続けざまに力強いピストンを与えられ、姫子は涙を流して首を振った。
自分がイったのかどうかも分からないくらい、身体中が熱く痺れてとけている。


「…っ、ん、上手に締め付けてくる…」

「んぁ…あー…、んっ、ん…っあ、ひ、ぁ、あっ、あー、あ、あー…っ」

「ふふ…、声、我慢できないんだ…? 先生とキスしようか…」


姫子の唇を食べるようにキスをする。
唾液とともに舌を絡め、チュウチュウと吸い、ねっとりと擦りあわせる。
その間も、吉野は腰を打ち付けた。
粘着いた音がぢゅぽぢゅぽと鳴る。
鼻から抜けるような声を漏らしながら、姫子は吉野とのキスに夢中になった。


「っは、ああ、良い…、イキそうだ…」

「ふぁ…ぁ…っ、ひ、ん、ん、せ…んせ…ぇ…」

「姫子って呼んでも良い? お前の名前を呼びながらイきたいな…」


耳元で囁かれる優しい声が、ゾクゾクと背中を這って全身に快感をもたらした。
吉野に与えられるもの、その何もかもが気持ち良い。


「呼んで下さい…、…あっ、あっ、私の名前、呼んで、イって…せんせぇ…」


嬉しそうに姫子が笑う。
小さくあげられる喘ぎ声の合間に、「好き…先生、好き…っ」と口ずさんでいるのを、姫子は気付いていない。
穿ちながら、吉野が笑う。
息をつく間もない激しいピストンの嵐に、姫子の膣内は何度もペニスを締め付けた。


「はっ はぁ…っ、…ああ…姫子、イくよ…イク…っ 出すよ…!」

「せんせ…っ、キて、出して…ッ! 私でイって…っ! あ、あっ、先生ぇ…ッ」

「良い子だ…っ、ん…、姫子、っ、あ…あぁ…、姫子…ッ」


姫子と股間の骨がぶつかるほど深く挿入する。
熱に浮かされ掠れた色っぽい声で、吉野が艶やかに呻いた。
ペニスがビクビクと跳ねる。
二度、三度、擦り付けるように引いた腰を押し込み、姫子の肌と密着させた吉野はぶるりと震えた。


「…ふぅーー……」


満足げな溜め息。
力を抜いた吉野が姫子に覆い被さり、余韻を楽しむように剥き出しの肩を撫で、汗ばんだ胸に唇を落として甘噛みする。
しっかりと味わってから、吉野はそっとペニスを引き抜いた。
吉野は「上手にできたね、素敵だったよ」と姫子の頭を撫でて誉めた。


「姫子、セックスのこと、もっと教えてあげようか。…他の子たちにはしないことも、姫子にだけはたくさん教えてあげるよ…」

「吉野先生…」


甘い声が耳朶をくすぐる。
体の芯をトロトロと溶かすその囁きにうっとりと聞き惚れながら、姫子は体に落とされるキスに酔いしれた。

( …好き…吉野先生が好き… )

不毛な恋だと分かっている。
弄ばれていると考え付くのに、姫子の心はもう後戻り出来ないほど、大きく歪に育ってしまった。
彼が呼べばきっと次も、自分はここへ訪れて体を明け渡すのだろう。


「姫子、僕の可愛い姫子…」


この言葉が聞けるのなら、吉野の目が、手が、体がこの身に向けられるのなら。
どれだけ愚かな女になったって良い…。

姫子の心はもう、この男に堕ちてしまったのだから。


END

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