99 枯死淡々

「コエンマ様〜!幻海師範〜!」

 頭上から迫るぼたんの声に、二人は思わず見上げた。ぼたんは櫂を上手く乗りこなし二人の目線まで高さを調整すると、ようやく動きを止めた。

「一体どうしたんだ?」

 キョトンとする幻海にぼたんは矢継ぎ早に聞いてきた。

「どうしたもなにも、閻魔大王様からの言付けですよ!最近凪沙ちゃんの様子が報告上がってないからって…早急に様子を見てくるように指示が出たんです。で、ここからが重要なんですけど。凪沙ちゃんに霊界に来て欲しいって…」

 そこまで聞いた幻海とコエンマは表情を変えずとも、息を呑み視線を交わした。こんなタイミングに、何故。内心変な焦りと緊張が身体中を巡り、思わず空咳の一つでもして誤魔化したいところであった。だが、ぼたんの次なる弁に二人は驚愕を隠せなかった。

「それでですね、何故かコエンマ様も同伴するようにっておっしゃってました」
「ワシもか!?」

 コエンマが目を丸くして問うた。予想外の展開に、思わずおしゃぶりも落としかねた。

「ええ。謹慎の最中だけど、そんなもの関係ないって…」

 そりゃあもう、物言いする隙なんて与えてもらえなかったんですから。声色、表情、身振り手振りを閻魔大王仕様で話すぼたんは、恐らくその場面を再現しているのだろう。だがしかし、今のコエンマにとってはそんな冗談に乗れる余裕ですらなく、眉間に皺を寄せ顎に手を添えた。何かを黙考しているような素振りな上、珍しく普段より塩らしい反応を見せたコエンマに、ぼたんは思わず疑問を抱く。

「凪沙なら今も森の中で修行中だよ。言付けならあたしが後で伝えといてやる」

 すかさず、幻海が助け船を出した。以前ぼたんがここへ訪れた時も確かに凪沙は森の中で修行をしていた。霊界探偵を任されたからこそ、もしかしたら入念に準備をしているのかもしれない。ぼたんが疑わずに納得するには十分だ。

「じゃあ、お願いしてもいいですか?あたしまだ仕事が残ってて…」

 ぼたんが再び高く浮遊し始めた。幻海とコエンマを交互に見やるが、何故か彼の反応に違和感がある。普段なら「なんで親父の呼び出しに一々反応せにゃならんのじゃ!」と文句の一つや二つが出るのが常なのに。妙に変に素直というか、静かと言うか…。そこまで気にするようなことではないのに、何故疑問に思ってしまうのだろう。

「あぁ。こちらの事は気にするな。後でコエンマと一緒に行くように話すよ」

 幻海の弁にぼたんの意識が引き戻された。再びコエンマを見やるが、先ほど見せた表情は既になく上司の顔でしかない。即ち普段と変わらなくなったのだ。…気にしすぎ、だろうか。

「…それじゃあお言葉に甘えさせてもらいます。コエンマ様、尻尾撒いて逃げちゃダメですからね!?」
「わーっとるわい!」

 ぼたんは空に浮遊すると再度コエンマを一瞥した。しかし踵を返すとあっという間に遠くの彼方へ消えていった。

「…ったく、隠し事が下手だな。あのぼたんが怪しむほどの動揺を隠せないとは…情けない」
「あのなぁ、ワシとて好きであんな反応したわけじゃない。…とはいえ、先ほどは危なかった。礼を言う」
「あんな出まかせ、朝飯前さ」
「しかし…凪沙がいつ戻って来るか確証が持てんのに…。あんな事言ってしまった手前、もう後戻り出来んぞ」
「じゃあ正直に“躯の手下どもに連れ去られました。ここにはいません”と説明した方が良かったか?」
「それは…」

