002+: エレーミア・ルヴィニ

002+3: incubus × ...

(いつもなら飛んだり跳ねたりするたび、ドレスの裾と一緒にもさもさと縦横無尽に広がる金髪は、今日はそれぞれ両耳の上のほうで括られている。前髪と後ろ髪を分ける位置に作られたカチューシャ状の編み込みをアクセントに、服に合わせたピンク色の幅広いリボンは大きな花結びがされてツインテールを飾り、丁寧に櫛を通された細い髪は空気を含んでふんわりと、日ごろ髪にも服装にも頓着せず広大な屋敷の敷地を本能の赴くまま駆け回っている姿を知る相手にすれば、このいやに可愛らしい有り様は意外な光景だったか。指摘を受ければ髪型を変えたことによる浮かれ気分そのままに踵を浮かせたり下ろしたり、するとボリュームのある結い髪が顔の横でぴょこぴょこと跳ね踊り)
これ? かみのけバサバサしてうるさいでしょ、ってメイドがやってくれた! んーと、なまえ知らないひと……おれ、メイドはねえやしかわかんない!
(このアレンジによって外見だけならよりいっそう女児らしくも、慣れ親しんだ相手に向ける笑顔は溌剌として性別を見紛うような可憐さは希薄、楽しげにきらきらと輝く赤い瞳で相手を上目遣いに見上げ)
これ、かわいい? かわいく見える? へへー。
(尋ねるニュアンスは装いに見合った少女性を求めるものではなく、日常と異なる箇所もまた魅力の一つと認めてもらいたがる単純な承認欲求の表れ。八重の花弁のように薄い生地が重なったミモレ丈のスカートを翻し、その場でくるりと一回転、結っても背中にかかる長さの金糸がリボンの垂れた部分を纏わせて後を追い、それが元の位置に落ち着くと、もっさりと膨らんだ二本の毛束の肩に近い中程のところを掴み、箒か犬の尻尾を思わせる動きで毛先を左右に振ってツインテールをこれ見よがしにアピールしてみせ)

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