002+: エレーミア・ルヴィニ

002+4: incubus × first guardian(初代後見人)

当主さま……まだこれおわんないの?
(誰も彼もが着飾り、会場もまた贅を尽くした装飾に彩られた煌びやかな舞踏会。同伴した己も例に漏れず、過多に思えるほど幾重にも生地やレースが重なった夜会用のドレスは普段以上に動きにくく、引き摺るしかない重たい裳裾を片腕で抱えるようにしながら、頼りなげに相手の礼装の袖を掴み。相手とて遊びに来ているのではなく、これも人脈や見聞を広げる大切な場ではあるのだろうけれど、そうと分かっているからこそ連れである己も無作法な振る舞いをするわけにはいかず、窮屈かつ退屈な時間を持て余してむすっと顔を顰め)
ん……べつに飽きては、ないけど。おれ、ニンゲンのごはんは食べられないし。知らないヒトいっぱいだし。それに当主さま、さっきからずっとほかのヤツとばっかりしゃべってる……。
(袖から手の側面を辿って相手の小指をきゅっと握りつつ、ちらと周囲に視線を走らせる。テーブルの上に並んだ凝ったメニューの数々、そこかしこで話し込む身なりも所作も上品な人々、はたまた家名を背負う当主たる相手と話す隙を狙っているのだろう、こちらの様子を窺う有象無象──シャンデリアの灯りの下に照らし出されるそれらは心引かれるものではなく、唇を尖らせて俯き。そこで会話が途切れたと見えたか、こちらに近づく足音と見知らぬ人物の当主への気安い挨拶にハッとすると、相手に触れていた手を引っ込め、警戒心の強い野生動物のような俊敏さでドレスの裾を翻し)
お、おれ、あっちいってるから……! 当主さま、かえるじかんになったら言って!




*設定参考
設定は初代後見人ですが、この後ぼっちでいるところに他の方から声を掛けられるパターンもアリかもしれない……?
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