 ぐっ、と言葉が詰まるコエンマ。舜潤にもうまく口裏を合わせてもらっている以上、最後まで隠すしかない。だが凪沙本人が人間界へ戻ってこないといずれはこの事実が露呈してしまう。タイムリミットは刻々と迫っているのだ。

「霊界も腹を括ろうとしているのかねぇ」

 幻海の含みのある言葉にコエンマは思わず彼女に視線を向けた。幻海の視線とゆっくり絡むが、何かを悟ったような表情をしているのは気のせいだろうか。

「閻魔大王が直々に人間…いや、半妖怪の凪沙との接触を試みるのも、お前達が調べている人魚族の件も、今までの経験からして考えられるか?」
「いや…。そもそも親父がこんな形でワシ以外の人物を呼ぶのは初めてじゃ。それに、ワシと舜潤の動きが止まってからのこのタイミング…。恐らく親父はワシらを牽制しているんじゃろう」
「これ以上首を突っ込むな、と言いたいのか。あるいは覚悟を決めたのか」
「あぁ。…でも、いよいよ凪沙が帰ってこないと何とも…」
「その時はお前が腹を括る時だよ」
「…勘弁してくれ」

 頭を項垂れ深い溜息をついたコエンマ。視線が落ちたその先には、先ほど手にしていたメモ書きがあった。
 …綿津海という男と人魚の関係は一体何なのか。霊界にその答えは果たしてあるのだろうか。
 コエンマの脳裏に、人魚の姿になった凪沙が過った。





***





 この世に神など存在するものか。福音だの信仰心など、馬鹿馬鹿しい。信じられるのは己のみだ。味方なんて必要ない。奪われた時の感情を知ったからには、いない方が確実に生きやすいと思ったのだ。
 もし、神とやらが本当に存在したというならば。何故このような星の元に生を受け、何故このような境遇に立たせたのか問いただしたいところだ。
 不当で不条理な世の中にはつくづく嫌気が差す。もう他人は信じない。孤立無援だろうが、一人で生きてみせる。

 

 それは、飛影が人間界を訪れてから数年後に起きた事だった。

 雪菜と氷泪石を求め、魔界を飛び出した飛影だったが、彼にとって人間界での新たな出会いは今後の人生を大きく左右するものであった。
 元々盗賊仲間として手を組んでいた蔵馬からはじまり、幽助や桑原、コエンマや幻海との出会いは俗にいう“仲間”と呼ぶ関係になった。
 正直他者とつるみながら生きるのは性に合わないと思っていたが、まさかこんな形で関係が成り立つとは思いもよらなかった。過去の自分では全く考えられない現実であったが、幽助から示された信頼を機に自分の中で少しずつ変化を齎している自覚はあった。
 彼等との出会いは結果、雪菜を見つけ出せたことや暗黒武術会で新たな強さを手に入れられた機にもなり、決して全てが悪い話しではなかった。そして気付けば居心地の良い居場所となり、彼等との関係は不器用ながらにも心を許せるものへと移り変わった。
 そんな背景があったからこそ、暗黒武術会が終わった後に幽助から「久々に集まろう」と誘われ、珍しく乗り気になれた。幸い雪菜を狙うあくどい妖怪の気配もなく、平和ボケた日常に暇をしていたのだ。
 だが、あの日は飛影にとってまさに青天の霹靂が落ちるとは、誰もが予想していなかった。

