くて、硬い。
素股でオナニーをされるうちに覚えた、この男の形と質感と熱に、姫子の身体は虜になっていた。
焦げ付くような興奮を堪えきれず、大事な場所から愛液があふれてくる。
にゅち…にゅち…と柔らかな狭間に太い竿を擦り付けられる。

(…おなか、疼いちゃってる…)

汗ばんだ姫子のうなじに鼻先を擦り付け、匂いをかがれる。
そうしながら、シゴく位置を上にずらして、クリトリスに亀頭を押しつけてきた。
潤った割れ目にぴったりと竿をあて、纏わりついてくる愛液で滑らせて動きを早める。


「…――っう…、は…ぁ…ッ」


ビシャッ、と肌にかかる熱い飛沫。

姫子の首筋に荒い息を吐き、ビュル、ビュル、と出しながら腰をゆする。
クリトリスや割れ目に執拗に押し当て、精液を塗り付けてくる。
ぬちゃ…ぬちゃ…、と濡れた内腿に擦り付けてくるペニスは未だ堅いままだ。一度や二度、射精しても衰えることがないことを、姫子はもう知っている。
男は濡れた太腿で肉棒を滑らせ、再びオナニーを始めてしまった。

(イったばかりなのに……硬くて、大きいままなんて…すごい…)

こんなに性欲の強い男は初めてだった。
素股でも分かるほど凶悪な形のペニスも、硬さも、姫子は初めて知る。

もし入れられちゃったら…。

あってはならない不埒な考えは、姫子にとって幸か不幸か、――妄想では終わらなかった。


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