MEMO
 小ネタや雑談など。

シャーマンキング/シルバ

あ、と思った。街には色んな人がいるけれど、この人を見たのは初めてだったからだ。
(外人さんが路傍商売してる……)
黒髪のその人がなぜ外人とわかったかといえば、高い鼻梁にすっとした鼻筋、180をゆうに超える身長と、しっかりした身体。統合的にみて、日本人ではないと判断できたからだ。
(でも……)
その人が売っている伝統細工のアクセサリーには興味をひかれるのだけれど、顔を伏せたその人の雰囲気が何となく怖くて近寄れない。そもそも、学校帰りであまりお金を持っていない。
明日の帰りにお金を持ってまた来よう、と思ってその人の傍を通り過ぎようとした時、「ちょっと」と声がした。
「……?」
振り返るが、誰もいない。知り合いがいるわけでもないし、私ではない誰かを呼んでいるのだろう。
「ちょっと、お嬢さん」
「……もしかして、私?」
誰に呼ばれているのかわからないけれど、とりあえずそう口にしてみる。すると先の外人さんが顔をあげてこちらを見ていた。ばっちり私を見ている……と、思う。
「よかったら見ていかないかい?」
顔を上げたその人は少しだけ笑みを浮かべていて、一瞬前までの恐ろしさはなくなっていた。その唇から紡がれる流暢な日本語に驚きつつ、苦笑いを浮かべる。
「でも、お金あんまりないんです……」
「まあ、見るだけでも」
「……少しだけ、なら」
厄介な人に掴まったなあという気持ちもあったけれど、それ以上にちょっとかっこいいなと思ってしまったのが運の尽き、だったのだろう。
…………かれこれ二十分は細工を薦められている。お金はあまりない、と伝えたはずなのに、この人はなんと粘り強いことか。いい加減疲れて、隣に座って通行人を眺めながら世間話の如く同じやりとりを繰り返している。
「だからお金ないんです。欲しいけど」
「このキーホルダーなら安いぞ」
「いやだから、」
話すのは楽しいからこうして座っているのだけど、堂々巡りにもいささか飽きてきた。名前も知らない相手と、私は何をしているのだろう。
「あれ、シルバじゃねえか」
「ん?やあ、葉君」
会話を始めて約三十分、私以外にやっと人影が落ちた。外人さんが先に顔を上げ、笑顔でその人物に挨拶をした。そしてその葉君、という響きに覚えがあって、私も顔を上げた。
「麻倉君」
「オイラのこと知っとるんか?」
「…クラスメイトだよ?」
いつもは小山田君と一緒にいる麻倉君が、ひとりでにへっと笑っていた。よくわからないが、外人さんと知り合いらしい。気怠げに見えて、案外国際派のようだ。
「いやー、スマン。ところでシルバと何やってんだ?」
シルバさん、と言うらしい。名前を知ったところで、この手の商売人はひとつところに長く留まらないであろうことを知っている。今日か、あるいは明日までの付き合いだ。
「ちょうどいいや。麻倉君、途中まで一緒に帰ろうよ」
「え?オイラは別に構わんけど…」
「買わないのかい?」
「……明日また買いにきます」
シルバさんの視線を振り切って、麻倉君の背中を押しながらその場を離れる。角を曲がるときに振り返ると、こちらを見てにこやかに手を振っているシルバさんがいた。


一挙放送見たら、グリリバなシルバが気になりすぎて最終的に書きたくなった。
完全版読みたい。

2013/05/22


テイルズオブファンタジア/チェスター・バークライト

チェスター詰め合わせ

@料理人
「ちょ、チェスターこっからどうすんの?」
「なんでわかんねぇんだよ、お前女だろ」
「男女差別反対!せめて意欲的に作ってんだから誉めいたっ」
「ったくバカ。貸せ。いいか、これはな――」
結局教えつつ全部自分でやっちゃうチェスター

A分担制
「チェスター、手離せないから洗濯物お願い」
「おう」
〜数分後〜
「悪い、どうすんだっけ。イマイチわかんねぇ」
「ちょ、いま話しかけないで火使ってるんだかああヤバい!」
「っバカどけ代われ!お前火使うな危ねーから!ったく怪我でもしたらどうすんだ……」
「うっわチェスター石けんそのまま入れたでしょありえない!」
「わかんねーっつったろ!あと話しかけんな!」
「ありえない…最初からやり直しだわ…」
「ありえねぇ、ほぼ黒こげじゃねえか…」
「「もうやらないで(やんな)」」

B言えない
「ちょ!」
「あ?」
「チェスターなんで髪おろしてんの!?」
「…風呂あがりだからだよ。悪いか?」
「や、ちがくて…むしろいいんだけど…」
「?なんだよ」
「い、いやなんでもない!風邪ひくから早くかわかしなよ!」
「わっ、バカ!頭かきまわすな!」
「うるさい!」
なんかエロいからとか言えるわけがない