「はじめまして…飛影さん。立花凪沙です」

 立花凪沙―――彼女との出会いは、今まで飛影が心に閉ざしていた様々な記憶や感情を呼び覚ますのには十分すぎるものだった。
 初めて凪沙と会った時、己の眼をこれでもかと疑ったのを今でもよく覚えている。彼女の風貌や雰囲気が、まるで潮と瓜二つであったのだ。強いて言えば、違いは瞳の色や髪の長さといったところか。兎に角、目の前に潮が現れたのかと錯覚するほどの衝撃だった。だが、凪沙は潮ではない。それを決定づける要因はいくらでもあった。
 そもそも凪沙は間界で生まれ育ち、両親も人間だ。初見では妖力は愚か、霊力ですら微塵に感じなかった。ところが凪沙の母―――波子の死が全てを一転させた。
 波子の死はもともと凪沙に眠っていた霊力を開花させ、彼女の度量を越える力を与える事となった。正直霊力が開花しようがしまいが、自分には関係のないというのは重々承知していた。しかし、街中や川の中に潜んでいた亡霊達が彼女の命を脅かそうとした際、頭よりも先に身体が動き、気付けば凪沙を助けていた。腕の中で恐怖に震える凪沙の表情や雰囲気は、やはり潮の影が微かに重なった。
 だが、幽助や蔵馬、桑原との関り、そして幻海邸での生活を見守っていくと、次第に“彼女は眉唾物ではない。潮でははく凪沙という、一人の人間の少女である”という事を改めて確信し、そして不思議な事に彼女に少しずつ魅了されていく自分がいた。
 幻海邸での生活は凪沙にとって過酷であり、決して一筋縄でいかぬものだった。並の人間では悲鳴を上げそうな生活と修行の毎日を送るその様子を邪眼でしばらく見守っていた。それ故泣き言の一つや二つは零れるだろうと思っていたが、凪沙は一度も涙せず屈することなく日々を生きていた。唯一の味方に手を差し伸べられ、他に居場所がない窮地に立たされているのも勿論あっただろうが、恐らくそれだけではない。凪沙なりの、自分に出来る事―――即ち、母の愛で守られていた霊力と向き合い、上手く付き合っていく為ならば苦境に立たされようが決して諦めない不屈の精神が彼女を動かしていたのだろう。そんな凪沙が唯一涙するといえば、波子からの手紙を読んでいた時のみだった。
 凪沙は母親に愛され、その愛を周りに振り撒き好人物像を形成した。そこに惹かれたからこそ、幽助や桑原、蔵馬との関係を育んだのだ。無論飛影もそうだったが、彼にとっては逆境に負けじと生きようとする凪沙の強さや、それに反する優しさや朗らかな笑顔に、盤石であった心が徐々に解かされ潮を失った虚無感が自然と埋まっていった。
 だからこそ、誰にも渡したくない。凪沙を自分だけのものにしたい。自分だけを見ていて欲しい。
 そんな独占欲が飛影の心を占めるまでにそう時間はかからなかった。凪沙への思いは日々膨らみ、気が付けば潮に好意を持ったあの感情を再び持つ事になったのだ。そんな最中、まさか幽助や蔵馬もまた凪沙へ好意を寄せていたのは予想外であったが、結果彼女と飛影は結ばれた。潮が指南してくれた旨を胸中に、凪沙と共に幸せを―――そう、願いたかった。
 だが運命の神様とやらは実に悪辣だ。仙水の計画…即ち、魔界の穴計画を機に全ての歯車が動き出した。人間界の空気に魔界の瘴気が混ざり始めた頃、事態は急変したのだ。
 もともと、凪沙の容姿や雰囲気が潮に酷似している事から血を引いているのでは、という疑念は抱いていた。しかし、凪沙からは霊力しか感じず妖力は微塵もなかった。それ故、このまま一人の人間として人生を全うし、その隣にいられたら―――そんな非現実的な願いは少なからずあった。まさか人間と妖怪の共存など夢のまた夢だったが、この幸せがいつまでも続くのならば…と根底では願っていた。
 だが、その願いは些末と化し非情な現実と向き合う時が訪れた。
 凪沙が山奥で修行中、川で溺れかけた際ついに人魚の姿を露わにした。人魚と化した凪沙は瞳が麗しい蒼に染まり、髪も腰まで伸び、そして下半身は翡翠色の鱗と尾ひれに変わったのだ。飛影はその様を目の当たりにした瞬間、凪沙ではなく潮がこの世に蘇ったと本気で思った。それ故、幻海がいたにも関わらず彼女を―――潮を抱きしめた。しかし、視線が絡んだ瞬間口調や雰囲気を感じ取ると、瞬く間に見当違いだと気付かされた。この人魚は潮ではない、凪沙そのものだ、と。
 根拠は、と問われれば具体的には言えず、強いて言うならば“なんとなく”だ。実に抽象的ではあるが、長年の経験は勿論これまで一番近くで潮と、そして凪沙と関わって来たからこそ本能が教えてくれたも同然だった。
