002: エレーミア・ルヴィニ

002-9: incubus × outsider(人外)

よう。久しぶりだな。
(軽く片手を掲げ、表へと出てきた相手に声をかける。朧気な記憶を頼りに辿り着いたそこが変わらず相手の住処であったことに安堵した風情で身体から力を抜き、なんとか無事に昔馴染みとの再会を果たせたと和む眦に喜色を滲ませ。街は近代化の波に呑まれてすっかり様変わりしたが、番地は以前のままらしい、道順でなく住所で覚えていたのが功を奏したと言えようか。もはや遠い昔の懐かしい面影もほとんどなく、長い年月を経ても容色衰えない相手の他は見覚えのない目新しい光景ばかりが広がる街並みを、赤い目を瞬かせながらぐるりと見渡し)
いや、そろそろ居所を移そうかと思ってこちらへと来てみたんだが、少し見ぬ間にずいぶん変わってしまった。案内してくれ。まずは……そうだな、一休みしたい。

- ナノ -