more info



incubus/succubus
exorcist
小ネタなど


incubus/succubus
淫魔について:

 淫魔とも夢魔とも言い、下級の悪魔。男性型の淫魔は「インキュバス」、女性型の淫魔は「サキュバス」と呼ばれる。


 夢や寝室に侵入し、睡眠中の人間を襲い、粘膜の接触または体液の摂取によって奪った精気を自らの糧とする。これを「食事」と言い表す。精気が不足すると空腹感・飢餓感を感じ、長命の種族ではあるも精気不足があまりに長期間続くと干からびて餓死に近い状態となる。
 粘膜接触か体液を得られればそれで食事可能なのでキスでも構わないが、セックスのほうが吸収効率がいいのと快感を伴うので、たいがいの淫魔は性行為による食事を好む。
 精気はとどのつまりその人間の生命力であるため、奪われると疲労感がものすごい。一気に奪われすぎると生命維持すら危うい重篤な状態に陥る。
 摂取した精気は淫魔同士でもやり取りができる。ただし人間の精気のほうが美味とされており、普通はそちらを好む。


 淫魔の共通の特徴として、夜行性で夜目の利く目を持ち、日光を苦手としている。一般的に色味に個体差はあれど虹彩は赤い。
 また人間が食べるような食品は食べられないわけではないものの、味やエネルギー補給の効率性が精気より劣るとされていることから、好き好んで食べる淫魔は少ない。水分や液状の物の摂取は固形物より容易なため、個体によっては酒やジュース等々を飲んでいることがある。
 身を置いた環境次第で肉体や体質の変化・適応がある様子。
 それぞれ得手不得手はあるが、総じて五感、運動能力、治癒力といった身体能力は人間より高い。


 淫魔には淫魔の世界が存在し、人間社会と同様に家系や血統を重視する風潮があり、貴族的な上流階級も存在する。名門扱いされるのは、人間や他の人外の血を入れたことのない純血淫魔の家系など。
 他の種族を孕ませる(孕む)こともでき、その場合はハーフが生まれる。ただし、それにも「淫魔の力が高まる新月の夜」「孕む側がいわゆる危険日である」など細々と必要な条件がある。
 ハーフは純血淫魔に比べて基礎的な能力が劣る分、昼間に生活をしたり食物からの栄養補給が可能。両親や先祖の種族によっては淫魔にはない特徴が現れる者もいる。


 人間の精気を奪う行動のせいで祓魔師から討伐対象と見られることもしばしばあり、時には交戦に発展する事態も。悪魔の一種なので祓魔師により殺害、封印、消滅等させられることがある。
 一方で、ハーフや人間の中には行動に理解を示したり、精気の対価に快楽や労働を求めるなどして、淫魔の日常生活をサポートする協力者・支援者もいる模様。


 淫魔を含む魔族(悪魔類)の血液を人間が摂取して契約を交わすとその悪魔の眷属に、逆に人間の血液を悪魔類が摂取した上で契約すると、悪魔はその人間の使い魔として使役されることになる。




exorcist
祓魔師について:

 祓魔あるいは退魔と呼ばれる作業を行う者。エクソシスト。


 仕事内容は悪魔やそれに類する人外、霊的な支障、人や社会に甚大な被害を与えかねない異端者などへの対処が主。場合によっては戦闘を伴う。聖別された武器を使う者、人外を使い魔として使役する者など、戦い方はそれぞれ。


 宗派の附属施設や上役から祓魔・退魔技能を学ぶ所もあれば(フィロの祓魔師資格はそれで取得したもの)、宗教とは無関係に祓魔業務に当たる組織も各地に存在し(グランキオはこれに属する)、大半の祓魔師は何かしらの組織に身を置いている。組織に所属する以前に祓魔師と出会い、それを師として祓魔師の何たるかを学ぶ例もある(ステラも入り口はこの例)。


 独学で学んだ、脱退した、破門された等の理由により、組織に属さない、いわば「野良祓魔師」とでも呼べる者も存在する。
 組織による任務の振り分け、報告書の提出義務、実力や性格の合わない祓魔師と組まされる心配などもない分、野良祓魔師の自由度は高い。その代わりに仕事が欲しければ自力で得る他になく、報酬の交渉や損害による賠償といった雑務も一手に負わなければならない。一長一短。


 また、脱走や情報漏洩、背信行為で組織に損害を与えた者が、爾後討伐対象として狙われるようになるのは勿論、組織の任務の邪魔をしたと見なされてしまうと、野良祓魔師であっても組織に追われる場合があるとか何とか。



銀十字祓魔協会:

 祓魔師の育成から派遣までを行っており、地域ごとに支部を持つ。銀十字祓魔協会の祓魔師には、その名の通り、銀の十字を象ったバッジや腕章が支給されている。


 一級、準一級、二級、準二級…といった具合に、能力に応じて祓魔師はランク分けされ、通常は任務の難易度に見合った者が派遣される。
 依頼する側が祓魔師の指名をする自体は可能だが、高位の祓魔師になるほど人数が減るので、それをわざわざ易しい任務に当てる事は少なく、逆に発展途上の祓魔師を危険な任務に就ける事も(経験を積ませる目的以外では)殆どなく、必ずしも指名が通るとは限らない。


 祓魔師をまとめる組織であって宗教組織ではないため、所属する祓魔師の信仰対象には一切関知せず、附属の教会や聖堂といった建物も有していない。
 ただし、祓魔師が自身の属する教会や寺社やその一部を祓魔協会の事務所・拠点として使用する事は許可されており、そこが一般人と協会を繋ぐ窓口になる事例も数多い。