 そして人魚と化した凪沙は必然的に魔の手が忍び寄る―――それが仙水だった。魔界で既に人魚族の行く末を知っていた為、境界トンネルの存在は厄介でもあったが、ある意味このおかげで凪沙と潮が血縁関係だったと確証した。一体どんな過程があってそんな結果になったのかは不明だ。一番手っ取り早いのは霊界を探る事だが、執行猶予中なので下手な動きは避けたい。それ故、いつかタイミングを見計らって調べればいい事なので、事態を優先した。
 それも兼ねて凪沙を守り抜くのは愚問であったのは承知している。だが、その反面不安もあった。
 もし、潮を失った時のようになったら?あの喪失感を再び背負う事になったら?心を満たす笑顔や言葉が与えられなくなったら?
 それらが過った瞬間、当惑を隠せなかった。そしてその事実は“妖怪と人間の共存”という希望を打ち砕くには十分すぎたのだ。
 飛影の中で迷いが生まれ逡巡する時間が増えた事から、敢えて四次元屋敷を去り凪沙の元を離れた。だが凪沙を守りたい思いは変わらなかったので、せめてものとお守りを渡したのだ。
 しかし、その間にも境界トンネルの侵食は留まらず、ついには仙水が動き凪沙を攫った。結果、お守りの存在が仇となり凪沙の救出を名目に再び幽助達と手を組んだ。そんな最中、本心は仙水の桁外れの強さは勿論、凪沙を失うかもしれない恐怖心が瞬く間に心を侵食していく。
 人魚の姿で必死に戦う凪沙はやはり潮の影が重なった。結果、戦いは幽助の魔族大覚醒のおかげでなんとか窮地を凌いだものの、飛影の迷いはついに明確なものへと変わる。それが魔界への招待だった。
 仙水に歯が立たなかった現実は悔しいが目を剥いた。それも相まって、いずれは人間界を去る事も頭の片隅にはあった。それを後押しするようなタイミングで躯から招待を受け、率直に更なる強さが手に入るのなら、と期待が高まったのだが、それと同時に過ったのは凪沙の件だった。
 幻海から「凪沙を守れるのか」と問われた際、言葉に詰まった背景はここにあった。潮が様々な妖怪から目を付けられ、命を狙われた過去、そして仙水が凪沙を欲した現実。それらから目を背けることは出来なかった。同じ過ちを繰り返さぬ為にも、今以上の強さが欲しい―――それが飛影の本心だった。
 だが、凪沙の立場はどうだろう。元々彼女は人間界で生まれ育った。仮に飛影が強さを手に入れたとしても、結局魔界へ戻る事となる。となれば凪沙も連れて行かねばならない。即ち、魔界で暮らす事になるのだが、果たしてそれは彼女の為になるのかは疑問だった。
 今でこそ仙水のような強者が倒され、霊界の体勢も改めて立て直している最中であろう。コエンマの目が行き届き、幻海、そして桑原がいるこの世界に凪沙は残った方がいい。これからの彼女の安全を思うともはや愚問だった。
 ところが、ここでまた事態は急変する。人魚と化した凪沙の身体に残った妖力は消えず、結果彼女は半妖怪となった。それと相重なるように、刻々と迫る魔界へ渡る日…。飛影の思いはより交錯し、そして逡巡した。凪沙に流れる人魚の血が覚醒した―――それ即ち、彼女にも妖怪として生きる選択肢が増えたのだ。だからといって凪沙も共に魔界へ、というのはあまりにも安直である。
 飛影は何度も思索にふけたが、やはり結果は同じだった。「一緒に魔界へ行きたい」凪沙の願いを諦めさせるには酷薄になり、心に鬼を迎い入れる他なかった。これが凪沙にとっても、飛影にとっても、最善の道であるのだ、と。
 頭に散々言い聞かせ、いざ凪沙を目の前にしてその旨を打ち明ければ忽ち彼女の表情は暗澹し絶望の色で染まっていった。
 …そう、それでいい。甘い行為の後に死に際を垣間見せれば、この生ぬるい人間界で生きていくのが正しい選択だと気付くはずだ。飛影は凪沙の首筋に刀を当てがいながら、悪辣の片鱗を見せた。だが、飛影の心の翳りは一瞬一筋の光を許してしまう。
 涙を見せながら霊丸の構えを解き、その小さな手、そして細い指が飛影の頬に触れた。瞬く間に凪沙の温もりが伝わり、飛影の瞳に当惑の色が染まった。まるで何もかも見透かされているような、凪沙の青々とした瞳。その視線が絡まると無意識に飛影が手にする刀が震えたのだ。
 嗚呼、ここまで冷徹に染まった己をこの少女はまだ受け入れてくれるのか。
 飛影の良心が酷く、激しく呵責された瞬間だった。だが、現実はもう後には引けないところまで迫っている。飛影の抱く蟠りは結局魔界へ渡る日まで消えることはなかった。だからこそ、最後に凪沙が呼び止める声にどうしても反応してしまった。
 右腕から伝わるあの温もり、そして声色の震え。…またも、凪沙に涙させてしまったのだろうか。飛影の中に罪悪感が生まれ、最後の情けだと意を決し振り向いた。
 しかしその視線の先には涙など一滴も零さぬ、満面の笑顔の凪沙がいた。飛影が一番愛しみ、いつまでも見ていたいと願った笑顔だった。