(Twitterログ+加筆修正)


2013/03/29


烈火の炎/水鏡凍季也

「みーちゃんも卒業かー。はえーなぁ」
卒業式を終えて早々に帰ろうと思っていたら女子生徒たちに呼び止められ、手紙を渡されるわ、いらんプレゼントを渡されるわ、制服のボタンを剥ぎ取られかけるわ、散々なところを烈火たちに引っ張り出された。
正直助かったが、こいつらに助けられたと認めるのは癪だ。
「僕はお前たちと別れられるのがこの上もなく嬉しいがな」
「つれないんだから、みーちゃんったら」
「うっ」
風子に力強く背中を叩かれて呻く。最後までこういう奴らだからな、わかっていたさ。
「水鏡先輩、卒業おめでとうございます」
「ありがとう、柳さん」
まともに祝ってくれるのは柳さんくらいだが、こいつらが大人しくても気味が悪いしな。柳さん以外は帰っていれば良かったのに。
ああ、でも本音を言うと――
「卒業おめでとう、凍季也」
「……ああ」
桔梗からこの言葉がもらえれば、それで十分なんだ。
セーラー服にはにかんだ笑顔、春にはまだ早い風に髪を揺らす姿は、卒業生たちを差し置いて最も美しかった。彼女こそ、卒業生たちからラブレターだの何だのを渡されていたが、苦笑しながらそのすべてを断っていた。
「相変わらずみーちゃんは桔梗だけだな」
「黙れゴリラ」
土門を睨みつけて、溜め息をつく。風子ばかり追いかけているお前に言われる義理じゃない。
「よっしゃ、そいじゃあカラオケ行くか!」
「ちょっと待て烈火。なぜそうなる?」
烈火が先立ち、桔梗は風子に手を引かれてその後を追う。そうなれば、必然的に僕は彼らを追いかけなければならない。桔梗と一緒に帰り、自宅でゆっくりしようと思っていたのに。
「そりゃせっかくの卒業式だかんな。こうでもなきゃ、みーちゃん来ねぇだろ」
「行かないな。というわけで帰るから、桔梗を返してくれ」
「ごめん凍季也。風子たちに誘われちゃったから…」
「……行くのか?」
無言で頷いた桔梗に溜め息をつく。行かなくてもいいのだが、最後くらいこいつらのワガママに付き合ってやるのも悪くない。
「仕方ない、奢りなら行ってやる」
「……土門?」
「風子サマ?」
「や、柳〜?」
「わたしに任せてくださーい!」
「…はぁ」
こういうやつらだったな。


水鏡くんは卒業式にさぞやおもてになることでしょう(笑)

2013/03/02


FF7/クラウド・ストライフ

もしできるなら、クラウドにたったこれだけ言われたら、私はすごく、すごく嬉しいだろうなって思った。

「卒業おめでとう。よく頑張ったな」

ほかの誰でもない、クラウドに言ってほしいなあ。

2013/03/01


テイルズオブファンタジア/チェスター・バークライト

「クレスのこと頼むぜ?あいつ、結構無茶すんだし」
チェスターが私を魔法陣に向けて背を押したときに残した言葉がこれだった。今まさに、無茶をしている人には言われたくなかった。
「チェ、」
「行け!!」
クレスに受け止められながら振り返ると、青い髪をなびかせた背中が、ダオスの放つ光に向けて消えていった。チェスターに向けて伸ばしかけた手はクレスにしっかりと握られ、次の瞬間には、体が内臓ごと浮かび上がるような感覚がして、世界が眩しく霞んだ。

「……ノン、……カノン!!」
「く、れす…?」
肩を揺すられて目を開けると、心配そうに眉を寄せて私の顔を覗き込むクレスと、その隣で同じく心配そうなミント。
ゆっくり体を起こすと、辺りには見慣れない景色。
「ここは?」
「ミントとも話してみたんだけど……ここは、百年前の過去だと思う」
「過去?」
それから、私たちが過去へ送られた理由を聞いて、まずは村を探そうということになった。立ち上がってから、辺りを見回す。先に歩いていたクレスが振り返った。
「カノン?」
「あ…ごめん。チェスター、来れなかったんだなって」
「……そうだね」
一番最初に、私を叩き起こしてくれそうな人がいないことは、わかっていた。私たちを守るために、彼はあの場に留まったのだから。
「早く現代に戻れるよう、今は前に進むしかないよ」
「わかってる。行こうか、クレス、ミント」
「カノンさん…」
ミントの手をしっかりと握って、歩き出す。そうだ、今はクレスの言うとおり先へ進むしかない。
待っていて、チェスター。必ず戻って、あなたを助けるから。



序盤にしてチェスターとの別れがつらすぎて叫んだ←

2013/02/26






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