 本部はヨーロッパ某国。
 中世に建てられた石造りの要塞を再利用している。規定上の公用語はドイツ語、フランス語、スペイン語、英語、中国語。
 祓魔師、事務方、その他業務のサポートをする職員が24時間365日詰めており(長期休暇シーズンには割と人手不足)、本部付きの職員は本部内の居住区画に部屋を与えられ、住み込む形になっている者も多々いる。
 中世建築の趣が残っている部分もあれば、現代の生活様式に合わせてリノベーションした箇所もあり、中でも居住区画には食堂から売店から大浴場からレクリエーションスペースまで完備。通販で注文した荷物も(事務局に)ちゃんと届く。


 本部では年に数回、支部長会議が開かれる。所属人数や支部の多いそこそこ大きな組織である弊害か、派閥の形成や手柄の奪い合い、昇進争いといったドロドロな暗部もあったりなかったり。
 それでもランク高位の祓魔師などは数が限られている事から、支部とそこに属する祓魔師同士の協力・サポート業務は決して少なくない。


 祓魔師のランクは、

  1. こなした業務とその成果および損害、といった任務内容に対する評価の積み重ね
  2. 支部内の評議
  3. 状況や人物によっては、本部もしくは支部長会議での評議
  4. 適性検査(面接、実技試験、筆記試験など内容は人による。ときどき全て課される猛者(?)もいる)
  5. 適性検査の結果を踏まえた上で、本部もしくは支部長会議での評議
  6. 本部の承認
  7.  という手順を踏んで上がっていく。


     任務を着実に遂行していれば普通はある程度までランクは上がるものの、二級以上になるには祓魔技能と知識の他にも戦闘、作戦立案、指揮能力といった様々な要素が必要とされてくる。
     銀十字祓魔協会において、高位の祓魔師になるつれて数が少なくなるのはその為であり、一部能力が欠けているせいで実力に見合わない低ランクに甘んじている祓魔師もいる……かもしれない。


     著しい服務規定違反、問題行動、依頼者からのクレームなどがあると査問委員会より召喚され、取り調べを受ける。当然上司も叱られる。
     処分は軽いものだと口頭注意、譴責、始末書の提出、減給などだが、ひどい場合は祓魔師資格剥奪や、協会からの追放・討伐といった厳しい処分も有り得る。




    その他 小ネタ

    • 孤児同然だったイヴェールは、幼少期にアルギュロスの家にひろわれ、成人するまで面倒を見てもらっていました。アルギュロスほか、アーデイン家の血族には「イヴ」という愛称で呼ばれ、現在も交流を持っています。
    • イヴェールにとって、アーデイン家の中ではアルギュロスが一番年齢の近い同性だったので彼と過ごす時間が多く、それなりに親しくなりましたが、それ以上にアルギュロスの兄を「にいさま(※1)」と呼んで慕っていました。
    • アルギュロスの愛称は身内が呼ぶだけでも「アル」「タソス」「アリス」等々と多岐に渡ります。イヴェールは「アーシャ」と呼んでいます。
    • アーデイン家とオーランローズ家は純血家系という繋がりから、以前より家同士の交流があります。アルギュロスとメアルーも顔見知りですが、メアルーは幼い時からアルギュロスにからかわれ翻弄されてばかりの為、大変苦手にしています。
    • メアルーの正式名もアルギュロス同様に大変長いです。ただ普段は使わない為、メアルー本人は自分の長すぎる本名を覚えていません。設定上は「メアルー・スル・キョヴラーン・バン・バハローグ・ヴェガ=ペルラ・ストルブロンタナス・スィイ=シュリフト・オーィアル・エィシュク・オーランローズ」が正式名。
    • 血統がいいと、名前にミドルネームや添え名の他、先祖や縁のある人物の姓名などを連ねていったりするので、歴史ある名家の生まれほど名前がどえらい事になりがち……という設定。
    • グランキオの本名は「ガブリエーレ・デ・ルカレッリ」。愛称は「カブリオ」「レーレ」など。(※2)
    • グランキオは厳格な聖職者だった養父が割と本気で苦手でしたが、割と本気で慕ってもいました。初恋もファザコンもこじらせてる。(※3)
      ちなみに「レーレ」の愛称は、主に養父がグランキオを呼ぶ際に使っていたもの。(※2)
    • グランキオの上司である南欧支部の支部長は養父と交流がありました。グランキオは今もって養父を引き合いに出されると弱く、それを知る支部長によって、サポートや複数人が駆り出されるような好みでない仕事も毎度毎度引き受ける羽目になっています。
    • フィロは人外にいい印象を抱いている訳ではありませんが、自分も周囲もそれらの実害を被った経験がなく、専業祓魔師という訳でもないので、グランキオやステラのような淫魔やその他の人外に対する執心や憎悪などは殆ど持ち合わせていません。痛がりで戦闘が得意ではないのも併せて、比較的に人外への態度は穏健な方です。
    • フィロは赴任している以上、どう考えても既に司祭か助祭に叙階されているのではないかと思いますが、当キャラレスはフィクションです。
    • フィロは出身国の都合上、実は二重姓(父方の姓と母方の姓を連ねる)という設定がありますが設定だけです。


    ※1 キャラレスでの設定に使用して頂けます。「アルギュロスの兄→姉」「にいさま→ねえさま」等、性別の変更も可能です。


    ※2 「養父」「初体験の相手だった淫魔」「幼少期および神学校時代の知り合い」といった既知設定などの場合、こちらの本名や愛称を使って頂いて問題ありません。


    ※3 グランキオのテーマにある「いたいけだった夜の記憶とそれにまつわる狂気の初恋」における初恋相手は、初体験淫魔でも養父でもイケる……つもりです……。

- ナノ -