「…気を付けて。行ってらっしゃい」

 その一言が、どれほど飛影の心を揺さぶった事だろうか。凪沙の言葉が本心ではないのは、自分が一番よく理解している。彼女なりに覚悟を決め、笑顔を取り繕って見送るその健気さに、動揺を隠せなかった。
 本当は離れたくない。隣で笑っててほしい。そして―――共に生きたい。
 飛影の本心が垣間見えた瞬間、自然と手が伸ばされた。まるで離れていく凪沙の手をもう一度掴もうとするように―――だが、凪沙の名を呼ぼうとした瞬間、特防隊の声により瞬く間に現実に引き戻された。
 …違う。最善の道は凪沙が生きることだ。危険の伴わない、平和な世界で―――。
 そう、これでいい。これで全て解決する。…では、何故俺は強さを手に入れる必要がある?守るべき者は全て手放した。なのに、何故こんなにも虚無感に蝕まれ、釈然としない日々が続いているのだろう。飛影は諦念を漂わせる中、今まで気付かぬふりをしていた内なる声にようやく反応する気になれた。
 俺は生きる目的は達成した。雪菜も、氷泪石も、そして潮―――いや、凪沙も。魔界に渡れば遅かれ早かれ、命を落とす日は明確だ。それが少々早まっただけだ。
 己の人生を知り、そして師でもあった時雨が最後の戦いの相手だったのも、もしかしたら何かの縁なのかもしれない。全てを悟るのには十分だ。飛影は闘志を燃やす最中、凪沙の笑顔が脳裏を過った。
 今までは勝つ為に手段を選ばなかった。だが、今は―――生きる目的はない。
 飛影が地を蹴った瞬間時雨との戦いが始まった。

 飛影の記憶は幕を閉じた。



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